有翡 -Legend of Love- 第5話 あらすじ/ネタバレ
薄暗い石壁の前で、謝允(しゃいん)は精巧な地図を描いていた。視力は衰えているものの、地形への理解は完璧で、一筆一筆が確かな知識に基づいている。周翡(しゅうひ)は彼の隣に立ち、全貌を把握するのは難しかったが、謝允(しゃいん)の言葉が正しさを確信し、牢獄への潜入を決意する。
謝允(しゃいん)が牢獄の構造や巡回パターンを把握できたのは、数日間にわたって密かに潜入し、綿密に観察を重ねた結果だった。彼の行動力と知恵は、並外れたものである。
牢獄に入った周翡(しゅうひ)は、謝允(しゃいん)の外部からの支援を求める提案を簡単に受け入れず、晨飛(しんひ)たちを自力で救出することを決意する。謝允(しゃいん)は牢獄に変化が訪れることを察知していたが、周翡(しゅうひ)に忠告するために留まることを選択する。紅い衣服を着た人物に出会ったら、絶対に戦いを避けるように。彼の心配と名残惜しさが、言葉に表れない。
出発に際し、謝允(しゃいん)は数日かけて丹念に彫った木刀を周翡(しゅうひ)に贈る。質素な見た目だが、謝允(しゃいん)の深い謝罪と約束が込められている。いつか素晴らしい刀を見つけ、周翡(しゅうひ)が彼のために失った佩刀の代償にするという約束だ。
謝允(しゃいん)の指示に従い、周翡(しゅうひ)は霍家の目を巧みにかわし、牢獄に囚われた沈天庶(しんてんしょ)と出会う。見知らぬ人物からの問いかけに、周翡(しゅうひ)は慎重に行動し、素性を明かさずに対応する。しかし、沈天庶(しんてんしょ)の病弱な様子を見て、同情心を抱き、毒のない餅を差し出す。沈天庶(しんてんしょ)は周翡(しゅうひ)を試そうとするが、江湖の事情に疎い彼女を見て警戒心を解き、四象山(ししょうさん)の過去について簡単に説明する。
かつて栄華を誇っていた四象山(ししょうさん)は、沈天庶(しんてんしょ)の口から語られると、江湖の笑い話になってしまう。特に朱雀(しゅじゃく)一派は、かつては武林を震え上がらせたものの、分裂の運命を逃れることはできなかった。周翡(しゅうひ)は木小喬の名を聞き、敬意を払いつつも、勇気を失わず、お礼を言って解毒剤を探す旅を続ける。
一方、沈天庶(しんてんしょ)は計画を完了させ、網を張るだけとなる。周翡(しゅうひ)と謝允(しゃいん)は解毒剤を探す過程で、牢獄の下に仕掛けられた火油の罠を発見する。霍連濤の陰謀に気づいた二人は、すぐに牢獄に戻り、閉じ込められた人々を救出する。激しい戦いの末、老人の助けを得て、周翡は刀を振り下ろし、敵を倒す。
晨飛(しんひ)たちを救出した後、朱雀(しゅじゃく)門人の出現により、謝允(しゃいん)は目の前にいる仙風道骨の老人が、斉門(さいもん)の高人?冲霄子(ちゅうしょうし)であることに気づく。刀が折れ、心が傷ついた周翡だが、危機が迫る中で、個人的な感情に浸っている暇はない。謝允はそっと彼女の落としたハンカチを拾い、袖にしまい、気遣いを示す。
一行が脱出の準備をしていると、木小喬の歌声が幽霊のように響き渡る。謝允は身を挺し、皆の逃走時間を稼ごうとする。晨飛(しんひ)はここで、謝允に対する偏見を完全に捨てる。木小喬の強引さに直面した周翡と謝允は、肩を並べて戦う。数は少ないものの、非凡な勇気と知恵を発揮する。
緊迫した場面で、謝允は『哭妝』の歌詞の間違いを指摘し、巧みに緊張状態を解きほぐす。木小喬は意外にも敵意を捨て、二人と詞曲について語り合う。この展開は、謝允の機転だけでなく、江湖の人々の間にある複雑で微妙な感情のつながりも示している。
最終的に、牢獄が爆発し、皆が散り散りになる。周翡と謝允は木小喬と戦い、呉楚楚(ごそそ)たちの安全な撤退時間を稼ぐことを決意する。この生死をかけた戦いで、二人は敵であるだけでなく、互いに最も頼れる存在でもある。そして、『哭妝』は、この並外れた経験の中で交錯する悲喜と、危機四伏の中で咲く人間性の輝きを物語っているかのようだ。
有翡 第5話 感想
第5話は、緊迫感と感動が交錯する素晴らしいエピソードでした。周翡と謝允の絆が深まり、物語が大きく動き出す転換点となりました。
特に印象に残ったのは、以下のシーンです。
- 周翡:正義感が強く、勇敢で行動力がある。しかし、謝允への想いは複雑で、葛藤を抱えている。
- 謝允:知性と機転に優れ、周翡を心から愛している。しかし、過去に犯した罪の意識に苦しんでいる。
- 木小喬:実力とカリスマ性を兼ね備えた、謎多き人物。周翡と謝允にとって、大きな脅威となる存在。
第5話は、物語の展開とキャラクターの魅力が存分に発揮された、見応えのあるエピソードでした。今後の展開がますます楽しみです。
つづく