永楽帝~大明天下の輝き~ 第43話 あらすじ/ネタバレ

内官沐敬の報告

沐敬は朱棣(シュテイ)と妙雲に挨拶をする。彼は鄭和の下西洋前に司礼監から朱棣(シュテイ)の側近として配属された人物で、機敏な様子だ。朱棣(シュテイ)と妙雲は孫の朱瞻基について語り合い、朱棣(シュテイ)は彼の学問と武芸の才能を称賛する。朱瞻基は太子時代の朱棣(シュテイ)とは全く違う人物だと評する。二人はしばらく会話をした後、妙雲は眠りに落ちてしまう。

朱棣(シュテイ)は盛太医を呼び、妙雲の容体を尋ねる。盛太医は正直に、妙雲は長年の病で身体が弱っており、もはや回復の見込みがないと告げる。脈象は衰弱しており、もはや灯火が尽きようとしている状態だという。朱棣(シュテイ)は盛太医に何とか妙雲を治すように命じるが、生死は天命であり、盛太医はできる限りのことをするしかないと答える。

絶望の朱棣(シュテイ)

盛太医は以前、朱棣(シュテイ)の関節炎を治し、瀕死の宦官を救った実績があるため、朱棣(シュテイ)は彼を死者を蘇らせる名医だと信じていた。しかし、そんな盛太医でさえ妙雲の病を治すことができない。朱棣(シュテイ)の絶望はいかばかりか。

妙雲の体調不良を受け、朱棣(シュテイ)は宮中での殺生を禁止し、坤寧宮以外の宮殿では斎戒を行うよう命じる。今年の死刑囚は全員執行を延期し、条件によっては罪を軽減して赦免するよう指示する。また、霊谷寺にハ立麻大師を招き、皇后のために祈願を行うよう命じる。宮人が退室した後、朱棣(シュテイ)は声を上げて泣き崩れる。

妙雲の死

徐允恭は妙雲より先に亡くなり、徐家には妙雲と妙錦の姉妹だけが残された。妙雲は朱棣(シュテイ)が兄をなぜ死に追いやったのか理解できない。彼女は自分と二哥の徐增寿が朱棣(シュテイ)を助ければ、兄の徐允恭を見逃してくれると思っていたが、結局二哥も亡くなり、兄も命を落としてしまった。妙雲は悲しみに暮れ、言葉を失ったまま気を失ってしまう。

朱棣(シュテイ)は徐允恭の長男である徐欽に魏国公の爵位を継承させるよう命じ、その後急いで妙雲のもとに駆けつける。妙雲はすでに身支度を整えており、朱棣(シュテイ)と二人きりになりたいと願う。

妙雲は朱棣(シュテイ)に伝えたいことがあると話す。彼女は北平を守った兵士の家族に毎年わずかながら報奨を与えてきたが、自分が亡くなった後も朱棣(シュテイ)に彼らを庇護し続けてほしいと頼む。妙雲は朱棣(シュテイ)の腕の中で、鳳陽での思い出を語りながら静かに息を引き取る。

悲しみに暮れる朱棣(シュテイ)

朱棣(シュテイ)は悲しみに暮れ、3日間食事も睡眠もとらず、妙雲の入棺を許さない。朱高熾は仕方なく、道衍大師を呼び寄せる。皇孫の朱瞻基の懇願により、朱棣(シュテイ)はようやく妙雲の入棺を許可する。

鄭和が下西洋から帰還し、属国の医者たちを連れてくる。朱棣(シュテイ)は鄭和の功績を称え、来年も下西洋を命じる。さらに、連れてきた医者たちの世話をするよう指示する。鄭和は命を受け、退室する。

道衍はすでに本を書き終えており、朱棣(シュテイ)は朱瞻基を連れて見に行く。彼は周囲の人々を退室させ、道衍だけを残す。朱棣(シュテイ)は妙雲が生前読書を好んでいたことを語り、彼女がこの本を見たらどれだけ喜ぶだろうと話す。

アルタイの弑君

アルタイが弑君したとの知らせが朝廷に届き、朱棣(シュテイ)は驚きを隠せない。これは燕帖木児の再来である。朱棣(シュテイ)は直ちに出巡の準備を命じ、皇長孫を同行させる。京師は太子が監国する。朱棣(シュテイ)は郭驥に漠北への使節を命じ、韃靼の対応を任せる。

朱棣(シュテイ)の北巡や建陵などの行動から、夏原吉は陛下が北平への遷都を決意したことを悟る。

漠北への出兵

漠北の大汗は伯顔帖木児が不在の間に明朝の使臣と会見する。伯顔は大営に戻ると、郭驥がすでに斬首されて晒しものにされていることを知る。海別は朱棣(シュテイ)が決してこの屈辱を許さないことを理解し、弟に兵を集めるよう指示する。

案の定、朱棣(シュテイ)は激怒し、漠北への出兵を命じる。塞外三大部族である韃靼、瓦剌、兀良哈のうち、後二者はすでに明に服従している。唯一、韃靼のベグ?アルスランは反抗的な態度を示している。楊子栄はベグ?アルスランの考えを朱棣(シュテイ)に詳しく説明する。

朱棣(シュテイ)は朱瞻基の意見を求めると、朱瞻基は瓦剌と兀良哈はどのような観点から見ても、今回は明と敵対することはないと答える。

第43話の感想

第43話は、永楽帝と徐妙雲(ジョミョウウン)の物語のクライマックスと言える内容でした。妙雲の死は、永楽帝にとって大きな衝撃であり、彼の悲しみが伝わってくるような描写が印象的でした。また、朱瞻基の成長や、漠北への出兵など、今後の展開を予感させる内容も含まれており、見応えのある回だったと思います。

  • 永楽帝の悲しみ: 妙雲の死を受け、永楽帝が声を上げて泣き崩れるシーンは、彼の深い悲しみを表現しており、見ていて胸が痛くなりました。
  • 妙雲の最期: 妙雲が永楽帝の腕の中で静かに息を引き取るシーンは、とても切ないものでした。彼女の最後の言葉は、永楽帝への感謝と、兵士の家族への思いやりに満ちており、彼女の優しさが伝わってきました。
  • 朱瞻基の成長: 朱瞻基が永楽帝に漠北への出兵について助言するシーンは、彼の成長を感じさせるものでした。彼は冷静に状況を分析し、的確な意見を述べており、将来の明の皇帝として期待できる人物だと感じました。

第43話は、永楽帝と徐妙雲(ジョミョウウン)の物語の終わりであり、新しい時代の始まりを予感させる内容でした。今後の展開が楽しみな作品です。

つづく