永楽帝~大明天下の輝き~ 第38話 あらすじ/ネタバレ

鉄鉉、糧草を運搬し李景隆と対面

鉄鉉は皇帝の命を受け、軍への糧草の運搬を完了し、李景隆が自ら出迎える。李景隆は周囲の護衛を退け、鉄鉉と二人だけで話す。李景隆は心の内を明かし、朝廷の軍は長年戦を経験しておらず、燕山衛は歴戦の猛者であるため、この戦いに勝ち目はないと語る。さらに、幼い頃から朱棣(シュテイ)と共に育ち、特別な感情を持っているが、今は表向き「燕庶人」と呼ぶしかないことを嘆く。李景隆は撤退することもできるが、朝廷の面子を潰すことになる。もし自分が撤退すれば、すぐに別の将軍が派遣されるだろう。であれば、自分が指揮を執って燕軍と戦うべきだと結論づける。

白河の戦い勃発

白河が凍結した日、燕軍が攻めてきた。南軍と燕軍が激突する中、李景隆は適切なタイミングで撤退を命じる。今日の李景隆は、かつての未熟さとは異なり、優れた指揮官として成長していた。朱棣(シュテイ)は張玉の息子、文弼に戦場で情けをかけるべきではないと忠告する。生き残った者だけが正誤を論じることができるのだ。

朱棣(シュテイ)は南軍との決戦に躊躇する。南軍は既に追い詰められており、たとえ最後の抵抗であっても、燕軍に多くの犠牲者が出ることは避けられない。朱棣(シュテイ)はこれ以上の兵士の損失を望んでいない。しかし、張玉は反対する。南軍を逃がせば士気を下げるだけでなく、再起を許してしまうと主張する。

朱棣(シュテイ)、決戦を決意

張玉の意見を受け入れた朱棣(シュテイ)は、翌日に李景隆との決戦を決意する。朱高熙は北平の状況を報告に訪れる。兄である朱高熾は、甥の朱瞻基と共に死守を決意し、城内の兵士や民衆は多くが死傷しているという。朱高熙は朱高熾に北平を脱出するよう説得しようとしたが、逆に朱高熾に母と弟を連れて逃げるよう命じられた。朱棣(シュテイ)は朱高熾のような息子を持つことを喜び、朱高熙もまた、素晴らしい兄を持つことを涙ながらに語る。

馬和の奇策

翌日、朱棣(シュテイ)は目覚ましを何度も鳴らされてようやく起き上がる。迫り来る決戦にも緊張している様子はない。初日の戦いで多くの死傷者が出た後、馬和は破敵の策があると進言する。朱棣(シュテイ)は馬和を呼び入れる。馬和は航海術を学んでおり、その知識は現在の兵法にも応用できるという。馬和の提案を受け、朱棣(シュテイ)は氷点下の夜に奇襲をかけることを決断する。

馬和の策が奏功

馬和の策は功を奏し、南軍は内部で混乱を起こし、同士討ちを始める。李景隆は必死に兵士を制止しようとするが、効果はない。李景隆自身も矢に射られてしまう。

北平の戦い

北平では戦いが続く中、朝廷は郷試と殿試を早急に実施することを提案する。北平の受験生は密かに城を出て試験を受けようとするが、守備兵に探子と間違えられてしまう。朱棣(シュテイ)は受験生を助け、試験を受けることを強く支持する。城門の上から様子を見ていた道衍は、朱棣(シュテイ)の行動に感銘を受ける。

黄子澄と斉泰の失策

このタイミングでの試験実施は、黄子澄と斉泰の失策と言えるだろう。しかし、朱棣(シュテイ)は勝利した後、黄子澄、斉泰、方孝孺の三人を絶対に登用しないと考える。

楊子栄の活躍

夏原吉の弟子である楊子栄は、この試験で首席となり、翰林編修に任命される。楊子栄は夏原吉に、朝廷軍が白溝河で敗北し、曹国公が残兵を率いて済南に撤退したことを報告する。朝廷は討伐軍を派遣したが、連戦連敗を喫し、十万近くの兵士が戦死または燕軍に降伏した。朱允炆(シュインブン)は激怒し、黄子澄らは口をつぐんで何も言えなくなっている。

済南の戦い

この戦いの後、燕軍は南下して済南を攻撃するだろう。朱允炆(シュインブン)は李景隆に敗残兵を集めて済南を守備するよう命じる。朱棣(シュテイ)もまた、済南への攻撃を決断する。李景隆は全てを諦め、南門から逃亡する。鉄鉉と盛庸だけが城に残された。

第38話の感想

第38話は、戦と政治が複雑に絡み合い、登場人物たちの葛藤が描かれた見応えのある回でした。

戦の描写

白河の戦いと奇襲作戦の描写は迫力満点で、戦場の緊張感や混乱が伝わってきました。特に、馬和の奇策が功を奏し、南軍が混乱に陥るシーンは圧巻でした。

登場人物の葛藤

李景隆の葛藤は、この回の見どころの一つです。朝廷への忠誠心と朱棣(シュテイ)への友情の間で揺れ動く彼の心情は、複雑で共感できます。また、朱棣(シュテイ)の決断力とカリスマ性も印象的でした。

政治的な駆け引き

黄子澄と斉泰の失策や、朱允炆(シュインブン)の怒りなど、政治的な駆け引きも興味深く描かれていました。戦だけでなく、政治的な側面からも物語が展開していくのは、このドラマの魅力の一つです。

今後の展開

済南の戦いがどのように描かれるのか、そして、李景隆や鉄鉉の運命はどうなるのか、今後の展開が気になります。

つづく