有翡(ゆうひ) -Legend of Love- 第15話 あらすじ/ネタバレ
殷沛(いんはい)の恨意と枯栄手(こえいしゅ)の記録
殷沛(いんはい)は紀雲沉(きうんちん)に長年育てられたにもかかわらず、恩を仇で返すような態度を取る。周翡(しゅうひ)はそんな彼と二人きりになることを避け、謝允(しゃいん)が様子を探っている間に、吳楚楚(ごそそ)と一緒に枯栄手(こえいしゅ)の研究を始める。
江湖の武学が失われつつあることを嘆く吳楚楚(ごそそ)は、驚異的な記憶力を使って枯栄手(こえいしゅ)を武術典籍として記録することを提案する。これにより、周翡(しゅうひ)の研究に役立てるだけでなく、武術の失伝を防ぐこともできる。二人の会話を聞いていた紀雲沉(きうんちん)は、何か考え込む様子を見せる。
衡山密道の罠と鄭羅生(ていらせい)の策略
複雑な構造と仕掛けが施された衡山密道は、迷い込んだ者を容易に罠に陥れる。鄭羅生(ていらせい)は密道の入り口を塞がずに、敵をおびき寄せることを狙っていた。
周翡(しゅうひ)たちは密道に閉じ込められ、謝允(しゃいん)も探検に出かけたものの、危うく戻れなくなる事態に陥る。鄭羅生(ていらせい)は青龍(せいりゅう)門の弟子たちと共に山を一日中探し回り、夜になってようやく入り口を発見する。しかし、密道は入りやすいが、出るのは難しい。鄭羅生(ていらせい)は鑼を鳴らして周翡(しゅうひ)たちを混乱させようとするが、その企みは謝允(しゃいん)に見破られてしまう。
殷沛(いんはい)の正体と鄭羅生(ていらせい)の誤算
鄭羅生は、自分が長年育ててきた殷沛(いんはい)が実は殷家(いんけ)の血を引く人物であることを知らない。彼は懐柔策を使って殷沛(いんはい)から盗まれた殷聞嵐(いんぶんらん)(いんぶんらん)の断剣を取り戻そうとするが、無駄な努力に終わる。
しかし、鄭羅生の配下には、聴覚を使って音を分析できる盲目の者がいる。密道の仕掛けや分岐点は、鄭羅生をそれほど長く足止めすることはできない。
紀雲沉(きうんちん)の提案と周翡(しゅうひ)の決意
危機に陥った紀雲沉(きうんちん)は、殷沛(いんはい)に永遠の後患を絶つために、周翡(しゅうひ)と一緒に鄭羅生を倒すことを提案する。その見返りとして、北刀断水纏絲(だんすいてんし)の技を授けるという。しかし、この提案には大きな危険が伴う。
謝允(しゃいん)は周翡(しゅうひ)の決意に驚き、反対する。しかし、周翡(しゅうひ)は勇敢な性格で危険を恐れず、江湖の災いを除くことができるのであれば、喜んで引き受けると言う。北刀については、彼女は興味を示さない。
心と心の戦い
紀雲沉(きうんちん)は、長い間封印していた力を搜魂針を使って強引に引き出し、周翡(しゅうひ)と文闘を行う。これは、北刀の真髄を理解させるための戦いである。
二人は向かい合って座り、互いに技を繰り出す。彼らの心の中では、精神が通じ合う世界での戦いのように感じられる。一挙手一投足、一招一式が、周翡(しゅうひ)に北刀の凄さを実感させ、過去の過ちを心から謝罪させる。
謝允(しゃいん)の想い、周翡の決意
鄭羅生が追いつく前に、謝允(しゃいん)は周翡を説得しようとする。しかし、刀を握る者は常に前進しなければならず、ここで退却すれば、周翡は一生武術の道を極めることができないだろう。
謝允(しゃいん)は周翡の決意を悟り、それ以上何も言わない。周翡が自分を護るために約束を破ったことは、謝允(しゃいん)の心を深く傷つけた。彼は周翡を理解者だと思っていたのに、自分の命を惜しんだと誤解されてしまった。
文闘の始まり
決意が固まった周翡は、謝允(しゃいん)の護衛のもと、紀雲沉と文闘を始める。文闘は武闘とは異なり、あらゆる変数と精神状態が勝敗を左右する。周翡は蜉蝣陣のような戦術を使うことができず、一招一式に対応するしかない。
周翡は汗だくになりながら、紀雲沉の刀意の中で五招を耐え抜き、南刀(なんとう)の真髄を体得する。同時に、これまで学んだ技を融合し、さらなる高みへと到達する。
南刀(なんとう)は山を切り裂き、水を断ち切るような鋭さを持つが、周翡は技に囚われることなく、無常の境地に達する。
強くなる意志と迫り来る危機
周翡は負けず嫌いな性格で、武術の真髄を悟ると、食事も忘れて熱中してしまう。しかし、天下第一という虚名には全く興味がない。
周翡は、刻一刻と近づく太鼓の音の中で、紀雲沉と刀法を磨き続ける。危険もまた、彼らに近づいていく。
第15話の感想
第15話は、周翡の成長と決意が描かれた重要なエピソードでした。彼女は紀雲沉との文闘を通して、南刀(なんとう)の真髄を体得し、さらなる高みへと到達します。また、鄭羅生との戦いでは、危険を恐れずに立ち向かう勇気を見せ、江湖の災いを除く決意を固めます。
一方で、謝允(しゃいん)は周翡の決意に戸惑いを隠せません。彼は周翡を護るために約束を破ったことを責められ、誤解されてしまいます。しかし、周翡は謝允を理解者だと思っており、彼の想いを汲み取ろうとしています。
つづく