夢華録第9話 あらすじ/ネタバレ

鄭青田(てい・せいてん)事件の行方

鄭青田(てい・せいてん)事件の書類は山積みとなり、皇城司が徹底的に調査を進めている。証拠が固まれば地方官府に引き渡される予定で、彼らの帰京が近づいていた。しかし、顧千帆(こせんはん)は簪の持ち主である趙盼児(ちょうふんじ)の消息がつかめず、心を痛めていた。

官場の駆け引き

官場では真偽が入り混じり、杜長風(とちょうふう)の「十三少」という言葉は池蟠(ちはん)の不快を買ってしまった。池蟠(ちはん)は官職も軍務も思うようにいかず、財産だけが頼りだったため、それが束縛にもなっていた。彼は何四(かし)と趙盼児(ちょうふんじ)が交流があることを聞きつけ、怒りを募らせて趙盼児(ちょうふんじ)に難癖をつけようと企む。

三元客棧での騒動

何四(かし)たちは趙盼児(ちょうふんじ)の住居の外で口号を叫び、池蟠(ちはん)が現れると趙盼児(ちょうふんじ)の身元を調べ上げ、懲らしめようとする。屋内の歐陽旭(おうようきょく)は焦り、外に出ようとするが、徳叔に止められる。歐陽旭(おうようきょく)は徳叔の勝手な行動に不満を爆発させ、忠僕ではなく主人面をしていると非難する。騒ぎが収まると、歐陽旭(おうようきょく)は直筆の手紙を書いて徳叔に裏口から届けさせ、事態の収拾を図る。

池蟠(ちはん)の横暴

趙盼児(ちょうふんじ)に手出しできなかった池蟠(ちはん)は三元客棧を訪れ、宋引章(そういんしょう) の琵琶の音色に魅了される。彼は軽薄な態度で琵琶を奪おうとし、争いになる。宋引章(そういんしょう) は誤って池蟠(ちはん)を傷つけ、逃げ出す。池蟠(ちはん)はしつこく宋引章(そういんしょう) を捕まえようとするが、趙盼児(ちょうふんじ)と孫三娘(そんさんじょう)が立ちふさがり、池蟠(ちはん)の悪行を列挙する。しかし、池蟠(ちはん)は開き直り、宋引章(そういんしょう) に曲で償うよう要求し、断れば東京で生活できなくすると脅迫する。

文武三関の賭け

趙盼児(ちょうふんじ)は脅しに屈せず、文武三関の賭けを提案する。池蟠(ちはん)は受けて立つ。第一関の詩の対句は、池蟠(ちはん)は粗野ながらもなんとかクリア。第二関の包丁さばきは、孫三娘(そんさんじょう)の技が光り、引き分けとなる。第三関のサイコロは、趙盼児(ちょうふんじ)が巧妙にイカサマをして辛勝する。池蟠(ちはん)は渋々負けを認め、約束通り手下たちに口号を叫ばせ、自分は土地廟で泣き崩れる。趙盼児(ちょうふんじ)は姉妹たちと勝利を祝うが、顧千帆(こせんはん)のことを思い、王記鉄鋪を訪ねるも、彼は戻っていなかった。

宋引章(そういんしょう) の苦悩

宋引章(そういんしょう) は趙盼児(ちょうふんじ)が自分の籍を抜くために奔走していることを知り、申し訳なさでいっぱいになる。孫三娘(そんさんじょう)は真実を伝え、歐陽旭(おうようきょく)の本性を見抜いて幻想を抱かないように諭す。

顧千帆(こせんはん)の過去

顧千帆(こせんはん)と陳廉(ちんれん)は杭州(こうしゅう)の趙(ちょう)氏茶坊に戻る。建物は荒れ果てていたが、二人は思い出に浸る。陳廉(ちんれん)は蕭家を称賛するが、顧千帆(こせんはん)は蕭欽言とは道が違い、窮地に陥ったため仕方なく頼っただけだと否定する。陳廉(ちんれん)は顧千帆(こせんはん)の心を見抜き、忠誠を誓うと共に蕭家の悪事を暴露する。顧千帆(こせんはん)は重い気持ちで一人考え込む。陳廉(ちんれん)はそれを察して静かに去る。

第9話 感想

第9話は、趙盼児(ちょうふんじ)、宋引章(そういんしょう) 、孫三娘(そんさんじょう)の三姉妹が池蟠(ちはん)の横暴に立ち向かう姿が描かれた回でした。池蟠(ちはん)は、権力を笠に着て、三姉妹を執拗に追い詰めようとします。しかし、三姉妹は、知恵と勇気、そして仲間の絆を武器に、池蟠(ちはん)に勝利します。

特に印象的だったのは、趙盼児(ちょうふんじ)が池蟠(ちはん)に提案した「文武三関の賭け」です。これは、詩の対句、包丁さばき、サイコロの3つの勝負で勝敗を決めるというもので、三姉妹それぞれの得意分野を生かしたものでした。趙盼児(ちょうふんじ)は、巧みな話術で池蟠(ちはん)を挑発し、賭けに持ち込むことに成功します。そして、三姉妹は、それぞれの得意分野で池蟠(ちはん)を圧倒し、見事勝利を収めます。

この回は、三姉妹の強さと絆が描かれただけでなく、池蟠(ちはん)の横暴さや、官場の駆け引きなど、様々な人間模様が描かれていました。また、顧千帆(こせんはん)と陳廉(ちんれん)の過去も少し明らかになり、今後の展開がますます気になります。

つづく