夢華録 第27話 あらすじ/ネタバレ

顧千帆(こせんはん)が皇城司の司使に就任

幾多の困難を乗り越えた顧千帆(こせんはん)は、ついに皇城司の五品司使に就任し、雷敬に代わって金碧辉煌の大殿に足を踏み入れた。複雑な思いが胸に去来する中、陳廉(ちんれん)が彼の整った衣装をからかい、それが趙盼児(ちょうふんじ)の手によるものだとほのめかす。顧千帆(こせんはん)は彼を睨みつけるが、口元には思わず笑みが浮かぶ。

公務を処理する中で、顧千帆(こせんはん)は趙盼児(ちょうふんじ)の父親が郷民を救ったことで罪に問われた記録を発見する。これにより、趙盼児(ちょうふんじ)が皇城司に対して複雑な感情を抱いている理由を理解し、彼女への思いをさらに強くする。

歐陽旭(おうようきょく)の転落

一方、西京(せいけい)に逃げ延びた歐陽旭(おうようきょく)は、頼るべき人物もなく、抱一仙師の甥に身を寄せることになる。尊厳を完全に失った彼の姿を見た老相柯は落胆し、師弟の関係を絶ち、全ての信物を返還して去っていく。

酒楼の準備

顧千帆(こせんはん)が政務に追われる中、陳廉(ちんれん)は彼の代わりに茶坊を訪れ、視力が回復しつつある杜長風(とちょうふう)と出会う。望月楼の老板は資金難に陥っており、東楼の雅間を趙盼児(ちょうふんじ)に売却し、権利書を届ける。孫三娘(そんさんじょう)への恩返しのため、杜長風(とちょうふう)は契約書の確認を申し出る。そこには5日以内に残金を支払う必要があることが記されており、彼はリスクを懸念するが、趙盼児(ちょうふんじ)は皇城司を後ろ盾に自信満々だ。

酒楼の開店には巨額の資金が必要であり、杜長風(とちょうふう)は当初不安を覚える。しかし、趙盼児(ちょうふんじ)と顧千帆(こせんはん)の婚約を知ると、彼は安心する。孫三娘(そんさんじょう)は杜長風(とちょうふう)の乱れた服装を見て、新しい衣服を選ぶのに付き合うことを提案し、杜長風(とちょうふう)は快諾する。彼はかつて婚約していたが、結婚には至らなかった過去を明かし、孫三娘(そんさんじょう)に告白する。しかし、孫三娘(そんさんじょう)は準備ができていないとして、彼の申し出をやんわりと断る。

陳廉(ちんれん)は顧千帆(こせんはん)に趙盼児(ちょうふんじ)の近況を伝え、訪問ができていないことを指摘する。顧千帆(こせんはん)は趙盼児(ちょうふんじ)の父親の事件の調査に心苦しみを感じ、まずは陳廉(ちんれん)に200貫を届けて緊急事態をしのぎ、残金については改めて相談することを決める。

北使の来訪

北使の郡王耶律宗盛が来訪し、顧千帆(こせんはん)は接待を任される。多忙な日々が続く中、陳廉(ちんれん)は趙盼児(ちょうふんじ)に顧千帆(こせんはん)の忙しさを説明し、彼が後に訪れることを約束する。趙盼児(ちょうふんじ)は顧千帆(こせんはん)への信頼を揺るがず、酒楼の準備を続けることを決意する。

孫三娘(そんさんじょう)は杜長風(とちょうふう)と一緒に買い物に行き、非凡な値切り能力を発揮する。杜長風(とちょうふう)は再び告白するが、孫三娘(そんさんじょう)はまだ明確な返事をしない。陳廉(ちんれん)は葛招娣(かつしょうてい)に贈り物をするが、葛母の暴力的な干渉に遭い、葛招娣(かつしょうてい)は憤慨して贈り物を拒否する。陳廉(ちんれん)は仕方なく立ち去る。

趙盼児(ちょうふんじ)は葛母の性格を見抜き、孫三娘(そんさんじょう)と協力して、玉観音を口実に葛招娣(かつしょうてい)に借金を要求する。葛母の横暴さを利用して葛招娣(かつしょうてい)の無念さを際立たせ、最終的に葛母を恥じ入らせて、その威勢をくじくことに成功する。

第27話感想

第27話は、ストーリー展開が大きく動き、登場人物の心情変化が描かれた見応えのある回でした。

まず、顧千帆(こせんはん)が皇城司の司使に就任したことで、物語は新たな局面を迎えます。彼の複雑な表情や、趙盼児(ちょうふんじ)の父親の事件への思いなど、心の内側が垣間見えるシーンが印象的でした。

一方、歐陽旭(おうようきょく)の転落ぶりは見ていて辛くなるほどです。老相柯との師弟関係の断絶は、彼のプライドを徹底的に打ち砕いたと言えるでしょう。

酒楼の準備に奔走する趙盼児(ちょうふんじ)や、彼女を支える杜長風(とちょうふう)と孫三娘(そんさんじょう)の姿は、困難に立ち向かう女性たちの強さを感じさせます。特に、孫三娘(そんさんじょう)の値切り能力や、葛招娣(かつしょうてい)に対する策略は痛快でした。

陳廉(ちんれん)の葛招娣(かつしょうてい)への贈り物失敗は、コミカルな要素として物語に彩りを添えていました。

つづく