雲間の月は輝きて ~運命の恋人~ 第5話 あらすじ/ネタバレ

秦玉凝(しん・ぎょくぎょう)は容景(よう・けい)への想いを胸に、情熱的な手紙を書き綴っていた。しかし、それを渡す機会を見つけることができなかった。そんな中、夜天煜(や・てんゆう)は秦玉凝(しん・ぎょくぎょう)のために計画を立ててくれた。その計画は失敗に終わったものの、秦玉凝(しん・ぎょくぎょう)の心に深く響き、容景(よう・けい)の心を射止めるという彼女の決意をさらに強くさせた。この恋の戦いで、秦玉凝(しん・ぎょくぎょう)は雲浅月(うん・せんげつ)を最大のライバルと見なし、彼女を簡単には放っておくつもりはなかった。

雲浅月(うん・せんげつ)は夜清婉(やせいえん)の死を深く悼んでいた。彩蓮(さいれん)は、夜清婉(やせいえん)の容景(よう・けい)への執着と、容景(よう・けい)が両親の死後、孤独で冷淡になったことが、この恋を成就させることを難しくしていると考えた。雲浅月(うん・せんげつ)は、真に愛する人は少しも待たせたくないと思い、容景(よう・けい)への言い表せない想いを抱いていた。

ある日、雲浅月(うん・せんげつ)は容景の負傷した腕を診ようとしたが、容景に断られてしまった。二人の小さなやり取りは、特別な感情を醸し出していた。雲浅月(うん・せんげつ)は「医者も自分のことは治せない」と冗談を言ったが、容景の傷の手当てをしているうちに、容景が眠っているのを見て、自分も誤ってスカートの裾に引っかかり、ベッドの横に倒れ込んで一緒に眠ってしまった。そのとき、弦歌(げんか)が部屋に入ってきた。彼女は、この光景を見て、心配と喜びが入り混じった複雑な気持ちになった。ベッドに付いた血痕は誤解を招き、雲浅月は説明しようとしたが、容景に遮られてしまった。容景は弦歌(げんか)にすぐに片付けるように命じ、事態が大きくなるのを防いだ。このことで雲浅月は不満を感じた。

夜が更け、蕭々の音が雲浅月を竹林の奥にある小屋へと導いた。容景は、慕容(ぼよう)家の血の海のような恨みと両親の死の謎を背負っており、非常に重苦しい様子だった。彼は雲浅月にこの場所に入ってはいけないと忠告したが、結局は彼女が迷子になるのを不憫に思い、自ら送っていった。林間は光と影が交錯し、雲浅月はよろよろと歩いた。容景は蛍の光で彼女の帰路を照らし、雲浅月の心を温めた。

容景の冷淡な態度に、雲浅月は去る口実を見つけた。彼は黙って立ち去ったが、心の中では波紋が広がっていた。朝廷では、秦相(しんしょう)と冷王(れいおう)が政局について議論していた。秦相(しんしょう)は冷王(れいおう)が三皇子を支持していることに期待を寄せていたが、冷王(れいおう)は秦相(しんしょう)の風見鶏のような態度を見抜いていた。

辺境から帰還した三皇子・夜天逸(や・てんいつ)からの手紙は、記憶を失った雲浅月を困惑させた。鏡の中の自分の姿がぼやけていくのは、この世での時間が尽きようとしていることを示しており、雲浅月はなんとか状況を打開しようと宝物を見つけようと考えたが、金銭的に困っていた。彩蓮(さいれん)は容景に助けを求めることを提案した。雲浅月には以前の確執があったが、彼女は意を決して容王府を訪れた。容景は彼女に会うためにわざわざ着替えて待っていた。雲浅月の願いを聞いて、彼は驚いたが、多くを問わず、酒楼に連れて行って彼女の真意を探ろうとした。

席の間、雲浅月は容景に媚びを売ろうとしたが、彼の辛辣な言葉に我慢できなくなり、お金のためでなければ、彼と一緒にいたくないと直言した。容景はそれを聞いて、自分の行動で証明しようとした。雲浅月はすぐに謝罪したが、彼が去った後にはテーブルの上に銀票が残されていた。雲浅月は銀票を持って懸賞金をかけたが、高額の懸賞金にもかかわらず、彼女の求める物を見つけることはできなかった。

月岐国が国境を侵犯してきたため、冷王(れいおう)は夜天逸(や・てんいつ)を派遣することを提案した。秦相(しんしょう)は朝政に詳しい人物を選ぶべきだと主張した。容景は月岐への出征を志願し、秦玉凝(しん・ぎょくぎょう)は彼の無事を心配して護身符を贈ったが、容景はそれを断り、神仏を信じないと答えた。冷王(れいおう)は夜天逸(や・てんいつ)にこの知らせを伝え、密かに容景の行程を妨害しようと企んだ。冷昭卓(れいしょうたく)は雲浅月の宝物への執着を利用して、彼女を月岐に誘い込むために嘘の情報を作り上げた。しかし、雲浅月は今回の旅の目的が何なのか、まだよくわかっていなかった。夜軽染(や・けいせん)と夜軽暖(やきょうだん)が雲王府を訪れて夜天逸(や・てんいつ)のことを話したことで、雲浅月の心はさらに疑念に包まれた。

第5話の感想

第5話は、複雑な人間関係と運命の歯車が絡み合う、ドラマチックな展開が魅力的な回でした。特に、雲浅月と容景の距離が近づいたり遠ざかったりする様子は、見ていてハラハラさせられました。また、秦玉凝の容景への一途な想いや、夜天煜(や・てんゆう)の雲浅月への優しさなど、様々な登場人物の心の動きが描かれており、見応えがありました。

特に印象に残ったのは、雲浅月と容景が竹林を歩くシーンです。容景の冷淡な態度に傷ついた雲浅月は、彼のもとを去ろうと決意します。しかし、容景は雲浅月の帰路を蛍の光で照らし、彼女の心を温めます。このシーンは、二人の複雑な関係を象徴しているようで、とても美しく切ないものでした。

つづく