永楽帝~大明天下の輝き~ 第44話 あらすじ/ネタバレ

朱棣(シュテイ)は孫の朱瞻基に語る

「お前が言うことは正しい。しかし、戦は机上の空論ではない。万全を期さねばならない。草原の民は馬に乗って生活しており、近年では騎兵も増強されている。彼らの心は測り難い。我ら大明はようやく力を回復したばかりであり、民衆を休ませるべきだが、今回はやむを得ず、戦うしかない。」

一方、臚朐河畔の明軍大営では

大将軍は、周囲の反対を押し切って、夜襲を敢行しようとする。元朝の尚書を捕らえ、王廷の守備が手薄であるという情報を得たためだ。しかし、それは罠であり、大将軍の丘福は命を落としてしまう。

激怒した朱棣(シュテイ)は丘福の爵位を剥奪し、一家を海南島へ流罪とする。進言した李遠と王聰を褒賞する。そして、年内に再び漠北へ出征することを決意する。

楊子栄は夏原吉に、適切な大将軍が見つからないのではないかと不安を漏らす。夏原吉は笑って、大明最高の将軍は目の前にいるではないか、朱棣(シュテイ)自身であると答える。

京にいる朱高熾は、父帝の親征の知らせに複雑な心境となる。朱棣(シュテイ)は、出征中の留守を誰に任せるべきか悩んでいた。道衍は朱瞻基を推挙し、朱棣(シュテイ)も賛同する。12歳の朱瞻基を留守役に、夏原吉が補佐することになった。

瓦剌は使者を送って朱棣(シュテイ)に恭順の意を示す。大明の勢力に圧倒されたためだ。これを見た韃靼の大汗は、親兵を連れて瓦剌に投降する。太師の伯顏帖木児は困惑するが、海別は弟の追跡を阻止する。彼女は、韃靼は窮地に陥っており、瓦剌も彼らを保護するとは限らないと語る。

朱棣(シュテイ)の狙いは、韃靼を討伐することで草原の勢力バランスを保つことだった。アルタンも彼の計算に入っていた。

明軍が到着すると、韃靼はすぐに降伏せざるを得なくなる。海別は弟を降伏させて臣従させる。朱棣(シュテイ)は勝利を収めて凱旋し、朱高熾と百官が出迎える。

夏原吉は、この機会に会通河の疏通計画を報告する。大規模な工事であり、数年を要する。朱棣(シュテイ)は、夏原吉が自分の漠北遠征に合わせて計画を進めていることを理解していた。しかし、彼は夏原吉に落ち着くように命じる。マハムーが蠢動しているからだ。

永楽11年、朱棣(シュテイ)は皇太后の霊柩を北京の長陵に移し、そこで妙雲の位牌に自分の計画を語る。翌年に再び漠北に出征するのだ。

忽蘭忽失温の戦いでは、明軍は遠くからやってきて、草原で瓦剌の無敵の騎兵を正面から破る。マハムーは大敗し、二度と南下できなくなる。

道衍は老齢となり、病床で朱棣(シュテイ)との40年余りの功績を振り返り、彼の功績を称え、健康を気遣う。1420年、朱棣(シュテイ)は正式に北京への遷都を宣言する。

その後、再び元軍が侵攻してくると、朱棣(シュテイ)は翌年の出征を決意する。夏原吉は再考を促すが、朱棣(シュテイ)の怒りは収まらず、何を言っても無駄だった。夏原吉はそれでも進言を続け、錦衣衛に家宅捜索されるが、清貧な暮らしぶりであることがわかる。朱棣(シュテイ)は旧情を思い出し、夏原吉を丁重に扱い、牢獄の中でも不自由のないように命じる。

永楽帝~大明天下の輝き~ 第44話 感想

第44話は、朱棣(シュテイ)の決断と苦悩が描かれた回でした。

朱棣(シュテイ)の決断

  • 漠北への出征:朱棣(シュテイ)は、草原の勢力バランスを保つために、再び漠北に出征することを決意します。これは、大明の安全と安定のためには必要な決断でしたが、同時に大きなリスクも伴うものでした。
  • 遷都:朱棣(シュテイ)は、北京への遷都を正式に宣言します。これは、大明の政治の中心を北京に移すことで、国力をより一層強固にすることを目的としたものでした。

朱棣(シュテイ)の苦悩

  • 大将軍の選定:朱棣(シュテイ)は、漠北への出征に適任な大将軍を見つけるのに苦労します。これは、大明にとって大きな問題であり、朱棣(シュテイ)の苦悩が伝わってきます。
  • 出征中の留守:朱棣(シュテイ)は、出征中の留守を誰に任せるべきか悩んでいます。これは、大明の安全と安定に直結する問題であり、朱棣(シュテイ)の責任感の強さがうかがえます。

その他の見どころ

  • 丘福の死:丘福は、夜襲の失敗により命を落とします。これは、戦争の残酷さを改めて感じさせるシーンでした。
  • 海別の決断:海別は、韃靼の大汗の投降を阻止します。これは、彼女の強い意志と判断力がうかがえるシーンでした。
  • 道衍の忠告:道衍は、朱棣(シュテイ)に健康を気遣うように忠告します。これは、老臣としての彼の忠誠心と愛情が伝わってくるシーンでした。

つづく