東勝神洲
傲来国の海辺にある花果山には、日月精華を受けて生まれた石猴がいました。石猴は勇猛に滝を登り、水簾洞を発見し、他の猿たち(さるたち)から「美猴王(びこうおう)」と称えられます。美猴王(びこうおう)は数百年間、猿たち(さるたち)と自由に暮らしていましたが、仙、佛、神聖の三者が輪廻を逃れ、天地山川と共存できると聞き、筏に乗って南贍部洲から西牛賀洲へ渡り、霊台方寸山斜月三星洞で菩提祖師(ぼだいそし)に出会い、弟子として迎えられます。悟空は菩提祖師(ぼだいそし)から妙理を学び、七十二変化と筋斗雲の術を習得し、花果山に戻って混世魔王(こんせいもうおう)を退治し、七十二洞の妖王から尊敬を集めます。
花果山
悟空は花果山で美猴王(びこうおう)を名乗り、仲間たちと楽しく暮らしていました。しかし、武器がないことに困り、東海の龍宮を訪れます。龍王敖広とその兄弟は、如意金箍棒と一式の鎧を悟空に贈ります。
天界
悟空は、牛魔王(ぎゅうまおう)、蛟魔王、鵬魔王、獅駝王、猕猴王、禺狨王などとも兄弟となり、毎日文武を学び、音楽を楽しみます。ある日、閻魔大王(えんま だいおう)に命を狙われ、冥界で大暴れし、生死簿からすべての猿の名前を消してしまいます。龍王と地蔵王が天庭に訴え、太白長庚星(たいはくちょうこうせい)は悟空を招安することを提案します。玉帝(ぎょくてい)はこれを許可します。
弼馬温
玉帝(ぎょくてい)は悟空を「弼馬温」に任命し、馬の世話をさせます。しかし、悟空は官職が低いことに怒り、南天門を破って花果山に戻り、「斉天大聖」を自称します。他の兄弟たちも、それぞれ平天大聖、覆海大聖、混天大聖、移山大聖、通風大聖、駆神大聖を名乗ります。
斉天大聖
托塔天王(たくとう てんのう)李靖と哪吒(なた)三太子は、悟空を捕らえるために天兵を率いてやってきますが、悟空に敗れてしまいます。太白長庚星(たいはくちょうこうせい)は玉帝(ぎょくてい)に、悟空を斉天大聖に封じることを提案し、玉帝(ぎょくてい)はこれを許可します。悟空は太白長庚星(たいはくちょうこうせい)の招きで天宮に戻り、斉天大聖に封じられ、斉天大聖府を賜ります。しかし、天宮では何もすることがなく、毎日さまざまな人と交友していました。玉帝(ぎょくてい)は悟空が暇を持て余して何か問題を起こすのではないかと心配し、蟠桃園の管理を任せます。
大闹天宫
王母が蟠桃会を開催すると、悟空は招待されなかったことに腹を立て、会に乱入し、仙酒や佳肴をたらふく食べ、兜率宮で金丹を食べてしまいます。蟠桃会をめちゃくちゃにした後、悟空は花果山に逃げ帰ります。玉帝は十万の天兵を派遣して悟空を捕らえようとしますが、失敗します。
降伏
観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)は二郎神(じろうしん)に協力を要請します。悟空と二郎神(じろうしん)は互いに神通力を駆使して戦いますが、勝負はつきません。老君が金剛(こんごう)琢を投げつけると悟空は倒れ、哮天犬(こうてんけん)に噛みつかれて捕らえられてしまいます。玉帝は悟空を処刑しようとしますが、刀で斬っても、槍で突いても、雷で打っても、火で焼いても、悟空は傷一つ負いません。そこで太上老君(たいじょうろうくん)は悟空を八卦炉に閉じ込めますが、悟空は死なずに、かえって火眼金睛を得ます。四十九日後、悟空は八卦炉を破って飛び出し、金箍棒を振り回して天宮を大混乱に陥れます。天兵は悟空に対抗できず、玉帝は仕方なく西方極楽浄土の如来仏(にょらいぶつ)に助けを求めます。如来仏(にょらいぶつ)は法力で悟空を捕らえ、五行山の下に閉じ込め、鉄丸を食べ、銅汁を飲むという苦行を課します。
西天取経
五百年後、如来仏(にょらいぶつ)は南贍部洲の人々が貪欲で争いばかりしていることを知り、観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)に東土へ行って経典を取りに行かせることにします。観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)は木叉孫悟空(そんごくう)と共に東土へ行き、経典を取りに行く人を探します。途中で、流沙河で苦しんでいた捲簾大将と猪八戒(ちょはっかい)を弟子にします。捲簾大将は元々天界で働いていましたが、失態を犯して流沙河に流されてしまいました。猪八戒(ちょはっかい)は天蓬元帥でしたが、酒に酔って嫦娥にちょっかいを出したため、豚の姿に変えられて地上に落とされ、雲棧洞で妖怪になっていました。観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)は彼らに沙悟浄(さごじょう)と猪悟能(ごのう)という法名を授け、経典を取りに行く人が来るまで待機するよう命じます。また、罪を犯した西海龍王の息子を助け、深澗に送り、経典を取りに行く人が来るまで待機させます。
五行山
一行は、五行山にたどり着きます。山の下には、五百年前、天宮を大混乱に陥れた孫悟空(そんごくう)が閉じ込められています。
