有翡(ゆうひ) -Legend of Love- 第26話 あらすじ/ネタバレ
沈天庶(しんてんしょ)一行が慌てて逃げている最中、李瑾容(りきんよう)率いる部隊との遭遇戦が突然発生した。言葉が交わされる前に、激しい戦いが始まった。李瑾容(りきんよう)は、その豪快な刀法で沈天庶(しんてんしょ)の鉄手を一刀両断にした。しかし、彼女もまた相手の腕を犠牲にして左肩を強打され、地煞達の逃走時間を稼いだ。
一方、李晟(りせい)の安否を気にかけていた呉楚楚(ごそそ)は、彼が飛虹(ひこう)橋で行方不明になったと知り、決死の覚悟で川沿いを捜索した。そして、橋の下で危ない状態になっている李晟(りせい)を発見し、李瑾容(りきんよう)達に救助を要請した。
徐々に意識を取り戻す李晟(りせい)を見て、李瑾容(りきんよう)は安堵するものの、昏睡状態が続く周翡(しゅうひ)に対しては複雑な心境だった。娘が勝手に下山したことを叱責する気持ちと、一族の運命を受け入れる無念さが入り混じっていた。
周翡(しゅうひ)の昏睡と、そばに置かれた新しい刀は、李チョウ(りちょう)の遺言への呼応だった。刀は、李家代々の象徴であり、周翡(しゅうひ)も避けられない江湖の道を歩むことを予感させた。李瑾容(りきんよう)は心を痛めながらも、それが運命であり責任でもあることを理解し、周翡(しゅうひ)に自分の使命を直視させるために、より厳しく接しようとする。
しかし、李瑾容が背を向けたとき、残ったのは厳しさだけでなく、わずかに温情が感じられた。その短く貴重な気遣いは、冬の日差しのように、周翡(しゅうひ)が長い間感じていなかった母の愛を暖かく感じさせた。
その後、回復した李晟(りせい)は、ぎこちないながらも真摯な気遣いを携えて周翡(しゅうひ)のもとを訪れる。二人の会話の中で、「哥」という言葉が、過去のわだかまりを解きほぐし、李晟(りせい)は気まずそうに立ち去った。残されたのは、より深まった兄妹の情だった。
静かな時の中で、周翡(しゅうひ)は自分の考えに浸っていた。すると、聞き覚えのある笛の音が静寂を破った。門の外には、謝允(しゃいん)がいつもの笑顔で現れ、周翡(しゅうひ)の気分を軽くしようと試みる。しかし、周翡(しゅうひ)は彼の心の奥底にある波乱を見抜いていた。
二人は言葉を交わすものの、互いの秘密に深く触れることはなかった。しかし、周翡(しゅうひ)は謝允(しゃいん)が「海天一色(かいてんいっしき)」の真相を追求する執念と、信物の謎の解明に心を打たれ、二人の関係はさらに謎めいていく。
一方、俞聞止は攻城計画の失敗を沈天庶(しんてんしょ)に怒りをぶつけるが、江湖での孤立無援も自覚していた。彼らは謝允(しゃいん)の正体を知り、彼の余命が短いことを推測し、勝利の喜びを感じていた。
しかし、謝允(しゃいん)には別の考えがあった。彼は限られた時間の中で周翡と一緒にいたいと願っていたが、李瑾容の断固たる拒絶に阻まれた。別れ際、彼は周翡に「海天一色(かいてんいっしき)」の争いに巻き込まれないように、繰り返し忠告する。
林間の小道で、二人の姿は遠ざかり、物語の終わりを告げるかのようだった。周翡は、今回の出会いが永遠の別れになるかもしれないとは思いもよらず、謝允(しゃいん)との温かい時間を思い返していた。
翌日、彼女は自分で縫った巾着を謝允(しゃいん)に渡そうとするが、彼はすでに静かに去った後だった。残されたのは、尽きることのない思いと後悔だけだった。
一方、四十八寨(しじゅうはちさい)は徐々に昔の平和を取り戻し、李晟と呉楚楚(ごそそ)の絆も、风雨を乗り越えてより一層深まっていた。言葉には出さなくても、二人の間の信頼と親密さは明らかだった。
彼らは未来に希望を抱き、呉家の弟を寨に連れ戻し、家族の幸せと真の安寧を実現することを願っていた。
第26話の感想
第26話は、緊張感と感動が入り混じった、見応えのあるエピソードでした。特に、李瑾容と周翡の母娘関係が描かれたシーンは、胸に迫るものがありました。李瑾容の厳しさの裏に隠された愛情、周翡の戸惑いと葛藤が丁寧に表現されており、二人の関係が新たな局面を迎えたことを感じさせました。
また、謝允(しゃいん)と周翡の再会も印象的でした。二人は互いの秘密を明かすことはありませんでしたが、言葉を超えた絆を感じさせるやり取りは、今後の展開への期待を高めました。
一方、俞聞止と沈天庶(しんてんしょ)の焦燥感も伝わってきました。彼らは追い詰められた状況にあり、今後どのような行動に出るのか気になるところです。
つづく