千古の愛、天上の詩 第17話 あらすじ/ネタバレ

静寂な清池宮に、予期せぬ波乱が訪れた。下界から来た散仙の無虚(むきょ)と無妄(むぼう)が、宮殿に忍び込み、貴重な仙泉を盗もうとしたのだ。しかし、守護者である長闕(ちょうけつ)に見つかってしまう。慌てた二人は、紫金府から贈られた寿礼である火珊瑚を落として逃走した。

鳳柒(ほうしち)は、二人が紫垣(しえん)の配下であることを知っていたが、古君(こくん)が不在で後池(こうち)の霊力が未熟なため、ひとまず事態を静観することを決めた。長闕(ちょうけつ)は、後池(こうち)の修为が向上していることに疑問を呈するが、鳳柒(ほうしち)は、それは自分が後池(こうち)を陰ながら支えてきた結果であることを明かす。

後池(こうち)は、幼い頃から霊脈が閉塞しており、古君(こくん)が4万年の歳月をかけて孵化させたものの、体質が弱く、霊脈が不安定だったため、実の母に捨てられたという過去を持つ。清池宮の面目を保つため、後池(こうち)はほとんど外出することがなかった。鳳柒(ほうしち)は、特に柏玄(はくげん)が去ってから、後池がさらに勤勉に修炼している様子を見て、心を痛めていた。

ある日、後池は泉のほとりで、火珊瑚を探しに来た無虚(むきょ)と無妄(むぼう)に出くわす。二人は後池の正体を知らず、ただの仙娥(せんが)と見くびる。後池は、彼らの企みを暴くが、清池宮はかつての栄光を失っており、二人は後池を相手にせず、武力に訴えようとする。しかし、鳳染(ほうせん)が駆けつけて二人を退散させた。

鳳染(ほうせん)は、紫金府の度重なる挑発に耐えかね、東華(とうか)の盛宴に清池宮の威厳を示すことを決意する。宴会の招待状には後池と古君(こくん)の名前が記されていたが、古君(こくん)が不在のため、鳳染(ほうせん)は後池を代表として出席させることにした。後池は承諾するが、心の中では柏玄(はくげん)のことを想い、切ない気持ちになる。

柏玄(はくげん)は、実は上古(じょうこ)神界の白玦(はくけつ)真神であり、常に後池のそばにいて、神界の出来事を語ってくれていたが、常に仮面を被っていた。後池は、柏玄(はくげん)の素顔を見ることを切望していたが、柏玄(はくげん)が天劫を乗り越えるために旅立つまで、その願いは叶わなかった。別れ際、柏玄は後池に手首を繋ぐ紐を贈り、万年後に再会し、この紐を目印に再会することを約束した。

無虚(むきょ)と無妄(むぼう)は紫金府に戻り、妖神に襲われたと偽って傷を誇張し、清池宮のいじめを訴えるが、侵入したことは隠蔽する。紫垣(しえん)はもともと鳳染(ほうせん)とは不仲であり、これを機に二人を連れて瞭望山に向かい、東華(とうか)の宴で鳳染(ほうせん)に難癖をつけようと企む。

後池が東華(とうか)の寿宴に出席するという噂が天界に広まり、さまざまな憶測が飛び交う。景昭(けいしょう)は、天后(てんこう)蕪浣(ぶかん)の娘であり、後池に会ったことはないが、仙娥(せんが)たちの噂を聞いて嫌悪感を抱き、噂を広めた者を鞭打する。天帝(てんてい)暮光(ぼこう)は、景昭(けいしょう)を叱責し、兄の景澗(けいかん)と一緒に瞭望山へ祝賀に行くように命じる。景昭(けいしょう)は最初は気が進まなかったが、北海上君清穆(せいぼく)も出席すると聞いて、心変わりして承諾する。

鳳染と後池は出発するが、後池は柏玄が残した霊符を使って先に進むことを希望する。鳳染は後池の気持ちを知りつつも、宴の後に出会うことを約束して送り出す。後池は道中、絵を売る散仙に出会い、自分が仙界で評判が悪いことを知る。さらに、清穆(せいぼく)が北海星耀上君であり、修为が高く、景昭(けいしょう)に慕われていることを聞くが、後池は気にも留めない。

後池は急いで宴会に向かう途中、東華(とうか)の大沢府に迷い込んでしまい、清穆(せいぼく)と景昭(けいしょう)に出くわす。清穆(せいぼく)は後池を見て驚き、後池は立ち去ろうとするが、清穆(せいぼく)の剣で誤って服を破られてしまう。清穆は仙剣を差し出して謝罪し、後池は剣を受け取って立ち去る。清穆は後池の後ろ姿を見て、彼女の手首に自分と同じ手首を繋ぐ紐が巻かれていることに気付き、疑問を抱く。

鳳染は清池宮を代表して宴会に出席し、紫垣(しえん)はすぐに挑発して過去の恨みを蒸し返す。暗流が渦巻く宴会が、静かに幕を開ける。

第17話の感想

第17話は、清池宮と紫金府の対立がさらに激化する展開となりました。無虚(むきょ)と無妄(むぼう)の侵入事件をきっかけに、鳳染は東華(とうか)の盛宴で清池宮の威厳を示す決意を固めます。一方、後池は柏玄との再会を心待ちにしつつ、仙界での評判の悪さに悩むなど、複雑な心境が描かれました。

特に印象に残ったのは、後池と清穆の出会いのシーンです。清穆が後池の手首に巻かれた手首を繋ぐ紐を見て驚く場面は、今後の展開を予感させるものでした。また、景昭(けいしょう)が北海上君清穆に心惹かれる様子も描かれ、今後の三角関係にも注目が集まります。

つづく