有翡 -Legend of Love- 第45話 あらすじ/ネタバレ

江湖の荒波に翻弄される中、周翡(しゅうひ)は行脚帮に協力を求め、谷天顕(こくてんけん)の勢力拡大を食い止めようとします。一方、呉楚楚(ごそそ)は霓裳(げいしょう)夫人に密書を送り、二つの勢力が連携して谷天顕(こくてんけん)の勢力を瓦解。谷天顕(こくてんけん)自身は、後の策略の切り札として残されます。

沈天庶(しんてんしょ)は谷天顕(こくてんけん)の支援を失い、李晟(りせい)らは離間の計を実行する好機を得ます。

李晟(りせい)は、胡天瑛(こてんえい)が四十八寨(しじゅうはちさい)を襲撃した裏に俞聞止との繋がりが存在することを見抜き、それを利用して胡天瑛(こてんえい)と沈天庶(しんてんしょ)の間に亀裂を生じさせようとします。彼は、胡天瑛(こてんえい)は自らの保身のため、重要な信物を沈天庶(しんてんしょ)に簡単に渡さないだろうと推測します。二人がどのような関係であろうとも、胡天瑛(こてんえい)が密かに俞聞止と接触すれば、沈天庶(しんてんしょ)の心に疑念の種を蒔くことは避けられないと考えるのです。

李晟(りせい)一行は、寒水(かんすい)鎮郊外の寂れた村に潜伏し、機会を待ちます。行脚帮からの情報で、寒水(かんすい)鎮に男女二人が入ったことが判明。女は利刃を携えており、周翡(しゅうひ)と謝允(しゃいん)であることが分かります。二人は李晟(りせい)の居場所を知ると、すぐに合流に向かいます。

一方、李妍(りけん)は地煞に捕らわれてしまいます。恐怖に怯えながらも、彼女は「海天一色(かいてんいっしき)」の隠し場所を示す暗号の詩句を守り抜きます。沈天庶(しんてんしょ)は表面上李妍(りけん)を優しくなだめますが、実際には暗樁の仲間を人質として利用します。李妍(りけん)は無実の人々を巻き込みたくないと考え、詩句を書き、沈天庶(しんてんしょ)に暗樁の仲間を解放するよう懇願します。沈天庶(しんてんしょ)は詩句の真偽を慎重に確認した後、約束通り暗樁の仲間を解放しますが、この行為は胡天瑛(こてんえい)の不満と疑惑を招きます。彼女は、沈天庶(しんてんしょ)の心の中で自分の地位が李妍(りけん)に取って代わられることを恐れます。

胡天瑛(こてんえい)の李妍(りけん)に対する憎しみは、過去のからかいに端を発しており、沈天庶(しんてんしょ)の庇護はさらに彼女の嫉妬心を煽ります。江湖で狡猾さで知られる胡天瑛(こてんえい)も、この時ばかりは女性の持つ特有の嫉妬心を露わにします。

周翡(しゅうひ)、謝允(しゃいん)、李晟(りせい)らは合流後、綿密な計画を立てます。偶然にも、彼らは暗樁の近くで沈天庶(しんてんしょ)と李妍の口論を耳にします。謝允(しゃいん)は自責の念に駆られ、李妍を危険に晒したのは自分だと考え、自分の身と李妍の安全を交換することを決意します。謝允(しゃいん)の家族と沈天庶の因縁、そして谷天顕(こくてんけん)が既に掌握されている状況を考慮した沈天庶は、この交換を承諾します。

二人が二人きりになった時、沈天庶は安平(あんへい)軍を裏切った理由を明かします。彼は周以棠(しゅういとう)の仁政に不満を持ち、周以棠(しゅういとう)と雌雄を決する無敵の軍隊を作りたいと願っていました。そして、「海天一色(かいてんいっしき)」の秘密は、彼の野望を達成するための鍵だったのです。

夜が訪れ、楊瑾(ようきん)は俞聞止の名を騙って胡天瑛(こてんえい)を誘い出し、沈天庶との離間を図ります。さらに隙を突いて襲撃を試みますが、失敗に終わります。胡天瑛(こてんえい)が信物を携えて俞聞止と会うことを知った沈天庶は、周翡(しゅうひ)と謝允(しゃいん)との追跡を諦め、急いで後を追います。

周翡(しゅうひ)と謝允(しゃいん)は、胡天瑛(こてんえい)を途中で待ち伏せします。謝允(しゃいん)の百毒不侵の体質を利用して、周翡(しゅうひ)はすぐに相手を重傷を負わせます。その瞬間、李晟らが駆けつけ、沈天庶が撤退したことを知らせます。実は、胡天瑛は事前に準備を整えており、真の信物は沈天庶に託し、偽の信物を持って待ち合わせ場所に赴いたのです。彼女の狙いは、皆を惑わすことでした。

沈天庶は信物を携えて姿を消し、胡天瑛は彼の策略の中で捨て駒となります。重傷を負った上に、愛する人に裏切られた絶望から、胡天瑛は旧傷が再発し、無念と後悔を抱えたまま、その波乱に満ちた生涯を終えます。この江湖の争いは、各勢力の思惑と犠牲が交錯する中で、新たな局面を迎えるのでした。

第45話感想記事

第45話は、策略と裏切りが渦巻く展開で、目が離せない内容でした。特に、胡天瑛の複雑な心理描写が印象に残ります。彼女は、狡猾で冷酷な一面を持ちながらも、沈天庶への愛や嫉妬心を露わにすることで、人間味を感じさせるキャラクターです。また、沈天庶の過去が明らかになり、彼の野望の根源が理解できるようになりました。周翡(しゅうひ)と謝允(しゃいん)の活躍も相変わらず見事で、二人の絆の強さを感じさせます。

一方で、李妍の苦悩や楊瑾(ようきん)の策略など、各キャラクターの思惑が交錯し、物語は複雑さを増しています。今後の展開がますます楽しみです。

つづく