悟空の改心
観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)は、悟空が改心したことを伝え、唐の国から経典を取りに行く人が来るまで待つように諭します。「彼について弟子となり、仏教の教えを受け、悟りを開けば、再び正しい道に戻ることができるだろう」と。
玄奘の誕生
唐の太宗皇帝は科挙試験を行い、陳光蕊という青年が状元となります。陳光蕊は宰相の娘である殷小姐と結婚し、後に江州の州主に任命されます。赴任の途中、陳光蕊は劉洪という盗賊に殺され、妻は劉洪に奪われてしまいます。陳光蕊の妻である殷氏は子供を産むと、川に流してしまいます。子供は金山寺の僧侶に助けられ、18年後に出家して玄奘という法名を授かります。
玄奘の旅立ち
玄奘は、唐の皇帝に西天へ経典を取りに行くことを願い出ます。唐の皇帝は玄奘と兄弟の契りを結び、経典の番号を「三蔵」と名付け、文武百官と共に西へ旅立たせます。
双叉嶺
三蔵は、唐の皇帝から賜った白馬に乗り、二人の従者と共に大唐の西の境界を出発します。双叉嶺で虎の精に変身した「寅将軍」に襲われ、二人の従者を殺されてしまいます。三蔵は辛うじて逃げ延びます。これが三蔵が西天への旅に出発して最初の難関となります。
五行山との出会い
さらに、猛虎や大蛇に遭遇しますが、猟師の劉伯欽に助けられます。劉伯欽は三蔵を両界山まで送り届けると、山の下から「師匠が来たぞ!」という大きな声が聞こえてきます。実は、この山は五行山が改名されたもので、五百年前、天宮を大混乱に陥れた孫悟空(そんごくう)が山の下に閉じ込められています。三蔵は山頂に貼られた如来の金字の封印を剥がすと、悟空は山を割って飛び出し、三蔵を師匠と呼び、孫孫悟空(そんごくう)という名を授かります。
緊箍咒
旅の途中で、孫悟空(そんごくう)は6人の強盗を殺します。唐三蔵の叱責に耐えられず、怒って竜宮に行きました。唐三蔵は観音から孫悟空を制御するための2つのアイテム、金の嵌め込まれた帽子と緊箍咒を受け取ります。悟空は竜王(りゅうおう)の説得に従い、唐三蔵の元に帰りました。その間に観音は三蔵に直裰と帽子を贈り、「緊箍咒」も教えました。三蔵は悟空に帽子をかぶせ、緊箍咒を唱えると、悟空は痛がって転げ回りました。帽子は如来が与えた緊箍だったのです。悟空は仕方なく唐三蔵に従い、西へ向かいました。
二人は鷹愁澗に到着した。唐三蔵の白馬は澗の玉龍に飲み込まれてしまった。観音は玉龍を白馬に変え、三蔵に乗せた。
観音院で、悟空は唐三蔵の錦襕袈裟を自慢した。観音院の金池長老は欲に駆られ、唐三蔵師弟を焼き殺そうとしたが、悟空の術によって寺院が逆に燃えてしまった。しかし、袈裟は金池長老の友人の黒風怪に盗まれてしまった。孫悟空は観音に助けを求め、観音は黒風怪の仲間になりすまし、悟空は仙丹に変身して黒風怪に食べさせた。黒風怪は降伏した。
唐三蔵師弟は西へ進み、高老荘に到着した。村の娘が妖怪に連れ去られたことを知り、悟空は妖怪を捕まえ、雲棧洞まで追いかけた。妖怪は元々天庭の天蓬元帥だったが、嫦娥にちょっかいを出したため、天界から追放され、豚に生まれ変わったのだ。観音に降伏させられ、猪悟能(ごのう)と名付けられ、ここで経典を取りに来る人を待っていた。孫悟空は彼を唐三蔵に紹介し、弟子として受け入れた。唐三蔵は彼が「五葷三厭」を断ったと言ったので、八戒という別名をつけた。
浮屠山を越え、烏巢禅師から唐三蔵に『多心経』が授けられた。
800里の黄風嶺を通りかかったとき、唐三蔵は黄風怪(こうふうかい)に黄風洞に連れ去られた。悟空は小須弥山に行き、霊吉菩薩(れいきつぼさつ)を連れてきて黄風怪(こうふうかい)を降伏させた。この怪は霊山の下で修行した黄毛貂鼠だった。
流沙河で、唐三蔵は観音に導かれた沙悟浄(さごじょう)を三番目の弟子として迎え入れ、沙和尚と名付けた。師弟4人は山河を越え、西天へ経典を取りに行った。
4人は川を渡って西へ進み、観音、普賢、文殊菩薩(もんじゅぼさつ)、黎山老母(りざんろうぼ)に出会い、母と娘3人に変身して禅心を試した。八戒は俗心が消えず、木に縛り付けられた。
万寿山五庄観を通過したとき、悟空は鎮元子(ちんげんし)大仙の「人参果」を盗み、人参果の木を倒してしまった。大仙に捕らわれた悟空は、三島で治療法を探し、最後に南海に行って観音に甘露で人参果の木を蘇らせた。
白虎嶺に到着すると、尸魔が三蔵を害しようとした。最初は少女、次に老婆、最後に老人に変身したが、孫悟空に見破られ、退治された。八戒のそそのかしで、三蔵は孫悟空に向かって緊箍咒を唱え、孫悟空を追放した。孫悟空はお花畑に戻って妖怪になった。三蔵は黄袍怪に捕らえられた。黄袍怪の妻は宝象国の王女で、三蔵を救出した。三蔵は宝象国に手紙を送り、国王は八戒と沙悟浄(さごじょう)を派遣して妖怪を退治したが、逆に黄袍怪に敗北した。黄袍怪は宮殿に入り、三蔵を白虎精だと偽った。白龍馬は師匠を救うことができなかったが、八戒に孫悟空を連れてくるように頼んだ。孫悟空との戦いに敗れた黄袍怪は、奎宿の化身だった。悟空は師匠を救出し、師弟は和解した。
