西遊記 第9話 あらすじ/ネタバレ
西天取経の旅路を続ける唐三蔵一行は、美しい景色が広がる万寿山五庄观にたどり着きます。日が暮れ、宿泊を希望した一行は、道士の童子たちから温かく迎えられます。童子たちは、師匠である鎮元子(ちんげんし)が唐三蔵一行の到着を待ちわびていたことを伝えます。
五百年前の盂蘭盆会で唐三蔵の前世である金蝉子と親交があった鎮元子(ちんげんし)は、貴重な人参果でもてなすよう童子たちに命じていました。しかし、唐三蔵は赤ちゃんの姿に似ている人参果を食べることを拒否します。仕方なく、童子たちは自分たちで人参果を食べることに。その様子を偶然目撃した猪八戒(ちょはっかい)は、人参果に興味津々です。
孫悟空(そんごくう)は、人参果を手に入れようと果樹園に忍び込みます。土地神(とちがみ)の助けを得て、悟空は人参果を手に入れ、八戒と沙悟浄(さごじょう)と分け合います。しかし、その様子を童子たちに発見され、盗み食いしたことを責められます。激昂した悟空は、思わず人参果の樹を傷つけてしまいます。
事態を重く見た悟空は、師弟たちを連れて五庄観から逃げ出します。しかし、法力を持つ鎮元子(ちんげんし)は悟空たちを追いかけ、樹木の修復を要求します。悟空は、樹木を復活させる方法を見つけると約束します。約束を果たすため、悟空は観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)に助けを求めます。観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)の浄瓶の水で、人参果の樹は無事に復活します。
人参果の樹が復活したことに喜びを感じた鎮元子は、「人参果大会」を開催します。唐三蔵一行も、そこで人参果を味わうことができました。宴会の後、鎮元子は唐三蔵一行を見送り、一行は再び西への旅路へと出発します。この経験は、師弟たちの知恵と勇気だけでなく、人々の寛容と理解の大切さを教えてくれます。
第9話の感想
第9話は、西遊記の物語の中でも、特に印象深いエピソードの一つです。人との関わりや、自然の大切さについて考えさせられる内容でした。
唐三蔵が人参果を食べることを拒否したシーンは、彼の慈悲深さを表しています。また、孫悟空(そんごくう)が人参果を盗み食いし、樹木を傷つけてしまうシーンは、彼の衝動的な性格を表しています。しかし、悟空は自分の過ちを認め、観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)に助けを求めることで、樹木を復活させることができました。このエピソードを通して、人は過ちを犯すものですが、それを正すことができるという教訓が得られます。
また、鎮元子が人参果の樹を復活させたことで、人々の寛容と理解の大切さを改めて感じました。彼は、悟空たちの過ちを許し、彼らを西天取経の旅へと送り出してくれました。このエピソードは、人々は互いに理解し合い、許し合うことで、より良い関係を築くことができるというメッセージを伝えています。
つづく