有翡 -Legend of Love- 第33話 あらすじ/ネタバレ

緊迫した逃亡と危機

追っ手から逃げる緊迫した状況の中、楊瑾(ようきん)の鋭い刀と應何從の恐ろしい蛇影は、暗闇を切り裂く刃のように、童天仰(どうてんぎょう)を含む追跡者たちを宿屋から追い払った。李妍(りけん)、楊瑾(ようきん)、應何從の3人は、重傷を負った劉有良を連れてその場を離れ、荒れ果てた廃寺に一時的に身を隠した。

海天一色(かいてんいっしき)の秘密

かつて海天一色(かいてんいっしき)の秘密の守護者だった劉有良は、重い秘密を抱えていた。20年間の孤独な歳月は、厚い繭のように彼を世間から隔絶していた。最初は目の前の見知らぬ者たちに警戒心を抱いていたが、李妍(りけん)が故友?李チョウ(りちょう)の孫娘だと知ると、埋もれていた信頼が呼び覚まされた。彼はついに3人に心を開き、自分が守ってきた秘密、解き明かされていない「海天一色(かいてんいっしき)」の謎を明かした。

海天一色(かいてんいっしき)は、江湖に伝わる伝説であるだけでなく、前朝の秘宝への鍵でもあった。しかし、王朝が移り変わる中で、世の中はすっかり変わってしまった。劉有良だけが歴史の塵の中に忘れ去られ、この絶望的な見張りを続けていた。最近、霍家堡(かくかほう)が天下大会を開催し、この禁忌の秘密を公にしたことで、楚天瑜(そてんゆ)などの勢力が動き出し、劉有良も追われる身となった。彼は20年間守り続けてきたが、「海天一色(かいてんいっしき)」の真の意味を知ることはできなかった。

劉有良の犠牲

その瞬間、廃寺の外で馬の蹄音が響き、危機が迫ってきた。寺の中には、無実の浮浪児たちが隠れており、彼らの運命は李妍(りけん)たち3人と密接に関係していた。強敵を前に、逃げることも抵抗することも最善策ではなく、自分たちを犠牲にして仲間のために一縷の望みをつかむしかなかった。劉有良は、海天一色のありかを暗示する詩句を李妍(りけん)の心に刻み込むことを決意し、この秘密が彼女に受け継がれることを願った。

童天仰(どうてんぎょう)たちが追いつくと、激しい対峙は避けられなくなった。劉有良は、地図を燃やして相手を惑わす一方で、童天仰(どうてんぎょう)を足止めし、李妍(りけん)たちに貴重な逃亡時間を稼いだ。そして、彼は血の海に倒れた。20年間の孤独と堅守は、この瞬間、無限の悲壮感へと変わった。彼の犠牲は、「海天一色」の秘密への忠誠だけでなく、後世への深い願いでもあった。

周翡(しゅうひ)の試練

一方、遥か北西の極寒の地では、周翡(しゅうひ)が別の生死をかけた試練に直面していた。陸天曠の陰謀と木小喬の意外な出現により、慎独印(しんどくいん)を探す旅は変転を極めた。周翡(しゅうひ)は、揺るぎない意志で雪山の頂上にたどり着いたが、木小喬の妨害に遭った。しかし、雪崩が襲い、生死の瀬戸際で木小喬は周翡(しゅうひ)を救うことを選んだ。2人の因縁は、この瞬間、ある程度解消されたようだった。

蓬莱にいる謝允(しゃいん)は、昏睡状態にあったが、心は周翡(しゅうひ)と強くつながっていた。周翡(しゅうひ)が危険に遭うたびに、彼は遠くからの呼びかけと牽掛を感じることができた。同明大師の豁達さと陳俊夫(ちんしゅんふ)の憂慮が交錯し、運命と選択に関する深い絵巻が描かれた。周翡(しゅうひ)と木小喬の間にも、この予期せぬ出来事によって微妙な感情の変化が生まれた。敵対から理解、そして互助へと、2人は極寒の地で非凡な伝説を共に書き記した。

周翡(しゅうひ)と木小喬

周翡(しゅうひ)が昏睡状態から目覚めると、雪洞に閉じ込められていることに気づいた。木小喬の陪伴は、彼女に前例のない暖かさと力強さを感じさせた。2人の会話は、互いの孤独と執着を露呈し、心の奥底にある愛と信念のために、彼らはすべてを捧げる覚悟だった。この瞬間、周翡(しゅうひ)と木小喬は、単なる敵味方の関係ではなく、お互いの人生に欠かせない仲間であり知己となった。

第33話の感想

第33話は、緊迫感と感動が交錯する素晴らしいエピソードでした。劉有良の悲壮な最期、周翡と木小喬の意外な共闘、そして謝允(しゃいん)の深い愛情など、見どころ満載でした。

特に印象に残ったのは、劉有良の自己犠牲です。彼は20年間、海天一色の秘密を守り続けてきましたが、その真の意味を知ることはありませんでした。それでも、李妍たちに秘密を託し、自分の命を犠牲にして彼らの逃亡を助けた姿は、とても感動的でした。

また、周翡と木小喬の共闘も意外性があって面白かったです。最初は敵対関係にあった2人ですが、雪崩の危機を乗り越えて、互いに理解を深めていきました。この関係性の変化は、今後の展開にも影響を与えそうです。

そして、謝允(しゃいん)の深い愛情も忘れてはなりません。昏睡状態にあるにもかかわらず、周翡の危機を察知し、心を寄せている姿は、とても切なかったです。彼の存在は、周翡にとって大きな支えになっていることが伝わってきました。

つづく