平頂山を越え、三蔵は八戒に道を巡回させた。八戒は最初は怠けて寝ていたが、その後は嘘をついて師匠を騙そうとした。どちらも孫悟空に見破られた。山には金角と銀角という2人の妖怪がいて、孫悟空と激しい戦いの末、降伏した。この2人の妖怪は実は老君の2人の炉の童子であり、観音によって妖怪に変身させられ、三蔵師弟を試していたのだ。
宝林寺に泊まった夜、三蔵は烏鶏国王の幽霊に出会い、訴えを聞いた。孫悟空はお花畑に戻って妖怪になった。三蔵は黄袍怪に捕らえられた。黄袍怪の妻は宝象国の王女で、三蔵を救出した。三蔵は宝象国に手紙を送り、国王は八戒と沙悟浄(さごじょう)を派遣して妖怪を退治したが、逆に黄袍怪に敗北した。黄袍怪は宮殿に入り、三蔵を白虎精だと偽った。白龍馬は師匠を救うことができなかったが、八戒に孫悟空を連れてくるように頼んだ。孫悟空との戦いに敗れた黄袍怪は、奎宿の化身だった。悟空は師匠を救出し、師弟は和解した。
号山に到着すると、聖嬰大王紅孩児に出会った。三蔵は危機に陥り、孫悟空や八戒が師匠を救おうとしたが、何度も妖怪に敗北した。紅孩児は孫悟空がかつて義兄弟を結んだ牛魔王(ぎゅうまおう)の息子だった。孫悟空
は牛魔王(ぎゅうまおう)に変身して洞窟に入り、三蔵を救出しようとしたが、紅孩児の三昧真火に敗れた。最後に観音の助けで救出された。観音は紅孩児を降伏させ、善財童子(ぜんざいどうじ)とした。
黒河を渡ると、小鼍龍に出会った。三蔵は水底に閉じ込められてしまった。孫悟空は龍王を呼び寄せ、小鼍龍を降伏させた。
車遲国に到着すると、虎力、鹿力、羊力の3人の妖怪に出会った。孫悟空、八戒、沙悟浄(さごじょう)は夜に三清観を騒ぎ、3人の妖怪をからかった。その後、宮殿で3人の妖怪と法術で戦い、雨乞い、じゃんけん、首切り、腹切り、油鍋に入る賭けをし、孫悟空
はすべて勝利し、3人の妖怪を退治した。
通天河を渡ると、観音の蓮華池で金魚が妖怪になった。金魚は法術を使って唐三蔵を水府に連れ去った。観音は駆けつけて金魚を回収し、三蔵は老鼋の助けで川を渡った。老鼋は三蔵に、いつになったら人間になれるのか仏祖に代わって聞いてほしいと頼んだ。
金兜山を越えると、独角兕大王に出会った。三蔵は捕らえられ、孫悟空は何度も激しく戦ったが、他の神々の兵士の助けも借りても、失敗に終わった。その後、如来の指示で太上老君(たいじょうろうくん)を呼び寄せ、降伏させた。実は、その妖怪は太上老君(たいじょうろうくん)の乗り物である青牛だった。
西梁女国に到着すると、三蔵と八戒は子母河の水を飲んで妊娠してしまった。孫悟空は落胎泉の水を取ってきて助けた。女王は三蔵を婿にしたいと思ったが、孫悟空は策略を使って逃げ出した。しかし、三蔵は毒敵山琵琶洞の蝎子精(さしせい)に捕らえられてしまった。孫悟空は昴宿星君を呼び寄せ、蝎子精(さしせい)を退治した。さらに、途中で盗賊に出会い、孫悟空は彼らを退治した。三蔵は孫悟空が人を殺したと非難し、追い出した。孫悟空は仕方なく観音に助けを求めた。そのとき、三蔵は偽の孫悟空に出会い、荷物まで奪われた。師匠たちはそれが孫悟空の仕業だと思い、沙悟浄(さごじょう)を花果山に送って取り戻そうとしたが、失敗に終わった。そこで、南海の観音のもとに行くと、孫悟空
がそこにいた。沙悟浄(さごじょう)は怒り心頭だったが、観音の説明でようやく納得した。孫悟空は花果山に行って偽の孫悟空と激しく戦った。2人の孫悟空は如来のもとまで戦い続けた。如来は偽の孫悟空が六耳獼猴であることを明らかにし、退治した。
師匠たちは火焰山で道を阻まれた。孫悟空は芭蕉扇があれば火焰山を克服できると聞き、紅孩児の母であり、牛魔王(ぎゅうまおう)の妻である羅刹女のもとを訪れた。孫悟空は羅刹女に扇を借りようとしたが、断られた。そこで、牛魔王(ぎゅうまおう)の側室のもとに行って牛魔王に借りようとしたが、これも断られた。そこで、孫悟空は牛魔王の乗り物を盗み、牛魔王に変身して羅刹女から芭蕉扇を騙し取った。しかし、途中で牛魔王に追いつかれ、八戒に変身させられてしまった。その後、神々の兵士の助けを借りて牛魔王と戦い、勝利し、扇を手に入れて火焰山を消し止めた。
祭賽国(さいさいこく)に到着すると、孫悟空は国王のために盗宝犯である万聖龍王と九頭駙馬(きゅうとうふうま)を退治した。
荆棘嶺を越えると、八戒が鈀を使って道を切り開いた。夜には竹精と樹妖に出会い、三蔵は捕らえられて詩を詠まされた。その後、八戒が釘鈀で妖怪を倒した。
小西天に到着すると、黄眉大王に出会った。この妖怪は人を袋に閉じ込めるのが得意だった。孫悟空は各路の神々の兵士を呼び寄せたが、誰も敵わなかった。その後、弥勒菩薩の助けを借りて降伏させた。実は、この妖怪は仏前で磐を持っていた童子だった。
駝羅荘を通ると、孫悟空と八戒は蛇精(じゃせい)を殺して村人を救った。
稀柿衕を通ると、八戒は大きな猪に変身して山いっぱいの汚れた道を切り開いた。
