西遊記 第15話 車遲国編のあらすじ/ネタバレ
唐三蔵一行は、長い旅路を経て、初春に車遲国に到着しました。国境に入るとすぐに騒ぎに遭遇し、唐三蔵は警戒して馬を止め、先に進むのをためらいました。孫悟空(そんごくう)は様子を見て、進んで偵察に向かい、筋斗雲に乗って事の起こった場所へ飛んでいきました。
そこでは、和尚たちが道士の監視のもとで強制労働させられている光景でした。孫悟空(そんごくう)は小さな道士に変身し、事の顛末を尋ねました。20年前の大干ばつの際、虎力、羊力、鹿力の3人の自称道仙が和尚たちと雨乞いの勝負を行い、勝利して車遲国の国師となりました。それ以来、和尚たちは圧迫を受けてきたのです。孫悟空(そんごくう)は、和尚たちが自分だけが彼らを救うことができると予言していることを聞いて、内心では得意になりました。そこで、彼は圧迫者を倒し、和尚たちを救出することにしました。
夜になると、一行は智淵寺に泊まりました。夜半、悟空は八戒と沙悟浄(さごじょう)を連れて三清殿に忍び込み、法術を使って経を唱えている3人の妖怪道士をからかいました。彼は灯を消し、三清の姿に変身して供え物を食べ尽くし、聖水と称して道士たちを騙しました。この一連の悪ふざけに、3人の妖怪は落胆しました。
翌日、一行は皇宮に向かい、通行許可の手続きを行いました。3人の妖怪は、この機会に国王に悟空たちを告発しました。しかし、ちょうど民衆が道士に雨乞いを求めたため、国王は唐三蔵一行と国師との間で雨乞い勝負を行うことにしました。孫悟空は、神通力を使って虎力大仙(こりきだいせん)の雨乞いを阻止し、自ら陣頭に立って大雨を降らせて勝負に勝ちました。
その後、虎力大仙(こりきだいせん)は唐三蔵との坐禅勝負を提案しました。鹿力大仙(ろくりきだいせん)は臭虫に変身して唐三蔵を妨害しようとしましたが、孫悟空に巧みに阻止されました。その後、悟空は再び機転を利かせて、唐三蔵が鹿力大仙(ろくりきだいせん)との当てっこ勝負に勝つように仕向けました。
負けを認めない虎力大仙(こりきだいせん)は、斬首、剖腹、油で揚げるというさらに危険な勝負を提案しました。孫悟空は勇敢にこの挑戦を受け、次々と勝利しました。最終的に、3人の妖怪の正体が、虎、白毛角鹿、羚羊であることが明らかになりました。
一行の勝利で物語は終わり、国王は3人の国師が実は国を害する妖怪であったことに気づき、唐三蔵一行に感謝して、圧迫されていたすべての和尚たちを解放しました。
第15話感想
第15話は、車遲国編のクライマックスとなる非常に面白いエピソードでした。孫悟空が、3人の妖怪道士を巧みに出し抜いていく様子は痛快で、見ていてスカッとしました。特に、夜中に三清殿に忍び込んで悪戯をするシーンは、孫悟空の機転とユーモアが光っていました。
また、雨乞い勝負や坐禅勝負、当てっこ勝負など、さまざまな試練が用意されており、最後まで飽きることなく楽しむことができました。孫悟空が神通力を駆使して勝利していく姿は、まさにヒーローそのものでした。
一方で、このエピソードは、宗教的なテーマについても考えさせられる内容でした。3人の妖怪道士は、本来は仏教を信仰するべき和尚たちを圧迫していました。これは、権力者が宗教を利用して民衆を支配する様子を象徴していると言えるでしょう。孫悟空が妖怪たちを倒し、和尚たちを解放する姿は、宗教の本来のあり方を示唆しているように感じられました。
つづく