永楽帝~大明天下の輝き~ 第31話 あらすじ/ネタバレ

皇太孫の来訪

明日、皇太孫が北平に到着する。燕王は唐大人と共に郊外で出迎える。馬車の中で、朱允炆(シュインブン)は朱棣(シュテイ)に家礼を尽くす。彼はまだ幼く、亡き父が最も信頼していた四叔の力を借りる必要がある。朱棣(シュテイ)も跪いて礼を返す。しかし、朱允炆(シュインブン)の表情にはどこか得意げな様子が伺える。

陳亨の指揮のもと、皇太孫の前で軍隊が演習を行う。朱允炆(シュインブン)は、なぜ一人おきに銃を撃つのかと疑問を呈する。陳亨は、そうすることで銃声が途切れることなく、どんな堅固な陣形も崩すことができると説明する。この陣形は燕王が考案したもので、最初は燕王槍陣と呼ばれていたが、朱棣(シュテイ)は不適切だと感じ、神機槍陣と改めた。

朱允炆(シュインブン)は満足し、隊長に褒美を与える。隊長は朱棣(シュテイ)の顔色を伺い、朱棣(シュテイ)が皇太孫からの褒美だと告げてから受け取る。しかし、この行為は朱允炆(シュインブン)の気分を害する。北平を離れる馬車の中で、朱允炆(シュインブン)は笑顔を見せない。

燕王への脅威

皇太孫を見送った朱棣(シュテイ)は、机の上に置かれた斉泰の奏表の写しを見つける。その中で、斉泰は燕王の威儀が過ぎることを指摘している。妙雲は、何らかの方法でこの写しを入手していた。彼女は、朱棣(シュテイ)の権力が大きくなるほど皇太孫への脅威が増し、斉泰のような朝廷の人間も増えていくことを理解してほしいと願っていた。

案の定、朱允炆(シュインブン)は南京に戻り、朱元璋(シュゲンショウ)に北平の沿辺軍衛は朝廷ではなく朱棣(シュテイ)だけを頼りにしていることを報告する。朱元璋(シュゲンショウ)は、燕王妃と3人の息子を南京に呼び戻すよう命じる。名目上は孫が恋しいからだという。

呂氏は、江都郡主に長興侯世子耿璿を夫に選んだが、藍玉は娘の縁談に口を挟み、この縁談はふさわしくないと主張する。呂氏は激怒する。

朱棣(シュテイ)は部屋に閉じこもってしまう。朱能は急いで道衍を呼び、説得を依頼する。道衍は、陛下が燕王妃と3人の子供を南京に呼び戻したのは、朱棣(シュテイ)を守るためだと説明する。そうでなければ、兵権はとっくに没収されていたはずだ。邸報に他の親王を藩地に封じ、兵権を分散させると書かれていたことについては、道衍は陛下はまだ朱棣(シュテイ)と皇太孫の両方を守りたいと考えていると述べる。

藍玉の調査

すぐに、妙雲は3人の息子を連れて陛下に謁見する。陛下は、朱高熾に他の叔父や年上の世子たちと一緒に諸軍を閲兵するよう命じる。朱高煦は同行を願い出るが、朱元璋(シュゲンショウ)は許可しない。

妙雲は海別を訪ね、ノールブハに贈り物を届ける。海別は、お礼として錦衣衛指揮使の蒋瓛が藍玉を調査しているという情報を伝える。

黄子澄と斉泰は蒋瓛を訪ね、藍玉の調査について探る。しかし、蒋瓛はすぐに席を立ってしまう。藍玉は錦衣衛の何人かを捕らえ、蒋瓛は馬を準備して宮殿に向かう。

陛下は、蒋瓛に藍玉の調査を続けるよう命じる。同時に、自分の息子にすべての責任を押し付けないようにと注意する。

朱高熾は他の世子たちと一緒に諸軍を閲兵するが、なかなか戻ってこない。藍玉の調査で譚淵が突き止めた秘密は重大なものであり、蒋瓛は頭を抱えて陛下に報告する。

その後、朱高熾が戻ってくる。陛下が理由を尋ねると、朱高熾は兵士たちが朝食を食べてから閲兵を始めたため、時間がかかったと答える。朱元璋(シュゲンショウ)は、その対応を評価する。

そのとき、蒋瓛が謁見を求める。朱元璋(シュゲンショウ)は朱高熾に先に戻り、数日後に宮殿に来るよう命じる。

藍玉の逮捕

錦衣衛は藍玉の多くの不正行為を突き止める。朱元璋(シュゲンショウ)も異変に気づく。この事件は10日ほどでここまで調査が進んだのだ。朱元璋(シュゲンショウ)は周囲の人間を全員退室させ、最終的に錦衣衛に藍玉を逮捕するよう命じる。

呂氏は、黄子澄と斉泰が文華殿で朱允炆(シュインブン)に謁見したことを知る。事態はここまで進み、朱允炆(シュインブン)はこれ以上事態が悪化するのを許さない。彼はこの2人の側近を信頼するつもりだ。

第31話の感想

権力闘争の激化

第31話では、朱棣(シュテイ)と皇太孫の権力闘争が激化していく様子が描かれています。朱允炆(シュインブン)は、北平での朱棣(シュテイ)の権勢を目の当たりにし、脅威を感じていることがわかります。斉泰の奏表や、朱棣(シュテイ)の軍隊の演習を見ても、その様子が伺えます。

一方で、朱棣(シュテイ)は皇太孫の監視下に置かれ、行動を制限されています。燕王妃と3人の息子を南京に呼び戻されたことも、朱棣(シュテイ)の権力を弱体化させるための策略であると考えられます。

道衍の役割

道衍は、朱棣(シュテイ)にとって重要な相談相手として登場します。彼は、朱棣(シュテイ)の置かれた状況を冷静に分析し、適切なアドバイスを与えています。また、朱棣(シュテイ)の気持ちを理解し、励ます役割も果たしています。

藍玉の逮捕

藍玉の逮捕は、朱元璋(シュゲンショウ)にとって大きな決断だったと思われます。藍玉は功績のある武将であり、朱元璋(シュゲンショウ)の信頼も厚かったからです。しかし、藍玉の権力が強くなりすぎたため、朱元璋(シュゲンショウ)は彼を排除する必要があったのでしょう。

今後の展開

第31話のラストでは、朱允炆(シュインブン)が黄子澄と斉泰を信頼する様子が描かれています。これは、今後朱允炆(シュインブン)が朱棣(シュテイ)に対してより強硬な態度を取ることを示唆しているのかもしれません。

つづく