西遊記 第19話 あらすじ/ネタバレ

険しい高山に潜む凶気

半月後、険しい高山にさしかかった一行は、野獣の咆哮に脅かされながら進む。先頭を歩く悟空は、鋭い眼で周囲を警戒し、仲間たちを守りながら道を切り開いていく。山を越え、広大な平原にたどり着くと、遠くに霞む宮殿の輪郭と、かすかに鐘や磬の音が聞こえてきた。

小雷音寺への疑惑

音に導かれて寺院にたどり着いた一行。しかし、悟空は禅光の中に凶気を感じ取り、不吉な予感を抱く。一方、唐三蔵は「小雷音寺」の文字を見て大喜びし、聖地に到着したと信じる。悟空の忠告を無視し、唐三蔵は参拝を強行しようとする。その瞬間、寺内から唐三蔵を非難する声が響き渡る。

如来佛の正体

身なりを整えた唐三蔵は、八戒と沙悟浄(さごじょう)と共に大殿に入る。悟空だけが警戒を怠らず、傍らで様子を伺う。すると、蓮華座に座る「如来佛」が悟空に礼拝を命じる。悟空は火眼金睛でその正体が妖怪であることを見破り、攻撃を仕掛ける。しかし、突如として空から鐃鈸が降ってきて、悟空を閉じ込めてしまう。八戒と沙悟浄(さごじょう)が助けようとすると、妖怪に捕らえられてしまう。

黄眉老佛(こうびろうぶつ)の罠

妖怪は「黄眉老佛(こうびろうぶつ)」と名乗り、金鐃で悟空を閉じ込め、3日後に膿血に変えると宣言する。悟空は如意棒や毛を変化させた道具で脱出を試みるが失敗する。しかし、二十八宿(にじゅうはっしゅく)の一人である亢金竜の助けを借りて、金鐃から脱出に成功する。

苦戦続く戦い

脱出した悟空は二十八宿(にじゅうはっしゅく)と共に黄眉老佛(こうびろうぶつ)と戦うが、黄眉老佛(こうびろうぶつ)は布袋を使って再び一行を捕らえてしまう。悟空は夜中に法術を使って仲間たちを救出し、逃走する。しかし、寺に戻って荷物を取ろうとした際に物音を立ててしまい、黄眉老佛(こうびろうぶつ)に気づかれてしまう。一行は再び逃走を余儀なくされる。

真武荡魔天尊(しんぶとうまてんそん)の助力

悟空は問題を解決するため、北方真武荡魔天尊(しんぶとうまてんそん)に助けを求める。真武荡魔天尊(しんぶとうまてんそん)は、亀、蛇二将と五大神竜(ごだいしんりゅう)を派遣する。しかし、黄眉老佛の布袋は再び力を発揮し、駆けつけた神々を捕らえてしまう。悟空は国師王菩薩に助けを求め、小張太子(しょうちょうたいし)を派遣してもらうが、黄眉老佛を止めることはできない。

弥勒佛(みろくぶつ)の登場と黄眉老佛の正体

ついに、弥勒佛(みろくぶつ)が現れ、黄眉老佛の正体が自分の敲磬童子(こうけいどうじ)であることを明かす。弥勒佛(みろくぶつ)は悟空と共に作戦を立て、黄眉老佛に西瓜に変身した悟空を飲み込ませる。悟空は黄眉老佛の体内で大暴れし、黄眉老佛を屈服させる。弥勒佛(みろくぶつ)は法宝を取り戻し、囚われた神々を解放し、金鐃を元に戻す。

西への旅路の再開

弥勒佛(みろくぶつ)の助けで仲間を救出し、寺院を妖怪から解放した一行は、再び西への旅路を続ける。別れ際、悟空は偽物の雷音寺を焼き払い、決着をつける。

第19話の感想

第19話は、悟空の機転と仲間たちの協力によって、強敵である黄眉老佛を倒すというスリリングな展開が見どころのエピソードでした。

前半では、悟空が妖怪の気配を感じ取り、唐三蔵を説得しようとするシーンが印象的でした。悟空の鋭い洞察力と、唐三蔵への忠誠心が伝わってくる場面です。また、黄眉老佛の金鐃や布袋といった強力な法宝によって、悟空や仲間たちが苦戦する様子はハラハラドキドキさせられました。

後半では、真武荡魔天尊(しんぶとうまてんそん)や弥勒佛といった強力な援軍が登場し、戦いにさらなる盛り上がりを見せます。しかし、黄眉老佛の布袋は神々をも捕らえるほどの力を持っており、絶体絶命のピンチに陥ります。そんな中、悟空が機転を利かせて黄眉老佛を倒すシーンは痛快でした。

つづく