夢華録(むかろく)第19話 あらすじ/ネタバレ

1. 隠された想い

孫三娘(そんさんじょう)たちは葛招娣(かつしょうてい)に新しい服を買ってあげようと計画するが、趙盼児(ちょうふんじ)は帳簿の確認を理由に半遮面に一人で残る。実は、顧千帆(こせんはん)との密会を企てていたのだ。葛招娣(かつしょうてい)はそれに気づき、孫三娘(そんさんじょう)に密告する。

夜が更け、顧千帆(こせんはん)が約束通りに現れる。彼はまず深いキスで沈黙を破り、その後、家族が彼のために決めた縁談について打ち明ける。しかし、彼はすでに皇城司に入り、その縁談は消滅した。しかも、相手には会ったこともなく、感情的なしがらみもないという。

趙盼児(ちょうふんじ)はそれを聞いて安心し、心を開いて、入籍から歐陽旭(おうようきょく)との出会い、そして現在に至るまでのすべてを包み隠さず語る。二人は月光の下で抱き合い、顧千帆(こせんはん)は大切にしまっていた簪を取り出し、長年想いを寄せていたことを明かす。ついに結ばれた二人は、愛がさらに深まる。

2. それぞれの音色

翌日、宋引章(そういんしょう) は琵琶を持って約束の場所に赴く。彼女は曲が終わったらすぐに帰るつもりで、沈如琢(しんじょたく)との関係を深めるつもりはなかった。しかし、沈如琢(しんじょたく)は上等な香りと孤月琵琶を用意し、静かに演奏するように誘う。二人は琴瑟和鳴し、その様子は池蟠(ちはん)の目に留まる。彼は、沈如琢(しんじょたく)が最終的に宋引章(そういんしょう) の心を傷つけるだろうと内心で企む。一方、張好好(ちょうこうこう)は趙盼児(ちょうふんじ)に沈如琢(しんじょたく)の企みを警戒するように伝えようとする。

3. 深まる愛と秘密

趙盼児(ちょうふんじ)と顧千帆(こせんはん)の愛は日増しに深まり、密会も頻繁に行われるようになる。顧千帆(こせんはん)は雷敬事件が解決したら盛大な結婚式を挙げ、一族の長老に司式を頼むつもりだ。しかし、宋引章(そういんしょう) が教坊に出入りしていることを考慮して、趙盼児(ちょうふんじ)には秘密にするように頼む。

孫三娘(そんさんじょう)は这一切を見守り、趙盼児(ちょうふんじ)の幸せを喜ぶ一方で、寂しさも感じていた。趙盼児(ちょうふんじ)が部屋に戻ると、彼女は一人寂しく涙を流す。

4. 予期せぬ出会い

高慧(こうけい)は桂花香会に赴いて趙盼児(ちょうふんじ)の真意を探ろうとするが、突然月経になり、腹痛に耐えられなくなる。そこに趙盼児(ちょうふんじ)が現れ、彼女を部屋に案内して休ませ、紅糖姜湯を作って痛みを和らげる。高慧(こうけい)は礼を言って去るが、高鵠(こうこく)は彼女の行動を知り、歐陽旭(おうようきょく)からの離縁状が届くまでは外出禁止を命じる。高慧(こうけい)が趙盼児(ちょうふんじ)の服を着ているのを見た高鵠(こうこく)は激怒し、彼女を軟禁する。

5. 帽妖の脅威

陳廉(ちんれん)は趙盼児(ちょうふんじ)を探すが、葛招娣(かつしょうてい)と衝突してしまう。孫三娘(そんさんじょう)が仲裁に入り、葛招娣(かつしょうてい)に半遮面に戻って手伝うように指示する。

5月になると、街では帽妖の噂が流れる。帽妖は帽子のような形をしていて、夜に人の家に侵入してオオカミに変身するという。人々は恐怖に怯える。6月乙巳、帽妖が都に現れ、負傷者が続出する。全城戒厳となり、官は捜査と祭祀を行い、平穏を祈るが、帽妖は収まらず、かえって激化する。皇城司が介入せざるを得なくなり、顧千帆(こせんはん)が捕縛のために待ち伏せをする。

街では人々が恐怖に駆られて逃げ惑い、葛招娣(かつしょうてい)は転倒してしまう。陳廉(ちんれん)が彼女を助け、帽妖を追跡する。顧千帆(こせんはん)も勇敢に戦うが、負傷して帰還する。葛招娣(かつしょうてい)がそのことを報告すると、趙盼児(ちょうふんじ)は表面上は落ち着いているが、内心は焦燥に駆られる。

孫三娘(そんさんじょう)は彼女の気持ちを察し、宋引章(そういんしょう) と葛招娣(かつしょうてい)を外出させて、趙盼児(ちょうふんじ)が様子を見に行く機会を作る。途中で、趙盼児(ちょうふんじ)は無事に帰ってきた顧千帆(こせんはん)と偶然出会う。彼女は胸をなでおろす。顧千帆(こせんはん)が疲れているのを見て、休むように勧めるが、趙盼児(ちょうふんじ)は自分で料理を作る。しかし、顧千帆(こせんはん)はすでに疲れて眠ってしまった。

6. 夢の中の過去

夢の中で、顧千帆(こせんはん)は過去を振り返る。母が蕭家を出奔し、父が息子を探し、自分が清流と奸相の争いに巻き込まれたことなど、苦悩に満ちた日々だった。

目が覚めると、趙盼児(ちょうふんじ)が温かいスープを差し出す。彼はそれを飲みながら朝廷の情勢を語り、帽妖は人々の心の悪意によるものであり、実際には後党が火薬を使って人々を襲い、恐怖を煽っているのだと指摘する。

朝廷は勢力が分かれており、官は病弱で、幼い升王はまだ監国することができないため、皇后が奏章を代読している。これには老臣たちが不満を持ち、皇后が武周にならおうとしているという噂まで流れている。二人は温かい雰囲気の中で時事について語り合い、愛はさらに深まる。

第19話の感想

第19話は、趙盼児(ちょうふんじ)と顧千帆(こせんはん)の愛が大きく進展する重要な回でした。二人は互いの過去を打ち明け、心を通わせ、ついに結ばれます。しかし、彼らの幸せは長くは続かず、帽妖事件という新たな脅威が立ちはだかります。

趙盼児(ちょうふんじ)と顧千帆(こせんはん)の恋愛模様は、本作の見どころの一つです。二人は互いを深く理解し、尊重し合っています。特に、趙盼児(ちょうふんじ)が顧千帆(こせんはん)の過去を受け入れるシーンは感動的でした。また、顧千帆(こせんはん)が趙盼児(ちょうふんじ)のために盛大な結婚式を挙げようとするなど、二人の愛は本物であることが伝わってきます。

一方、帽妖事件は物語に緊張感を与えます。帽妖の正体は謎に包まれており、今後の展開が気になります。また、この事件は趙盼児(ちょうふんじ)と顧千帆(こせんはん)の関係にも影響を与えそうです。

つづく