有翡(ゆうひ) -Legend of Love- 第13話 あらすじ/ネタバレ

古老な斉門(さいもん)の八卦(はっけ)陣

斉門(さいもん)の奥深くに位置する道観の残垣断壁には、八卦(はっけ)陣の玄妙な変化が隠されている。初めて足を踏み入れた衝霄子(しょうしょうし)は、内息が乱れて吐血してしまう。封無言の追撃が迫る中、衝霄子(しょうしょうし)は李晟(りせい)と共に深い陣法の知識を駆使して巧みに逃げ延びる。

八卦(はっけ)陣の伝承

逃亡の最中、衝霄子(しょうしょうし)は八卦(はっけ)陣の精髄を李晟(りせい)に伝授する。封無言は、父がなぜ自分ではなく衝霄子(しょうしょうし)をここまで贔屓するのか、そして自分が陣法を習得できずこの複雑な陣に閉じ込められているのか、怒りと疑問に苛まれる。

衝霄子(しょうしょうし)は、斉門(さいもん)の絶学を絶やさないために李晟(りせい)を後継者として選んだが、門戸を改めるよう強要することはなかった。その度量と気高さは、李晟(りせい)の心を打つ。李晟(りせい)はもともと八卦(はっけ)陣に精通しており、天性の才能と悟性の高さで、衝霄子の指導のもと迷踪林の難関を突破する。

三春客舎の攻防

一方、三春客舎では聞煜の軍隊が厳戒態勢を敷いていた。一見平穏に見える状況だが、謝允(しゃいん)は罪のない人々を守るために留まることを選ぶ。彼は束縛される世界よりも、自由気ままな江湖を漂うことを望んでいた。

周翡(しゅうひ)は呉楚楚(ごそそ)から、謝允(しゃいん)の正体が前朝の遺孤?蕭川(しょうせん)であることを知る。幼い頃から苦難を経験してきた彼は、貴人の助けによって生き延びた。しかし、運命は彼に試練を与え続ける。人質となり、国破れて家亡び、忠臣?王麟(おうりん)の擁立も叶わなかった。

周翡(しゅうひ)は謝允(しゃいん)の過去に特別な感情を抱かず、あくまで知己の友人として接する。その淡白さは、戸の外で盗み聞きをしていた謝允(しゃいん)の心を温め、彼女と共に歩む決意をさらに固める。

周翡(しゅうひ)の説得にもかかわらず、謝允(しゃいん)の心には言いようのない悲しみと孤独が渦巻いていた。彼は家という概念を持ったことがなく、今この瞬間の温かさを手放したくなかった。

青龍(せいりゅう)主の登場と衝突

その矢先、青龍(せいりゅう)主?鄭羅生(ていらせい)の登場で平静が破られる。彼は威圧的な態度ながらも聞煜との交渉では自制心を保ち、双方とも敵対することを避ける。しかし、周翡(しゅうひ)と呉楚楚(ごそそ)の姿を見た鄭羅生(ていらせい)は私情から方針を変更し、衝突は避けられない状況となる。

混戦の中、周翡(しゅうひ)と謝允(しゃいん)は花正隆(かしょうりゅう)との約束の場所へ向かうが、呉楚楚(ごそそ)が殷沛(いんはい)に捕らわれていることを知る。謝允(しゃいん)は親しげに「阿沛」と呼びかけるが、周囲を驚かせる。しかし、彼は機転を利かせてその場を収める。周翡(しゅうひ)は武功の低い殷沛(いんはい)をすぐに制圧し、紀雲沉(きうんちん)の嘆願によって殷沛(いんはい)と紀雲沉(きうんちん)の複雑な因縁が明らかになる。殷沛(いんはい)が紀雲沉(きうんちん)を恨む理由は、紀雲沉(きうんちん)が間接的に殷家(いんけ)の山川(さんせん)剣法の失伝と殷聞嵐(いんぶんらん)(いんぶんらん)の死を招いたことだった。

逃亡と犠牲

鄭羅生(ていらせい)の追跡を逃れるため、一行は地下道を通って逃げることにする。密道の中で周翡(しゅうひ)たちは先導し、殷沛(いんはい)は過去の真相を語る。花正隆(かしょうりゅう)の延命薬は、本来殷沛(いんはい)のために用意されていた伐経洗髄丹だったのだ。すべては綿密に計画された罠だった。

真相を知った花正隆(かしょうりゅう)は激昂するが、密道の仕掛けを破壊して時間を稼ぐために自らを犠牲にする。密道から出ると、谷倉は花正隆(かしょうりゅう)の決死の行動によって瓦礫の山と化し、彼の生死は不明となる。聞煜と鄭羅生(ていらせい)の対峙は続くが、鄭羅生(ていらせい)は訓練されたネズミを使って一行を追跡せざるを得ず、逃走は困難を極める。しかし、この危機的な状況の中で、周翡(しゅうひ)たちは互いへの信頼と絆を深め、未知の挑戦に立ち向かう。

第13話の感想

第13話は、緊張感と感動が入り混じった素晴らしいエピソードでした。八卦陣の奥深さや、衝霄子の後継者選びなど、斉門(さいもん)の秘密が明かされるにつれて、物語はますます深みを増していきます。

李晟の成長も印象的でした。彼の天性の才能と悟性は、衝霄子の指導によってさらに開花し、迷踪林の難関を突破する姿は爽快感がありました。

一方、三春客舎では、謝允(しゃいん)の過去が明らかになり、彼の孤独と悲しみが伝わってきました。周翡(しゅうひ)の淡白な態度が、かえって謝允(しゃいん)の心を温めたという描写は、二人の関係の深さを物語っていると思います。

青龍(せいりゅう)主・鄭羅生の登場は、物語に新たな緊張感をもたらしました。彼の私情が絡んだことで、周翡(しゅうひ)たちと衝突は避けられなくなりましたが、殷沛(いんはい)と紀雲沉(きうんちん)の因縁も明らかになり、物語はさらに複雑さを増しています。

花正隆(かしょうりゅう)の自決は、このエピソードのハイライトでした。彼の決意と犠牲は、周翡たちに大きな影響を与えたと思います。

つづく