夢華録(夢華録) 第35話 あらすじ/ネタバレ

顧千帆(こせんはん)の告白と趙盼児(ちょうふんじ)の心境

顧千帆(こせんはん)は趙盼児(ちょうふんじ)に過去の苦境と遅刻の理由を説明しようとするが、趙盼児(ちょうふんじ)の心にはすでにわだかまりが生じていた。彼女は顧千帆(こせんはん)が一度は婚約を破棄し、困難を共に乗り越えようとはせず、逃げる道を選んだと考えていた。この行動は、彼女にとって歐陽旭(おうようきょく)よりも許しがたいものであり、心を寒くさせた。

言葉を発した直後、池蟠(ちはん)が趙盼児(ちょうふんじ)を連れ去り、顧千帆(こせんはん)は橋の上で呆然と見送るしかなかった。池蟠(ちはん)は趙盼児(ちょうふんじ)の憂いを晴らそうと、彼女を灯や花火の見物、東京の美食の試食に連れ出した。

夜、二人は高楼で酒を酌み交わし、趙盼児(ちょうふんじ)は三回連続でじゃんけんで勝ち、気分が少し和らいだ。池蟠(ちはん)が想いを伝えようとした瞬間、趙盼児(ちょうふんじ)は風月場で培った経験から彼の意図を察し、率直に言葉にした。池蟠(ちはん)の告白は口に出せずに泡となり、気まずい雰囲気になった。

宮廷の陰謀と複雑な人間関係

一方、宮廷では蘇合郁金酒が皇帝ではなく皇后に届けられた。皇后は雷を恐れていたためだ。池蟠(ちはん)と趙盼児(ちょうふんじ)の賭けは、再び池蟠(ちはん)の負けとなり、趙盼児(ちょうふんじ)は木偶で慰めた後、顧千帆(こせんはん)のことを尋ねた。池蟠(ちはん)は顧千帆(こせんはん)と蕭欽言の複雑な家系について語った。顧淑娘と蕭欽言は密かに結婚し、その後子供を連れて京に上った。これが顧家の騒動を引き起こし、顧淑娘は姑として身を隠した。母子であることは事実だが、顧老爺には認められなかった。

趙盼児(ちょうふんじ)は池蟠(ちはん)に秘密を守るよう頼んだ。家に帰ると、門の外に黄花が咲いており、顧千帆(こせんはん)が訪ねてきたことを知った。悲しみを堪えて踏み越えた。夜、宋引章(そういんしょう) が窓を閉めようとしたとき、誤って茶器に触れてしまった。趙盼児(ちょうふんじ)は銅鏡に映る銀票を見つけ、顧千帆(こせんはん)が資金を調達するために家を売ったことを知った。

永安楼での事件と朝廷の動き

永安楼では、再び子供がお菓子を盗む事件が発生した。池蟠(ちはん)は怒って子供を捕まえようとするが、孫三娘(そんさんじょう)はそれが傅子方であることに気づき、母性が溢れ出して抱きしめた。

一方、歐陽旭(おうようきょく)は宮中からの知らせがないことに不安を感じ、御医が欠席していることを知り、事態がおかしいと感じる。雷敬は皇帝に趙盼児(ちょうふんじ)の言葉を伝え、帽妖事件と夜宴図の背後に別の目的があると指摘し、朝政を混乱させようとしていると告げた。皇帝は深く考え、雷敬の言葉に納得した。雷敬はこれを機に皇后の地位を固め、蕭欽言に接近して手を組もうとした。

蕭欽言は皇后の復位を喜び、清流を倒すチャンスと考えた。高鵠(こうこく)は歐陽旭(おうようきょく)の欺瞞行為に怒りを募らせていたが、肚兜のことで彼に弱みを握られていた。歐陽旭(おうようきょく)は街で自分の名前が刺繍された肚兜が売られているのを見て、威力が失われることを悟り、高慧(こうけい)に会い婚約を解消しようとするが、冷たくあしらわれた。

これらの事件は、個人の感情の葛藤だけでなく、朝廷にも波紋を広げ、各勢力が暗躍する。権力、忠誠、愛をめぐる戦いが静かに始まった。

第35話感想

第35話は、物語が大きく動き出す重要な回でした。顧千帆(こせんはん)と趙盼児(ちょうふんじ)の間にわだかまりが生じ、池蟠(ちはん)と趙盼児(ちょうふんじ)の距離が縮まるなど、複雑な人間関係が描かれました。また、宮廷では皇后の復位や帽妖事件の真相が明らかになり、朝廷の権力争いが激化しました。

特に印象的だったのは、顧千帆(こせんはん)の告白シーンです。彼は趙盼児(ちょうふんじ)に過去の苦境を打ち明けようとしますが、趙盼児(ちょうふんじ)は彼の言葉を信じることができず、心を閉ざしてしまいます。二人の間に深い溝ができてしまったことが、とても切なかったです。

一方、池蟠(ちはん)は趙盼児(ちょうふんじ)を大切に想っていることが伝わってきました。彼は趙盼児(ちょうふんじ)の憂いを晴らそうと様々な努力をし、彼女に笑顔を取り戻させようとします。二人の関係が今後どのように発展していくのか、気になります。

また、宮廷では権力争いが激化し、各勢力が暗躍する様子が描かれました。皇后の復位や帽妖事件の真相が明らかになったことで、朝廷のバランスが崩れ、新たな戦いが始まろうとしています。

つづく