西遊記 第14話 あらすじ/ネタバレ

唐三蔵一行は、怪石嶙峋の枯松澗火雲洞にたどり着く。そこには、紅孩児という妖怪が住んでいた。紅孩児は、唐三蔵を食べれば不老不死になると聞き、7, 8歳の子供の姿に変身して木からぶら下がり、「助けてくれ!」と叫ぶ。

唐三蔵は、八戒に紅孩児を助けさせ、自分の白馬を譲ろうとする。しかし紅孩児は、吊るされていた時間が長すぎて体が痛いと嘘をつき、乗ることを拒否。仕方なく、悟空が紅孩児を背負うことになる。悟空は疑念を抱くが、緊箍咒を恐れて従う。紅孩児は、悟空に見破られるのを恐れ、分身を使って悟空を欺き、本物の紅孩児は空中へ逃走する。怒った悟空は、偽物の紅孩児を地面に叩きつける。紅孩児は、術を使って砂利を巻き上げ、唐三蔵を火雲洞へ連れ去ってしまう。

悟空は、山神(さんしん)から紅孩児の正体と住処を聞き、沙悟浄(さごじょう)に白馬と荷物を守らせ、八戒と共に火雲洞へ向かう。紅孩児は、金、木、水、火、土の5つの車に火をつけ、八戒を追い払う。悟空は、避火訣を使って火の中へ飛び込むが、煙と炎で何も見えない。そこで、悟空は東海の竜王(りゅうおう)に雨を降らせてもらうことにする。

四海竜王(りゅうおう)と共に火雲洞へ戻った悟空は、洞の前で紅孩児と戦う。20回合戦った後、紅孩児は再び炎を放つ。悟空は、竜王(りゅうおう)に合図を送って雨を降らせるが、紅孩児の三昧真火は消えるどころか、さらに激しくなる。悟空は、火の中へ飛び込むが、煙を吸って気を失い、川に落ちてしまう。八戒と沙悟浄(さごじょう)に助けられた悟空は、八戒の按摩で意識を取り戻す。

悟空は、竜王(りゅうおう)に礼を言い、八戒と沙悟浄(さごじょう)に観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)に助けを求めることを提案する。しかし、悟空は体調不良で雲に乗ることができない。八戒は、自分が観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)を連れてくると言い、雲に乗って南へ飛んでいく。

雲の上から八戒を見張っていた紅孩児は、偽の観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)に変身し、八戒を火雲洞へ誘い込む。八戒は騙され、小妖(しょうよう)たちに捕まってしまう。悟空は、八戒が戻ってこないため、洞の前まで様子を見に行く。小妖(しょうよう)たちが刀を持って悟空を捕まえようとすると、悟空は身体が痛くて動けないため、花柄の風呂敷に変身して道端に隠れる。小妖(しょうよう)たちは、悟空を見つけられず、風呂敷だけを持ち帰る。

悟空は、紅孩児が父である牛魔王(ぎゅうまおう)を呼び、唐三蔵を食べさせようとしていることを知る。悟空は、牛魔王(ぎゅうまおう)とは花果山で義兄弟の契りを交わした仲であるため、自分の毛を1本抜いて風呂敷に変身させ、洞の外で牛魔王(ぎゅうまおう)に変身する。小妖(しょうよう)たちは騙されて、悟空を火雲洞へ招き入れる。紅孩児は、「父」に唐三蔵を殺して食べさせようとするが、悟空は菜食主義を理由に断り、紅孩児の疑いを招く。小妖(しょうよう)から事情を聞いた紅孩児は、さらに疑いを強める。紅孩児は、自分の誕生日を忘れたふりをして悟空に尋ねるが、悟空は答えられない。紅孩児は、悟空が偽物だと確信し、小妖たちと共に悟空を攻撃する。悟空は正体を現し、洞の外へ飛び出し、南海へ観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)を迎えに行く。

観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)は、この話を聞いて激怒し、手にしていた玉净瓶を海に投げ入れる。すると、亀が瓶を拾い上げてきた。悟空に瓶を取らせようとするが、悟空は持ち上げることができない。観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)は、瓶の中には海の水が入っており、軽く持ち上げられるはずだと説明し、弟子である木吒(もくてい)に托塔天王(たくとう てんのう)から36本の天罡刀を借りてくるように命じる。観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)は呪文を唱え、刀を千枚蓮華台に変身させ、雲に乗って南海を出発する。悟空と木吒(もくてい)は、その後を追う。

火雲洞から400里の地点で、観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)は山神(さんしん)と土地神(とちがみ)に、周辺300里の野獣と昆虫を山頂に集めるように命じる。そして、玉净瓶を倒すと、目の前に広大な海が出現する。さらに、袖から定身禅を取り出し、落伽山仙境に変身させる。観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)は、悟空の左手に「迷」という字を書き、紅孩児をおびき出すように指示する。悟空は、火雲洞の前に現れ、門を壊して中に入る。紅孩児は、槍を持って悟空と戦う。悟空は、金箍棒で防御しながら、左手を紅孩児の前でちらつかせ、後退しながら戦う。紅孩児は、迷いながら悟空を追いかけ、観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)の前にたどり着く。

悟空は、菩薩の後ろに隠れる。紅孩児は、菩薩に槍を突き刺そうとするが、菩薩は金色の光となって九重天に飛び上がり、蓮華台を残していく。紅孩児は、得意になって菩薩と同じように蓮華台に座ろうとするが、花びらが消えて鋭い刃に変わり、紅孩児は痛みで悲鳴を上げる。紅孩児は、降参を懇願するが、観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)は呪文を唱え、刃に返しをつけ、抜くことができなくする。紅孩児は、出家する意思があることを伝え、観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)は彼を善財童子(ぜんざいどうじ)と名付け、天罡刀は自動的に外れる。紅孩児は、元の姿に戻る。

しかし、紅孩児は野性を失っておらず、火の槍を手に菩薩を刺そうとする。観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)は、5つの金輪を投げつけ、1つは首に、残り4つは手足にかけ、呪文を唱えると、紅孩児は痛みで転げ回る。観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)が呪文を止めると、紅孩児の頭の痛みは消えるが、両手は胸の前でくっついたままになり、仕方なく頭を下げる。観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)は、悟空に唐三蔵と八戒を救出するように命じ、西への旅を続けるように言う。悟空は、観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)に別れを告げ、沙悟浄(さごじょう)と共に火雲洞に戻り、小妖を倒して師匠と八戒を救出する。そして、火雲洞を焼き払い、西天取経の旅を続ける。

第14話の感想

第14話は、アクション満載でスリリングな展開が魅力的なエピソードでした。紅孩児の狡猾さと、悟空の機転が光る戦いが見どころです。特に、悟空が紅孩児を騙して洞窟に連れ込むシーンや、観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)が紅孩児を改心させるシーンは、印象に残りました。

また、このエピソードでは、悟空と八戒のコンビネーションが面白いポイントです。八戒は、いつもおっちょこちょいで悟空に頼りっきりですが、このエピソードでは、按摩禅法で悟空を助けるなど、頼もしい一面を見せています。

一方で、唐三蔵は今回もピンチに陥ってばかりで、あまり活躍できませんでした。しかし、彼の優しさと慈悲深さは、物語に欠かせない要素です。

つづく