夢華録(むかろく)第3話 あらすじ/ネタバレ

孫三娘(そんさんじょう)は流木につかまり九死に一生を得る。顧千帆(こせんはん)は素早く行動し、彼女をロープで救い上げる。しかし、その姿は鄭(てい)爺の警戒を招く。顧千帆(こせんはん)の容姿が、指名手配の男に似ていたのだ。鄭(てい)爺は江湖の義理を重んじるものの、罪人を匿えば重罪になることも承知している。

趙盼児(ちょうふんじ)は冷静に対処し、巧妙に嘘をついて顧千帆(こせんはん)を蕭相府の大公子だと偽り、二人は深い仲であり、彭城郡王の甥からの強引な結婚を避けるために駆け落ちしてきたと説明する。さらに、自分が妊娠していると嘘をつき、鄭(てい)爺の疑念を払拭する。顧千帆(こせんはん)は、冗談交じりに感心しながらも、趙盼児(ちょうふんじ)の機転に感心する。

孫三娘(そんさんじょう)は目を覚まし、自分の身に起こったことを詳しく話す。夫の傅新貴と陶氏の不倫現場を目撃したことで逆に濡れ衣を着せられ、最終的に離縁を余儀なくされ、絶望のあまり川に身を投げたのだ。顧千帆(こせんはん)は彼女の激昂を防ぐため、彼女を落ち着かせて眠らせる。

趙盼児(ちょうふんじ)は県城へ医者を探しに行くが、その途中で鄭青田(てい・せいてん)が官府の力を借りて顧千帆(こせんはん)を排除しようとし、江南の官僚に多額の賄賂を贈っていることを知る。

嘉興(かこう)に到着した3人は、孫三娘(そんさんじょう)を治療するために医館を探す。しかし、医館には思わぬ罠が仕掛けられており、顧千帆(こせんはん)は追っ手と一人で戦うことを余儀なくされる。趙盼児(ちょうふんじ)は引き返し、危機一髪のところで顧千帆(こせんはん)を救出する。

孫三娘(そんさんじょう)は目を覚ますが、顧千帆(こせんはん)の正体を知らずに怯える。趙盼児(ちょうふんじ)の説明を受け、ようやく理解する。実は、医者は病気を誇張して金儲けをしようとしていたのだ。顧千帆(こせんはん)は、趙盼児(ちょうふんじ)を心配させないように、彼女を避けて孫三娘(そんさんじょう)に鍼灸治療を施していた。

顧千帆(こせんはん)は、本当の脅威は鄭青田(てい・せいてん)であり、彼の勢力は多くの官府に浸透していると趙盼児(ちょうふんじ)に明かす。趙盼児(ちょうふんじ)が信頼できると確信した顧千帆(こせんはん)は、自分の対処計画を彼女に打ち明ける。

一方、周舍(しゅうしゃ)は華亭(かてい)県で悪事を働き、借金の返済を迫るあまり宋引章(そういんしょう) を監禁してしまう。趙盼児(ちょうふんじ)と顧千帆(こせんはん)は、宋引章(そういんしょう) の侍女である銀瓶と偶然出会い、宋引章(そういんしょう) の悲惨な状況を知り、手を差し伸べることにする。趙盼児(ちょうふんじ)は顧千帆(こせんはん)に助けを求め、夜宴図の真筆と引き換えに、宋引章(そういんしょう) を救うために10両の金塊を借りたいと申し出る。顧千帆(こせんはん)は最初は躊躇するものの、趙盼児(ちょうふんじ)の決意に心を動かされ、協力することに同意する。

その夜、趙盼児(ちょうふんじ)と顧千帆(こせんはん)は宋引章(そういんしょう) 救出作戦を練り、仲間を苦境から救い出すことを誓う。二人は道のりの険しさを知りながら、正義を貫き、決して諦めない決意を固める。計画が着々と進むにつれ、忠誠心、勇気、知恵を巡る戦いが静かに始まろうとしていた。彼らの行動は、運命を変える鍵となる。

第3話の感想

第3話は、緊迫感と感動が交錯する見応えのある内容でした。冒頭から孫三娘(そんさんじょう)の危機的な状況が描かれ、ハラハラさせられる展開が続きます。趙盼児(ちょうふんじ)の機転と顧千帆(こせんはん)の行動力によってなんとか危機を脱しますが、その後も波乱は続きます。

特に印象に残ったのは、趙盼児(ちょうふんじ)が顧千帆(こせんはん)の正体を明かし、鄭(てい)爺の疑念を払拭するシーンです。趙盼児(ちょうふんじ)の咄嗟の機転と巧みな話術に、彼女の頭の回転の速さと機転の良さが感じられました。また、顧千帆(こせんはん)が孫三娘(そんさんじょう)のために針灸治療をするシーンは、彼の優しさと気遣いが伝わってきて、好感が持てました。

一方で、周舍(しゅうしゃ)の悪行は許しがたいものでした。宋引章(そういんしょう) を監禁し、借金の返済を迫る姿は、人間の醜さを露呈しています。しかし、趙盼児(ちょうふんじ)と顧千帆(こせんはん)が宋引章(そういんしょう) を救うために立ち上がる姿は、希望を感じさせました。

つづく