『雲間の月は輝きて ~運命の恋人~』 第33話 あらすじ/ネタバレ

秦玉凝(しん・ぎょくぎょう)の決意と拓跋葉倩(たくばつ・ようせい)の策略

秦相(しんしょう)の葬儀を終えた秦玉凝(しん・ぎょくぎょう)は、墓前で静かに涙を流します。父の忠告を聞かなかった後悔と、仇敵を討つ決意が胸に渦巻きます。復讐の道は険しいけれど、進むしかありません。

一方、拓跋葉倩(たくばつ・ようせい)は月岐独自の珍草と劇毒の虫を使って、「生生不息」という蠱虫を精製します。複雑な感情が込められたこの蠱虫を、阿烏(あう)に託して夜軽染(や・けいせん)に届けさせます。そして、蠱虫の材料をすべて処分するように命じます。その材料こそが、蠱毒を解く唯一の希望だったのです。阿烏(あう)は、夜軽染(や・けいせん)が蠱虫の反噬に苦しむのではないかと心配し、拓跋葉倩(たくばつ・ようせい)も後悔することになるのではないかと不安を感じます。しかし、復讐の炎に理智を焼かれた拓跋葉倩(たくばつ・ようせい)は、ただ夜軽染(や・けいせん)の意志に従っただけだと冷たく答えます。彼女は、これから起こることに病的な期待を抱いているのです。

夜軽染(や・けいせん)の策略と雲浅月(うん・せんげつ)の混乱

夜軽染(や・けいせん)は、雲浅月(うん・せんげつ)が眠っている間に蠱虫を植え付け、婚姻の証である指輪をはめます。雲浅月(うん・せんげつ)が目を覚ますと、記憶は霧に覆われたように曖昧になっており、多くの過去を忘れていました。夜軽染は、雲浅月(うん・せんげつ)が自分の妻、天聖の皇后になったと告げます。この突然の出来事に、雲浅月(うん・せんげつ)は大きな混乱を覚えます。

一方、夜天逸(や・てんいつ)は虎符を使って西南軍を掌握しようとします。しかし、疑念を抱かれた彼は、強硬手段を用いて秦相(しんしょう)の死の黒幕を夜軽染に押し付けます。藍漪(らんぎ)の助けと夜天逸(や・てんいつ)の脅迫により、最終的に兵士たちは夜天逸(や・てんいつ)に従うことになります。

雲浅月と夜軽染の日常の中で、雲浅月は二人の結婚の始まりに疑問を抱きます。夜軽染は幼馴染だったとごまかし、病気による記憶喪失が記憶の空白の理由だと説明します。彩蓮(さいれん)は疑念を抱きますが、夜軽染の説得により、雲浅月の幸せのために沈黙と協力を選びます。

玉洛凝(ぎょく らくぎょう)の謀略と戦雲の兆し

一方、玉洛凝(ぎょく らくぎょう)は墨閣を使って兵を集めようと画策します。上官茗玥(じょうかん めいげつ)は、これは容景(よう・けい)の意思とは完全には一致していないのではないかと考えます。玉洛瑶(ぎょくら)は、容景(よう・けい)の未来のために道を切り開いているだけだと主張し、二人の間に微妙な溝が生まれます。

戦雲が立ち込め、夜天逸(や・てんいつ)は軍を率いて攻め寄せます。容景(よう・けい)は密かに反撃の準備を進めます。夜軽染は、容景(よう・けい)が謀反を企てていると誤解します。夜天逸(や・てんいつ)は月岐に援軍を求めますが、月岐王 拖把業成は慎重な性格で、簡単には動かないことを知っていました。

南凌睿(なん・りょうえい)の告白と雲浅月の失踪

南凌睿(なん・りょうえい)は、ある事件で雲香荷(うん きょうか)に自分が実は雲浅月の兄であることを告白します。二人の関係はそこで終わってしまいました。

雲浅月は徐々に回復しますが、容景(よう・けい)の名前はぼんやりとした記憶の中にしか残っていません。拓跋葉倩(たくばつ・ようせい)は、雲浅月が本当に容景を忘れたかどうかを探ろうとしますが、結果は残念なものでした。宮中で噂が飛び交い、彩蓮(さいれん)は雲浅月と容景の本当の関係を隠すために嘘をつかざるを得なくなります。

凌児(りょうじ)の失踪は、雲浅月の穏やかな生活を突然の嵐のようにかき乱しました。彼女は必死に探しますが、拓跋葉倩(たくばつ・ようせい)の罠に落ちて崖から転落してしまいます。阿烏(あう)が持ち帰った知らせに、拓跋葉倩(たくばつ・ようせい)は勝利の笑みを浮かべます。

夜軽染と容景の捜索と新たな旅路

雲浅月が行方不明になったことを知った夜軽染と容景は、それぞれ全力で捜索を開始します。容景は自ら馬に乗り、困難を乗り越えて、ついに昏睡状態の雲浅月を無竹居に連れ戻します。この既視感のある見知らぬ女性に対して、容景は複雑な思いを抱きます。雲浅月は目を覚ますと、容景の救命の恩に感謝しますが、目の前の人物を認識することができません。二人は凌児(りょうじ)を探すために旅に出かけ、東坪村に潜入します。その道のりは未知数で、様々な困難が待ち受けています。

第33話の感想

第33話は、復讐と策略が渦巻く展開でした。秦玉凝(しん・ぎょくぎょう)の決意、拓跋葉倩(たくばつ・ようせい)の冷酷さ、そして夜軽染の策略が絡み合い、物語はますます複雑になっていきます。

特に印象的だったのは、拓跋葉倩(たくばつ・ようせい)の狂気じみた行動です。彼女は復讐のために手段を選ばず、夜軽染を利用して雲浅月を苦しめようとします。阿烏(あう)の忠告も無視し、自分の目的のためなら犠牲を厭わない姿は、ゾッとするほど冷酷でした。

一方、雲浅月は記憶を失い、混乱と不安の中で翻弄されています。夜軽染の言葉に疑念を抱きながらも、真実を知る術がありません。そんな彼女を心配する彩蓮(さいれん)の心情も切なく、登場人物たちの複雑な感情が丁寧に描かれていました。

第33話のラストでは、雲浅月が崖から転落するという衝撃的な展開が待っていました。彼女の運命はいかに?そして、夜軽染と容景は彼女を救出することができるのか?

つづく