夢華録(むかろく) 第29話 あらすじ/ネタバレ

負傷帰還、衝撃の真実

重傷を負った顧千帆(こせんはん)は、趙盼児(ちょうふんじ)に会う間もなく東京へ急ぎ戻った。しかし、そこで待ち受けていたのは蕭謂(しょうい)だった。蕭謂(しょうい)から、父?蕭欽言が趙父を弾劾し、趙家が没落、趙盼児(ちょうふんじ)が楽籍に落とされたという残酷な真実を聞かされる。さらに、蕭欽言は顧千帆(こせんはん)と趙盼児(ちょうふんじ)の結婚を絶対に認めず、趙父の事件を故意に目立つ場所に置いて顧千帆(こせんはん)を誘導し、罠を仕掛けたことを告げられる。

この言葉は、顧千帆(こせんはん)の心に冷たい氷を突き刺した。蕭欽言の策略の深さに気づき、家族間の確執が彼と趙盼児(ちょうふんじ)の間に横たわる大きな壁であることを悟る。蕭謂(しょうい)の警告は警鐘のように鳴り響き、蕭欽言のような人間は利益しか眼中になく、感情は利用するための道具に過ぎないと悟る。

負傷に加え、精神的なショックを受けた顧千帆(こせんはん)は、怒りとともに血を吐いて倒れてしまう。皇城司は緊急に太医を呼び、事態の拡大を防ぐために情報を厳重に封鎖する。一方、顧千帆(こせんはん)の帰りを待ちわびる趙盼児(ちょうふんじ)は、不安を募らせるばかりだった。

宋引章(そういんしょう) の焦燥、歐陽旭(おうようきょく)の屈辱

沈府に入居した宋引章(そういんしょう) は、物質的な豊かさを得たものの、正式な名分を得られずにいた。沈如琢(しんじょたく)は婚約を先延ばしにし、宋引章(そういんしょう) が良家に籍を移すことを条件に結婚を認めるという。宋引章(そういんしょう) は脱籍の難しさを知り、沈如琢(しんじょたく)の提案を受け入れ、社交界に出入りして朝臣との関係を築くことにする。

一方、夜宴図の秘密を知った歐陽旭(おうようきょく)は、齊牧に投靠しようと決意する。齊牧は、歐陽旭(おうようきょく)が高家との婚約があることを疑い、忠誠心を確かめる。歐陽旭(おうようきょく)は自尊心を捨て、土を食べて忠誠を誓い、齊牧の信頼を得る。齊牧は、抱一仙師を脅迫して冊封を受け入れるよう命じる。目的は達成したものの、歐陽旭(おうようきょく)は尊厳を失ったことに絶望し、自身を「走狗」と嘲笑する。

絶望の淵から希望へ

茶坊の尾款支払期限が迫り、顧千帆(こせんはん)は戻らない。趙盼児(ちょうふんじ)と孫三娘(そんさんじょう)は、600貫という巨額の借金に直面する。絶望的な状況の中、趙盼児(ちょうふんじ)は望月楼の老板に支払期限の延長を懇願するが、拒否されてしまう。さらに、契約書に潜む罠に陥ってしまう。杜長風(とちょうふう)は自分の責任を感じ、家を売って助けようとするが、趙盼児(ちょうふんじ)はそれを断る。

追い詰められた趙盼児(ちょうふんじ)は、池蟠(ちはん)に助けを求める。池蟠(ちはん)は趙盼児(ちょうふんじ)をからかうが、彼女の熱意に押され、300貫を貸すことを承諾する。しかし、火珊瑚の簪を抵当に要求し、趙盼児(ちょうふんじ)を挑発する。趙盼児(ちょうふんじ)は怒り、池蟠(ちはん)を平手打ちする。涙を流しながら簪を洗い、屈辱と不屈の思いが交錯する。しかし、彼女はすぐに気持ちを切り替え、希望と夢を守るために、再び立ち上がる。

第29話感想

第29話は、衝撃の事実と絶望、そして希望が交錯するドラマチックな展開でした。顧千帆(こせんはん)の負傷と蕭謂(しょうい)からの衝撃的な告白は、彼と趙盼児(ちょうふんじ)の愛の行く末に暗い影を落としました。家族の確執という大きな壁が立ちはだかり、彼らの未来は不透明です。

一方、宋引章(そういんしょう) は沈家での生活に葛藤を抱えています。正式な名分を得られない焦燥感と、沈如琢(しんじょたく)からの脱籍要求に苦悩する姿が描かれました。歐陽旭(おうようきょく)は齊牧に投靠し、尊厳を捨てて忠誠を誓う姿が哀れでした。

絶望の淵に立たされた趙盼児(ちょうふんじ)は、池蟠(ちはん)に助けを求めます。屈辱的な条件を突きつけられながらも、彼女は希望を諦めず、立ち上がります。このシーンは、彼女の強さと不屈の精神を象徴しています。

つづく