朱紫国に到着すると、孫悟空は国王の病気を治し、3年前に妖精の賽太歳(さいたいさい)に誘拐された皇后の金聖宮を救出した。賽太歳(さいたいさい)は実は観音の乗り物である金毛獅で、国王の災いを消すために来たのだ。
盤絲嶺
三蔵一行は盤絲嶺を越える途中、蜘蛛の精に遭遇し、苦戦を強いられます。さらに、蜘蛛の精は多目怪と蜈蚣(むかで)精をけしかけてきます。孫悟空は蜘蛛の精を倒し、毘藍婆菩薩を呼び寄せ、多目怪を退治します。
獅駝嶺
獅駝嶺では、青獅、白象、大鵬の三魔に遭遇し、三蔵は捕らわれてしまいます。孫悟空は苦戦を強いられ、西方へ行き、如来に助けを求めます。如来は文殊菩薩(もんじゅぼさつ)と普賢菩薩(ふげんぼさつ)を遣わし、三魔を降伏させます。実は、青獅と白象は文殊菩薩(もんじゅぼさつ)と普賢菩薩(ふげんぼさつ)の乗り物だったのです。如来はまた、大鵬を仏教に帰依させます。
比丘國
比丘国の国王は、寿星の乗り物である白鹿に化けた国師に騙され、1110人の子供の心臓と肝臓を薬の材料にしようとしていました。悟空は子供たちを救出し、妖怪を退治します。寿星が現れ、白鹿の精を連れ去ります。
松林
三蔵は松林で一人の女性を助けますが、実は妖精でした。一行は鎮海寺に泊まりますが、孫悟空によって妖精は降伏させられ、三蔵はさらわれてしまいます。孫悟空は哪吒(なた)太子に助けを求め、妖精が托塔天王(たくとう てんのう)の義理の娘である老鼠の精であることを突き止めます。
滅法國
滅法國の国王は一万人の僧侶を殺そうとしており、あと4人足りませんでした。孫悟空は夜中に皇宮と官僚の髪を剃り落としてしまいます。国王は仏教に帰依し、国名を欽法と改めます。
隐霧山
隐霧山の連環洞に住む豹子精の南山大王は、唐三蔵を食べようとしますが、悟空によって眠らされ、八戒によって倒されます。
鳳仙郡
鳳仙郡では、3年間雨が降らず、郡主が斎天の供物を倒したことが原因だと判明します。悟空は郡主を改心させ、郡民全員が念仏を唱えると、雨が降ります。
玉華州
玉華州では、孫悟空は三人の王子を弟子にして武術を教えます。しかし、武器が豹頭山の黄獅精(こうしせい)に盗まれてしまいます。黄獅精(こうしせい)は九霊元聖(きゅうれいげんせい)に助けを求めますが、悟空は九霊元聖(きゅうれいげんせい)が太乙救苦天尊(たいいつきゅうくてんそん)の乗り物であることを知り、太乙救苦天尊(たいいつきゅうくてんそん)に降伏させます。
金平府
金平府では、元宵節の日に三蔵が青龍曲の妖精にさらわれてしまいます。孫悟空は四木禽星を呼び寄せ、妖精を倒します。
月宮
月宮の玉兎(ぎょくと)が天竺国の王女に化け、唐三蔵に求婚します。悟空は太陰星君(たいいんせいくん)と協力して玉兎(ぎょくと)を捕まえ、本物の王女を救出します。
銅台府
銅台府の地霊県で寇員外(こういんがい)の家を訪れた一行は、寇員外(こういんがい)が殺害され、盗難事件が発生します。三蔵一行は濡れ衣を着せられますが、孫悟空が法術を使って真相を解明し、寇員外(こういんがい)を蘇生させます。
靈山
三蔵一行はついに靈山に到着し、无底船に乗って凌雲仙渡を渡り、如来に経典を求めます。如来は阿難(あなん)と迦葉(かしょう)に経典を渡すように命じますが、阿難(あなん)と迦葉(かしょう)は賄賂を受け取れなかったため、白紙の経典を渡してしまいます。燃燈古佛は白雄尊者(はくゆうそんじゃ)に経典を奪い返すように命じ、一行は真相を知って如来に報告します。如来は「経典は簡単に渡すべきではない」と言いますが、三蔵が紫金鉢盂を阿難(あなん)に渡すと、5048巻の経典が現れます。如来は八大金刚に一行を東土へ送り届けさせます。観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)は三蔵の経典を確認し、80回目の難を経験させるために、揭諦に金刚を追わせます。一行は通天河に落ち、老鼋に助けられますが、老鼋は三蔵が自分のことを仏祖に尋ねなかったことに腹を立て、経典を水に浸してしまいます。一行はなんとか経典を回収し、99回目の難を乗り越えます。金刚は一行を長安に送り届けます。
長安
経典は長安に持ち帰られ、14年ぶりに唐三蔵一行は太宗に迎えられます。太宗は唐三蔵の功績を称えて『聖教序』を著します。唐三蔵は雁塔寺で経典を誦経しますが、金刚に導かれて、一行は白馬と共に靈山に戻ります。四人は元の姿に戻り、三蔵は旃檀功徳仏、悟空は斗战胜仏、八戒は浄壇使者、沙悟浄(さごじょう)は金身羅漢(らかん)、白龍馬は八部天龍に封じられ、それぞれ本来の場所に帰ります。悟空の頭にあった緊箍も消滅します。
東勝神洲
傲来国の海辺にある花果山には、日月精華を受けて生まれた石猴がいました。石猴は勇猛に滝を登り、水簾洞を発見し、他の猿たち(さるたち)から「美猴王(びこうおう)」と称えられます。美猴王(びこうおう)は数百年間、猿たち(さるたち)と自由に暮らしていましたが、仙、佛、神聖の三者が輪廻を逃れ、天地山川と共存できると聞き、筏に乗って南贍部洲から西牛賀洲へ渡り、霊台方寸山斜月三星洞で菩提祖師(ぼだいそし)に出会い、弟子として迎えられます。悟空は菩提祖師(ぼだいそし)から妙理を学び、七十二変化と筋斗雲の術を習得し、花果山に戻って混世魔王(こんせいもうおう)を退治し、七十二洞の妖王から尊敬を集めます。
