蒼蘭訣 ~エターナル・ラブ~ 第27話 あらすじ/ネタバレ
蒼茫の天際、東方青蒼(とうほうせいそう)と長珩(ちゃんはん)は肩を並べて忘川のほとりへ足を踏み入れる。古琴(きん)の調べで邪気を浄化し、任務を終えた二人はそれぞれ帰路につく。しかし、蒼塩海と水雲天(すいうんてん)の戦火が迫り、かつて並肩して戦った二人は敵対関係に。傍観者である小蘭花(しょうらんか)は、鹿城(ろくじょう)での無邪気な日々に戻れたらと切なく思う。
長珩(ちゃんはん)もまた同じ思いを抱いていた。雲夢沢の蕭潤(しょうじゅん)としての身分は、かつてない自由と温もりを与えてくれた。しかし、水雲天(すいうんてん)の戦神としての重責と母神の残した影は、彼に重荷を背負わせ、心愛の人を守ることもままならなかった。鹿城(ろくじょう)の変を経て、彼はようやく自分の本当の願いに気づく。
小蘭花(しょうらんか)はかつて長珩(ちゃんはん)に恋心を抱いていたと誤解していたが、今はそれが男女の愛ではないと悟る。彼女は過去の想いを象徴する螢石を長珩(ちゃんはん)に返し、真のパートナーに出会えるよう心から願う。長珩(ちゃんはん)の去り行く背中を見つめる小蘭花(しょうらんか)は、そこに東方青蒼(とうほうせいそう)がそっと近づき、心配そうに声をかける。彼女は疲れたと甘え、東方青蒼(とうほうせいそう)は迷わず彼女を背負い、林間の小道を大股で歩き出す。その姿は優しさと霸気を兼ね備えている。
七日後、蒼塩海では千年一度の山月節が訪れる。街は提灯で彩られ、人々の賑わいで溢れかえっている。小蘭花(しょうらんか)と東方青蒼(とうほうせいそう)は、このお祭りの日に賑やかな街を散策する。觴闕(しょうけつ)から山月節には同心錠を贈り合って気持ちを伝える風習があると聞き、二人は心穏やかではない。小蘭花(しょうらんか)は精巧に作られた数々の錠前を眺め、感嘆する。彼女は様々な錠前の中から一つを選び、嬉しそうに手に握る。
一方、東方青蒼(とうほうせいそう)も一軒の店で足を止める。彼は店主に対して最も頑丈な錠前を選ぶように頼み、その様子には秘密めいた慎重さが漂う。店主が慎重に選んでいる間も、彼は周囲を警戒し、人に見られるのではないかと心配している。選んだ錠前を満足そうに確認した彼は、振り返った瞬間に小蘭花(しょうらんか)と目が合い、気まずさと温かさが入り混じる。
巽風(そんほう)は兄である東方青蒼(とうほうせいそう)の行動に疑問を抱く。特に、小蘭花(しょうらんか)を公の場に連れ出すことが多く、彼の心中は疑念でいっぱいになる。彼は兄に真相を問いただそうとするが、小蘭花(しょうらんか)が兄の恋人であることを知ってしまう。この衝撃と理解できない思い、そして月(げつ)族と仙族の境界線を明確にすべきという信念から、彼はこの事実を受け入れることができない。
一方、鹿城(ろくじょう)の謎は容昊(ようこう)と深い関わりがあるようだ。長珩(ちょうこう)は真相を突き止めるため、単身鹿城(ろくじょう)へ向かう。そこで彼は待ち構えていた容昊(ようこう)と対峙する。容昊(ようこう)の過去は、救済と感謝に関する物語である。彼はかつて雲夢沢で助けを求める盲目の子供だったが、絶望の淵にいた時に人生の光である師匠に出会う。その恩義から、彼は三界で様々な役割を演じることになっても、決して揺らぐことはなかった。長珩(ちょうこう)に対する複雑な感情は、誠実さと打算が入り混じっているが、師匠への忠誠と執着は疑う余地がない。
事態が進むにつれて、長珩(ちょうこう)は誤りを認めなかったため雲中君(うんちゅうくん)から厳罰を受け、容昊(ようこう)も海市(かいし)主の正体が明らかになったため裁判を受けることになる。この一連の出来事は、澧沅(れいげん)仙君に月(げつ)族の女性と竹林で隠遁していた過去と、暴かれそうになった秘密を思い出させる。同時に、蝶衣(ちょうい)の密命により結黎(けつれい)は小蘭花(しょうらんか)の骨蘭に一滴の血を落とすことを余儀なくされ、新たな嵐が近づいていることを予感させる。
第27話の感想
第27話は、蒼蘭訣の物語が大きく動き出す重要な回でした。東方青蒼(とうほうせいそう)と長珩(ちょうこう)の対立、小蘭花(しょうらんか)の恋心の変化、容昊(ようこう)の過去と目的、そして新たな嵐の予兆など、見どころ満載でした。
特に印象に残ったのは、東方青蒼(とうほうせいそう)と小蘭花の関係の変化です。これまで一触即発だった二人が、徐々に心を通わせていく様子が丁寧に描かれていました。小蘭花が東方青蒼(とうほうせいそう)に甘える姿や、東方青蒼(とうほうせいそう)が小蘭花を気遣う様子は、見ていて微笑ましくなりました。
つづく