『劉皇后の仰せのままに』第19話 あらすじ/ネタバレ

夜の帳が下りる中、段雲重(だん・うんちょう)は宮道で風月(ふうげつ)と遭遇する。彼は重そうに黄金の袋を差し出し、風月(ふうげつ)にメッセージを伝えて欲しいと頼む。風月(ふうげつ)は快く承諾した。

一方、金鳳(きんぽう)は庭で入宮する若い女性たちに出会う。好奇心に駆られた彼女は、涼亭までこっそり後を追う。しかし、そこで太后と段雲嶂(だん・うんしょう)が話しているのを目撃してしまう。二人が妃選びについて話していると勘違いした金鳳(きんぽう)は、衝動的に飛び出し、段雲嶂(だん・うんしょう)の膝に座り込んで「私はもういるのに」と甘えるように言う。太后は機転を利かせて話題を変え、女性たちを楽班子に連れて行かせる。金鳳(きんぽう)は気まずくなり、慌てて段雲嶂(だん・うんしょう)から飛び降りて逃げる。段雲嶂(だん・うんしょう)は彼女を追いかけ、庭には笑い声と追いかけっこが響き渡る。しかし、金鳳(きんぽう)は井戸に落ちてしまい、段雲嶂(だん・うんしょう)も彼女を助けようと飛び込む。

井戸の中は真っ暗だが、幸い金鳳(きんぽう)が持っていた火打石が周りを照らす。井戸の壁には、宮中の出来事がびっしりと刻まれている。錦郷宮の紅児(こうじ)の片思い、小栓子(せんし)のいびき、雲嫣(うんえん)の奇妙な癖など、二人は思わず笑ってしまう。そんな時、金鳳(きんぽう)は嫫母(ぼくぼ)の肖像画を発見し、遠慮なく「不細工」と評する。段雲嶂(だん・うんしょう)は慌てて先祖を敬うよう注意するが、その瞬間火打石が消えてしまい、再び暗闇に包まれる。金鳳(きんぽう)は嫫母(ぼくぼ)に謝罪するが、その声に気づいた肅静唐たちが駆けつけ、二人を井戸から救い出す。

夜も更け、栓子(せんし)は段雲嶂(だん・うんしょう)の顔に隠しきれない喜びを見て、陛下がこれほど心を動かされたのは初めてだと感嘆する。段雲嶂(だん・うんしょう)は美しい夢を見る。金鳳(きんぽう)が蛍を放ち、二人が桃の木の下で踊る。それは美しく温かい光景だった。

一方、香羅殿では、金鳳(きんぽう)が本当に蛍を捕まえていた。彼女はそれを料理として食べようとしていたが、素方(そほう)の助言で段雲嶂(だん・うんしょう)への贈り物にすることに決める。しかし、魚長崖(ぎょちょうがい)が邪魔をし、蛍を散らしてしまう。その様子を偶然見た段雲嶂(だん・うんしょう)は嫉妬し、金鳳(きんぽう)に軒宸殿への出入りを禁止する。

翌日、金鳳(きんぽう)は段雲嶂(だん・うんしょう)に会えずに落ち込む。素方(そほう)は本を整理している時に『三十六計』を発見し、金鳳(きんぽう)は「欲擒故縦」の計を使うことを思いつく。一方、風月(ふうげつ)は段雲重(だん・うんちょう)に金鳳(きんぽう)の様子を報告する。雲重(うんちょう)は兄を想ってのことだと話し、白玉への私情はないと明言する。太妃は白玉を気に入り、雲重(うんちょう)を制御できると考える。

白玉は小説を書く時、主人公は雲嶂のはずなのに、雲重(うんちょう)の姿が浮かんでしまい悩む。金鳳(きんぽう)は段雲嶂(だん・うんしょう)に会ってから、自分の決意と変化を率直に話す。しかし、内心では「欲擒故縦」の駆け引きで優位に立っていることを喜んでいる。

翌日、劉歇(りゅう・けつ)は金鳳(きんぽう)を訪ねて、宮中の人員情報を集めるよう依頼する。金鳳(きんぽう)は父を助けるために、太后に宮人の体質改善計画を提案し、健康許可証と「須努力」証制度を導入する。この提案は太后の支持を得るだけでなく、宮中でフィットネスブームを巻き起こす。太后や宮女たちも広場ダンスに参加し、皇宮内外にはかつてない活気と団結力が溢れる。

金鳳(きんぽう)は疲れているが、これがすべて父を助けるためだと理解している。素方(そほう)はその意味がわからず、金鳳(きんぽう)は笑って答えない。翌日、段雲重(だん・うんちょう)は雲嶂に大閲兵が行われることを告げる。雲嶂は金鳳(きんぽう)の真意を悟り、感動して金鳳(きんぽう)の元へ行く。二人の間の誤解とわだかまりは静かに消えていく。

第19話の感想

第19話は、ユーモアとロマンスが絶妙に絡み合った、心温まるエピソードでした。金鳳(きんぽう)と段雲嶂(だん・うんしょう)の井戸でのシーンは特に印象的で、宮中の隠れた一面が垣間見えただけでなく、二人の仲をさらに深めるきっかけとなりました。また、金鳳(きんぽう)が健康許可証と「須努力」証制度を導入する場面は、彼女の聡明さと行動力を示しており、今後の展開が楽しみになりました。

一方で、風月(ふうげつ)と段雲重(だん・うんちょう)の関係にも注目が集まります。風月(ふうげつ)は、段雲重(だん・うんちょう)の気持ちを理解しながらも、自分の想いを押し殺しているように見えます。段雲重(だん・うんちょう)もまた、白玉への想いを隠しながら、兄の幸せを願っているのでしょう。二人の恋の行方も、今後の見どころの一つです。

つづく