花果山
悟空は花果山で美猴王(びこうおう)を名乗り、仲間たちと楽しく暮らしていました。しかし、武器がないことに困り、東海の龍宮を訪れます。龍王敖広とその兄弟は、如意金箍棒と一式の鎧を悟空に贈ります。
天界
悟空は、牛魔王(ぎゅうまおう)、蛟魔王、鵬魔王、獅駝王、猕猴王、禺狨王などとも兄弟となり、毎日文武を学び、音楽を楽しみます。ある日、閻魔大王(えんま だいおう)に命を狙われ、冥界で大暴れし、生死簿からすべての猿の名前を消してしまいます。龍王と地蔵王が天庭に訴え、太白長庚星(たいはくちょうこうせい)は悟空を招安することを提案します。玉帝(ぎょくてい)はこれを許可します。
弼馬温
玉帝(ぎょくてい)は悟空を「弼馬温」に任命し、馬の世話をさせます。しかし、悟空は官職が低いことに怒り、南天門を破って花果山に戻り、「斉天大聖」を自称します。他の兄弟たちも、それぞれ平天大聖、覆海大聖、混天大聖、移山大聖、通風大聖、駆神大聖を名乗ります。
斉天大聖
托塔天王(たくとう てんのう)李靖と哪吒(なた)三太子は、悟空を捕らえるために天兵を率いてやってきますが、悟空に敗れてしまいます。太白長庚星(たいはくちょうこうせい)は玉帝(ぎょくてい)に、悟空を斉天大聖に封じることを提案し、玉帝(ぎょくてい)はこれを許可します。悟空は太白長庚星(たいはくちょうこうせい)の招きで天宮に戻り、斉天大聖に封じられ、斉天大聖府を賜ります。しかし、天宮では何もすることがなく、毎日さまざまな人と交友していました。玉帝(ぎょくてい)は悟空が暇を持て余して何か問題を起こすのではないかと心配し、蟠桃園の管理を任せます。
大闹天宫
王母が蟠桃会を開催すると、悟空は招待されなかったことに腹を立て、会に乱入し、仙酒や佳肴をたらふく食べ、兜率宮で金丹を食べてしまいます。蟠桃会をめちゃくちゃにした後、悟空は花果山に逃げ帰ります。玉帝は十万の天兵を派遣して悟空を捕らえようとしますが、失敗します。
降伏
観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)は二郎神(じろうしん)に協力を要請します。悟空と二郎神(じろうしん)は互いに神通力を駆使して戦いますが、勝負はつきません。老君が金剛(こんごう)琢を投げつけると悟空は倒れ、哮天犬(こうてんけん)に噛みつかれて捕らえられてしまいます。玉帝は悟空を処刑しようとしますが、刀で斬っても、槍で突いても、雷で打っても、火で焼いても、悟空は傷一つ負いません。そこで太上老君(たいじょうろうくん)は悟空を八卦炉に閉じ込めますが、悟空は死なずに、かえって火眼金睛を得ます。四十九日後、悟空は八卦炉を破って飛び出し、金箍棒を振り回して天宮を大混乱に陥れます。天兵は悟空に対抗できず、玉帝は仕方なく西方極楽浄土の如来仏(にょらいぶつ)に助けを求めます。如来仏(にょらいぶつ)は法力で悟空を捕らえ、五行山の下に閉じ込め、鉄丸を食べ、銅汁を飲むという苦行を課します。
西天取経
五百年後、如来仏(にょらいぶつ)は南贍部洲の人々が貪欲で争いばかりしていることを知り、観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)に東土へ行って経典を取りに行かせることにします。観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)は木叉孫悟空(そんごくう)と共に東土へ行き、経典を取りに行く人を探します。途中で、流沙河で苦しんでいた捲簾大将と猪八戒(ちょはっかい)を弟子にします。捲簾大将は元々天界で働いていましたが、失態を犯して流沙河に流されてしまいました。猪八戒(ちょはっかい)は天蓬元帥でしたが、酒に酔って嫦娥にちょっかいを出したため、豚の姿に変えられて地上に落とされ、雲棧洞で妖怪になっていました。観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)は彼らに沙悟浄(さごじょう)と猪悟能(ごのう)という法名を授け、経典を取りに行く人が来るまで待機するよう命じます。また、罪を犯した西海龍王の息子を助け、深澗に送り、経典を取りに行く人が来るまで待機させます。
五行山
一行は、五行山にたどり着きます。山の下には、五百年前、天宮を大混乱に陥れた孫悟空(そんごくう)が閉じ込められています。
悟空の改心
観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)は、悟空が改心したことを伝え、唐の国から経典を取りに行く人が来るまで待つように諭します。「彼について弟子となり、仏教の教えを受け、悟りを開けば、再び正しい道に戻ることができるだろう」と。
玄奘の誕生
