有翡 -Legend of Love- 第34話 あらすじ/ネタバレ
浩瀚なる江湖の風雲の中、呉楚楚(ごそそ)は李晟(りせい)を探す旅に出た。幾多の困難を乗り越え、ついに斉門(さいもん)の門前に辿り着く。茶寮での軽率な言葉が、暗に楚楚を守っていた殷沛(いんはい)の怒りを買った。彼は果断な行動で騒動を鎮め、その侵すべからざる威厳を示した。その後、楚楚が身元不明の男と同行していることを知った殷沛(いんはい)は、彼女の安全を守るため自ら出馬する。
一方、封無言は斉門(さいもん)山の麓で、罠が張り巡らされた密林を突破する方法を思案していた。彼は巧妙な策略で楚楚を斉門(さいもん)に誘い込み、陣の謎を解き明かそうとする。しかし、楚楚の無知と無力さを目の当たりにした封無言は、冷酷にも彼女を置き去りにし、危険に満ちた場所に一人残した。
李晟(りせい)の安否を気遣う楚楚は、危険を顧みず密林に踏み込むが、迷ってしまう。幸いなことに、殷沛(いんはい)が樵夫に扮して楚楚を助け、無事に斉門(さいもん)に導いた。一方、封無言は偶然殷沛(いんはい)に出会い、彼が李晟(りせい)を傷つけようとしていることを知る。彼はこれを利用しようと企み、進んで殷沛(いんはい)を案内することに同意する。
李晟(りせい)と封無言の対峙は、力の差は歴然としていたが、李晟(りせい)は奇門遁甲の深い理解によって封無言を牽制した。封無言の心には、斉門(さいもん)の奥義を放棄した後悔が押し寄せてくる。若き日の傲慢さと反抗が、今日の無念と悔恨をもたらしたのだ。李晟はそれを察し、憐れみの心から斉門の秘伝を授け、彼の後悔を埋め合わせようとする。
この微妙な均衡が崩れそうになったその時、楚楚が残した印が童天仰(どうてんぎょう)らを呼び寄せ、突如戦闘が始まった。封無言と童天仰(どうてんぎょう)は掌門(しょうもん)の拂塵を巡って激闘を繰り広げ、拂塵は意外にも地面に落ちてしまう。李晟はこれを機に楚楚を連れ出し、仕掛けを使って道場の門を閉ざし、追っ手を外に隔離した。逃亡の途中で重傷を負った楚楚は、李晟の助けを得て、零陵の客舎で朱晨(しゅしん)と出会い、馬車に乗って衡陽(こうよう)に向かい、霓裳(げいしょう)夫人の治療を受けることができた。
一方、周翡(しゅうひ)と木小喬は雪洞の中で異例の取引を交わした。二人は名利と恩怨を捨て、手を組むことにした。木小喬は周翡(しゅうひ)が火蓮(かれん)を手に入れるのを助け、その見返りに周翡(しゅうひ)は慎独印(しんどくいん)を返すことを約束した。周翡(しゅうひ)は巧妙な計略で陸天曠を騙し、火蓮(かれん)を手に入れることに成功し、木小喬と零陵の客舎で再会することを約束した。この協力は、木小喬にとって、人間性への最後の信頼と期待の表れであった。
周翡(しゅうひ)は火蓮(かれん)を手に、疲れを顧みず蓬莱島へと向かったが、力尽きて眠りに落ちてしまう。謝允(しゃいん)は二番目の薬を飲んだ後に目を覚ましたものの、療養のため周翡(しゅうひ)に会うことができなかった。周翡(しゅうひ)は目覚めると、ただ一つの思いを抱いていた。それは、最後の貴重な朱明火尾草(しゅめいかびそう)を求めて南疆に向かい、自分の使命を果たすことだった。
一方、地煞別院では、俞聞止が胡天瑛(こてんえい)を訪ねて、衝霄子(しょうしょうし)拂塵の秘密を暴こうとしていた。地図は失われたが、童天仰(どうてんぎょう)の記憶が重要な手がかりとなった。沈天庶(しんてんしょ)は谷天顕(こくてんけん)を大薬谷(だいやくこく)に派遣し、より複雑な陰謀が静かに進行していた。胡天瑛(こてんえい)と沈天庶(しんてんしょ)の過去が療養の中で徐々に明らかになり、二人はかつての勇気を失ったものの、復讐と陰謀を企てていた。江湖の波乱は決して収まることはなく、あらゆる選択が未来の嵐を予感させる。
第34話感想
第34話は、物語が大きく動き出す重要なエピソードでした。特に印象に残った点は以下の3つです。
- 李晟と封無言の対峙: 李晟は圧倒的な力の差にもかかわらず、奇門遁甲の知識を駆使して封無言を圧倒しました。李晟の成長と、封無言の葛藤が描かれた見応えのあるシーンでした。
- 周翡(しゅうひ)と木小喬の取引: 周翡(しゅうひ)と木小喬は、互いに利益を得るために手を組みました。この取引は、二人がこれまで抱えてきた確執を超越した、新しい関係性の始まりを感じさせるものでした。
- 胡天瑛(こてんえい)と沈天庶(しんてんしょ)の過去: 胡天瑛(こてんえい)と沈天庶(しんてんしょ)の過去が明らかになりました。二人はかつては同志でしたが、現在は復讐のために暗躍しています。彼らの過去が今後の展開にどのような影響を与えるのか、注目です。
第34話では、多くのキャラクターがそれぞれの思惑を抱えて行動していました。今後の展開がますます楽しみです。
つづく