唐の太宗皇帝は科挙試験を行い、陳光蕊という青年が状元となります。陳光蕊は宰相の娘である殷小姐と結婚し、後に江州の州主に任命されます。赴任の途中、陳光蕊は劉洪という盗賊に殺され、妻は劉洪に奪われてしまいます。陳光蕊の妻である殷氏は子供を産むと、川に流してしまいます。子供は金山寺の僧侶に助けられ、18年後に出家して玄奘という法名を授かります。
玄奘の旅立ち
玄奘は、唐の皇帝に西天へ経典を取りに行くことを願い出ます。唐の皇帝は玄奘と兄弟の契りを結び、経典の番号を「三蔵」と名付け、文武百官と共に西へ旅立たせます。
双叉嶺
三蔵は、唐の皇帝から賜った白馬に乗り、二人の従者と共に大唐の西の境界を出発します。双叉嶺で虎の精に変身した「寅将軍」に襲われ、二人の従者を殺されてしまいます。三蔵は辛うじて逃げ延びます。これが三蔵が西天への旅に出発して最初の難関となります。
五行山との出会い
さらに、猛虎や大蛇に遭遇しますが、猟師の劉伯欽に助けられます。劉伯欽は三蔵を両界山まで送り届けると、山の下から「師匠が来たぞ!」という大きな声が聞こえてきます。実は、この山は五行山が改名されたもので、五百年前、天宮を大混乱に陥れた孫悟空(そんごくう)が山の下に閉じ込められています。三蔵は山頂に貼られた如来の金字の封印を剥がすと、悟空は山を割って飛び出し、三蔵を師匠と呼び、孫孫悟空(そんごくう)という名を授かります。
緊箍咒
旅の途中で、孫悟空(そんごくう)は6人の強盗を殺します。唐三蔵の叱責に耐えられず、怒って竜宮に行きました。唐三蔵は観音から孫悟空を制御するための2つのアイテム、金の嵌め込まれた帽子と緊箍咒を受け取ります。悟空は竜王(りゅうおう)の説得に従い、唐三蔵の元に帰りました。その間に観音は三蔵に直裰と帽子を贈り、「緊箍咒」も教えました。三蔵は悟空に帽子をかぶせ、緊箍咒を唱えると、悟空は痛がって転げ回りました。帽子は如来が与えた緊箍だったのです。悟空は仕方なく唐三蔵に従い、西へ向かいました。
二人は鷹愁澗に到着した。唐三蔵の白馬は澗の玉龍に飲み込まれてしまった。観音は玉龍を白馬に変え、三蔵に乗せた。
観音院で、悟空は唐三蔵の錦襕袈裟を自慢した。観音院の金池長老は欲に駆られ、唐三蔵師弟を焼き殺そうとしたが、悟空の術によって寺院が逆に燃えてしまった。しかし、袈裟は金池長老の友人の黒風怪に盗まれてしまった。孫悟空は観音に助けを求め、観音は黒風怪の仲間になりすまし、悟空は仙丹に変身して黒風怪に食べさせた。黒風怪は降伏した。
唐三蔵師弟は西へ進み、高老荘に到着した。村の娘が妖怪に連れ去られたことを知り、悟空は妖怪を捕まえ、雲棧洞まで追いかけた。妖怪は元々天庭の天蓬元帥だったが、嫦娥にちょっかいを出したため、天界から追放され、豚に生まれ変わったのだ。観音に降伏させられ、猪悟能(ごのう)と名付けられ、ここで経典を取りに来る人を待っていた。孫悟空は彼を唐三蔵に紹介し、弟子として受け入れた。唐三蔵は彼が「五葷三厭」を断ったと言ったので、八戒という別名をつけた。
浮屠山を越え、烏巢禅師から唐三蔵に『多心経』が授けられた。
800里の黄風嶺を通りかかったとき、唐三蔵は黄風怪(こうふうかい)に黄風洞に連れ去られた。悟空は小須弥山に行き、霊吉菩薩(れいきつぼさつ)を連れてきて黄風怪(こうふうかい)を降伏させた。この怪は霊山の下で修行した黄毛貂鼠だった。
流沙河で、唐三蔵は観音に導かれた沙悟浄(さごじょう)を三番目の弟子として迎え入れ、沙和尚と名付けた。師弟4人は山河を越え、西天へ経典を取りに行った。
4人は川を渡って西へ進み、観音、普賢、文殊菩薩(もんじゅぼさつ)、黎山老母(りざんろうぼ)に出会い、母と娘3人に変身して禅心を試した。八戒は俗心が消えず、木に縛り付けられた。
万寿山五庄観を通過したとき、悟空は鎮元子(ちんげんし)大仙の「人参果」を盗み、人参果の木を倒してしまった。大仙に捕らわれた悟空は、三島で治療法を探し、最後に南海に行って観音に甘露で人参果の木を蘇らせた。
白虎嶺に到着すると、尸魔が三蔵を害しようとした。最初は少女、次に老婆、最後に老人に変身したが、孫悟空に見破られ、退治された。八戒のそそのかしで、三蔵は孫悟空に向かって緊箍咒を唱え、孫悟空を追放した。孫悟空はお花畑に戻って妖怪になった。三蔵は黄袍怪に捕らえられた。黄袍怪の妻は宝象国の王女で、三蔵を救出した。三蔵は宝象国に手紙を送り、国王は八戒と沙悟浄(さごじょう)を派遣して妖怪を退治したが、逆に黄袍怪に敗北した。黄袍怪は宮殿に入り、三蔵を白虎精だと偽った。白龍馬は師匠を救うことができなかったが、八戒に孫悟空を連れてくるように頼んだ。孫悟空との戦いに敗れた黄袍怪は、奎宿の化身だった。悟空は師匠を救出し、師弟は和解した。
平頂山を越え、三蔵は八戒に道を巡回させた。八戒は最初は怠けて寝ていたが、その後は嘘をついて師匠を騙そうとした。どちらも孫悟空に見破られた。山には金角と銀角という2人の妖怪がいて、孫悟空と激しい戦いの末、降伏した。この2人の妖怪は実は老君の2人の炉の童子であり、観音によって妖怪に変身させられ、三蔵師弟を試していたのだ。
宝林寺に泊まった夜、三蔵は烏鶏国王の幽霊に出会い、訴えを聞いた。孫悟空はお花畑に戻って妖怪になった。三蔵は黄袍怪に捕らえられた。黄袍怪の妻は宝象国の王女で、三蔵を救出した。三蔵は宝象国に手紙を送り、国王は八戒と沙悟浄(さごじょう)を派遣して妖怪を退治したが、逆に黄袍怪に敗北した。黄袍怪は宮殿に入り、三蔵を白虎精だと偽った。白龍馬は師匠を救うことができなかったが、八戒に孫悟空を連れてくるように頼んだ。孫悟空との戦いに敗れた黄袍怪は、奎宿の化身だった。悟空は師匠を救出し、師弟は和解した。
平頂山を越え、三蔵は八戒に道を巡回させた。八戒は最初は怠けて寝ていたが、その後は嘘をついて師匠を騙そうとした。どちらも孫悟空に見破られた。山には金角と銀角という2人の妖怪がいて、孫悟空と激しい戦いの末、降伏した。この2人の妖怪は実は老君の2人の炉の童子であり、観音によって妖怪に変身させられ、三蔵師弟を試していたのだ。
宝林寺に泊まった夜、三蔵は烏鶏国王の幽霊に出会い、訴えを聞いた。孫悟空はお花畑に戻って妖怪になった。三蔵は黄袍怪に捕らえられた。黄袍怪の妻は宝象国の王女で、三蔵を救出した。三蔵は宝象国に手紙を送り、国王は八戒と沙悟浄(さごじょう)を派遣して妖怪を退治したが、逆に黄袍怪に敗北した。黄袍怪は宮殿に入り、三蔵を白虎精だと偽った。白龍馬は師匠を救うことができなかったが、八戒に孫悟空を連れてくるように頼んだ。孫悟空との戦いに敗れた黄袍怪は、奎宿の化身だった。悟空は師匠を救出し、師弟は和解した。
号山に到着すると、聖嬰大王紅孩児に出会った。三蔵は危機に陥り、孫悟空や八戒が師匠を救おうとしたが、何度も妖怪に敗北した。紅孩児は孫悟空がかつて義兄弟を結んだ牛魔王(ぎゅうまおう)の息子だった。孫悟空
は牛魔王(ぎゅうまおう)に変身して洞窟に入り、三蔵を救出しようとしたが、紅孩児の三昧真火に敗れた。最後に観音の助けで救出された。観音は紅孩児を降伏させ、善財童子(ぜんざいどうじ)とした。
黒河を渡ると、小鼍龍に出会った。三蔵は水底に閉じ込められてしまった。孫悟空は龍王を呼び寄せ、小鼍龍を降伏させた。
車遲国に到着すると、虎力、鹿力、羊力の3人の妖怪に出会った。孫悟空、八戒、沙悟浄(さごじょう)は夜に三清観を騒ぎ、3人の妖怪をからかった。その後、宮殿で3人の妖怪と法術で戦い、雨乞い、じゃんけん、首切り、腹切り、油鍋に入る賭けをし、孫悟空
はすべて勝利し、3人の妖怪を退治した。
通天河を渡ると、観音の蓮華池で金魚が妖怪になった。金魚は法術を使って唐三蔵を水府に連れ去った。観音は駆けつけて金魚を回収し、三蔵は老鼋の助けで川を渡った。老鼋は三蔵に、いつになったら人間になれるのか仏祖に代わって聞いてほしいと頼んだ。
金兜山を越えると、独角兕大王に出会った。三蔵は捕らえられ、孫悟空は何度も激しく戦ったが、他の神々の兵士の助けも借りても、失敗に終わった。その後、如来の指示で太上老君(たいじょうろうくん)を呼び寄せ、降伏させた。実は、その妖怪は太上老君(たいじょうろうくん)の乗り物である青牛だった。
西梁女国に到着すると、三蔵と八戒は子母河の水を飲んで妊娠してしまった。孫悟空は落胎泉の水を取ってきて助けた。女王は三蔵を婿にしたいと思ったが、孫悟空は策略を使って逃げ出した。しかし、三蔵は毒敵山琵琶洞の蝎子精(さしせい)に捕らえられてしまった。孫悟空は昴宿星君を呼び寄せ、蝎子精(さしせい)を退治した。さらに、途中で盗賊に出会い、孫悟空は彼らを退治した。三蔵は孫悟空が人を殺したと非難し、追い出した。孫悟空は仕方なく観音に助けを求めた。そのとき、三蔵は偽の孫悟空に出会い、荷物まで奪われた。師匠たちはそれが孫悟空の仕業だと思い、沙悟浄(さごじょう)を花果山に送って取り戻そうとしたが、失敗に終わった。そこで、南海の観音のもとに行くと、孫悟空
がそこにいた。沙悟浄(さごじょう)は怒り心頭だったが、観音の説明でようやく納得した。孫悟空は花果山に行って偽の孫悟空と激しく戦った。2人の孫悟空は如来のもとまで戦い続けた。如来は偽の孫悟空が六耳獼猴であることを明らかにし、退治した。
師匠たちは火焰山で道を阻まれた。孫悟空は芭蕉扇があれば火焰山を克服できると聞き、紅孩児の母であり、牛魔王(ぎゅうまおう)の妻である羅刹女のもとを訪れた。孫悟空は羅刹女に扇を借りようとしたが、断られた。そこで、牛魔王(ぎゅうまおう)の側室のもとに行って牛魔王に借りようとしたが、これも断られた。そこで、孫悟空は牛魔王の乗り物を盗み、牛魔王に変身して羅刹女から芭蕉扇を騙し取った。しかし、途中で牛魔王に追いつかれ、八戒に変身させられてしまった。その後、神々の兵士の助けを借りて牛魔王と戦い、勝利し、扇を手に入れて火焰山を消し止めた。
祭賽国(さいさいこく)に到着すると、孫悟空は国王のために盗宝犯である万聖龍王と九頭駙馬(きゅうとうふうま)を退治した。
荆棘嶺を越えると、八戒が鈀を使って道を切り開いた。夜には竹精と樹妖に出会い、三蔵は捕らえられて詩を詠まされた。その後、八戒が釘鈀で妖怪を倒した。
小西天に到着すると、黄眉大王に出会った。この妖怪は人を袋に閉じ込めるのが得意だった。孫悟空は各路の神々の兵士を呼び寄せたが、誰も敵わなかった。その後、弥勒菩薩の助けを借りて降伏させた。実は、この妖怪は仏前で磐を持っていた童子だった。
駝羅荘を通ると、孫悟空と八戒は蛇精(じゃせい)を殺して村人を救った。
稀柿衕を通ると、八戒は大きな猪に変身して山いっぱいの汚れた道を切り開いた。
朱紫国に到着すると、孫悟空は国王の病気を治し、3年前に妖精の賽太歳(さいたいさい)に誘拐された皇后の金聖宮を救出した。賽太歳(さいたいさい)は実は観音の乗り物である金毛獅で、国王の災いを消すために来たのだ。
盤絲嶺
三蔵一行は盤絲嶺を越える途中、蜘蛛の精に遭遇し、苦戦を強いられます。さらに、蜘蛛の精は多目怪と蜈蚣(むかで)精をけしかけてきます。孫悟空は蜘蛛の精を倒し、毘藍婆菩薩を呼び寄せ、多目怪を退治します。
獅駝嶺
獅駝嶺では、青獅、白象、大鵬の三魔に遭遇し、三蔵は捕らわれてしまいます。孫悟空は苦戦を強いられ、西方へ行き、如来に助けを求めます。如来は文殊菩薩(もんじゅぼさつ)と普賢菩薩(ふげんぼさつ)を遣わし、三魔を降伏させます。実は、青獅と白象は文殊菩薩(もんじゅぼさつ)と普賢菩薩(ふげんぼさつ)の乗り物だったのです。如来はまた、大鵬を仏教に帰依させます。
比丘國
比丘国の国王は、寿星の乗り物である白鹿に化けた国師に騙され、1110人の子供の心臓と肝臓を薬の材料にしようとしていました。悟空は子供たちを救出し、妖怪を退治します。寿星が現れ、白鹿の精を連れ去ります。
松林
三蔵は松林で一人の女性を助けますが、実は妖精でした。一行は鎮海寺に泊まりますが、孫悟空によって妖精は降伏させられ、三蔵はさらわれてしまいます。孫悟空は哪吒(なた)太子に助けを求め、妖精が托塔天王(たくとう てんのう)の義理の娘である老鼠の精であることを突き止めます。
滅法國
滅法國の国王は一万人の僧侶を殺そうとしており、あと4人足りませんでした。孫悟空は夜中に皇宮と官僚の髪を剃り落としてしまいます。国王は仏教に帰依し、国名を欽法と改めます。
隐霧山
隐霧山の連環洞に住む豹子精の南山大王は、唐三蔵を食べようとしますが、悟空によって眠らされ、八戒によって倒されます。
鳳仙郡
鳳仙郡では、3年間雨が降らず、郡主が斎天の供物を倒したことが原因だと判明します。悟空は郡主を改心させ、郡民全員が念仏を唱えると、雨が降ります。
玉華州
玉華州では、孫悟空は三人の王子を弟子にして武術を教えます。しかし、武器が豹頭山の黄獅精(こうしせい)に盗まれてしまいます。黄獅精(こうしせい)は九霊元聖(きゅうれいげんせい)に助けを求めますが、悟空は九霊元聖(きゅうれいげんせい)が太乙救苦天尊(たいいつきゅうくてんそん)の乗り物であることを知り、太乙救苦天尊(たいいつきゅうくてんそん)に降伏させます。
金平府
金平府では、元宵節の日に三蔵が青龍曲の妖精にさらわれてしまいます。孫悟空は四木禽星を呼び寄せ、妖精を倒します。
月宮
月宮の玉兎(ぎょくと)が天竺国の王女に化け、唐三蔵に求婚します。悟空は太陰星君(たいいんせいくん)と協力して玉兎(ぎょくと)を捕まえ、本物の王女を救出します。
銅台府
銅台府の地霊県で寇員外(こういんがい)の家を訪れた一行は、寇員外(こういんがい)が殺害され、盗難事件が発生します。三蔵一行は濡れ衣を着せられますが、孫悟空が法術を使って真相を解明し、寇員外(こういんがい)を蘇生させます。
靈山
三蔵一行はついに靈山に到着し、无底船に乗って凌雲仙渡を渡り、如来に経典を求めます。如来は阿難(あなん)と迦葉(かしょう)に経典を渡すように命じますが、阿難(あなん)と迦葉(かしょう)は賄賂を受け取れなかったため、白紙の経典を渡してしまいます。燃燈古佛は白雄尊者(はくゆうそんじゃ)に経典を奪い返すように命じ、一行は真相を知って如来に報告します。如来は「経典は簡単に渡すべきではない」と言いますが、三蔵が紫金鉢盂を阿難(あなん)に渡すと、5048巻の経典が現れます。如来は八大金刚に一行を東土へ送り届けさせます。観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)は三蔵の経典を確認し、80回目の難を経験させるために、揭諦に金刚を追わせます。一行は通天河に落ち、老鼋に助けられますが、老鼋は三蔵が自分のことを仏祖に尋ねなかったことに腹を立て、経典を水に浸してしまいます。一行はなんとか経典を回収し、99回目の難を乗り越えます。金刚は一行を長安に送り届けます。
長安
経典は長安に持ち帰られ、14年ぶりに唐三蔵一行は太宗に迎えられます。太宗は唐三蔵の功績を称えて『聖教序』を著します。唐三蔵は雁塔寺で経典を誦経しますが、金刚に導かれて、一行は白馬と共に靈山に戻ります。四人は元の姿に戻り、三蔵は旃檀功徳仏、悟空は斗战胜仏、八戒は浄壇使者、沙悟浄(さごじょう)は金身羅漢(らかん)、白龍馬は八部天龍に封じられ、それぞれ本来の場所に帰ります。悟空の頭にあった緊箍も消滅します。