あらすじ
東方青蒼(とうほうせいそう)は、小蘭花(しょうらんか)が七情樹に残した神女(しんじょ)の力を使って太歲を心海に閉じ込め、元神(げんしん)を燃やして太歲と共に死のうとしました。太歲は東方青蒼(とうほうせいそう)を惑わそうとあらゆる手段を尽くしましたが、東方青蒼は動じませんでした。しかし、太歲が小蘭花(しょうらんか)が東方青蒼のことを忘れてしまうと言うと、彼は少し心を動かしてしまいました。その一瞬の隙をついて、太歲は東方青蒼の金身に侵入し、破靈淵の封印を破ろうとしました。
多くの仙人が小蘭花(しょうらんか)と長珩(ちゃんはん)の結婚式から駆けつけました。小蘭花は仙人の制止を振り切って東方青蒼のもとへ飛び、仙人们は力を合わせて封印を維持し、小蘭花に時間を作りました。封印が破られそうになったその時、月(げつ)族の兵士たちが駆けつけて形勢が逆転しました。
東方青蒼の元神はすでに太歲と一体化しており、東方青蒼が死ななければ太歲も一緒に滅びることができません。そうでなければ、太歲は三界を滅ぼし続けることになります。東方青蒼は小蘭花に自分を殺してほしいと頼みました。
ネタバレ
東方青蒼は洞窟にやってきて、太歳を自分の心海に導きました。そこには、青々とした草木が生い茂り、七情樹が美しい花を咲かせていました。彼は、そこで太歳と決着をつける決意をしました。
青蒼は太歳の敵ではありませんでしたが、昊天塔に触れたことで、小蘭花の魂は神女の力を彼の心に宿らせていました。貪欲な念を糧とする凶神?太歳は、自身の欲に囚われてしまいます。
しかし、太歳は諦めません。青蒼の弱点を突こうとしますが、彼は小蘭花が自分を忘れた事実を受け入れることができず、そのわずかな執着によって、太歳は青蒼から逃れてしまいました。そして、青蒼の肉体は太歳に操られてしまいます。
空に裂け目が開き、そこから祟気が溢れ出し、世界を覆い尽くす柱のようにそびえ立ちました。青蒼は祟気に包まれ、空中に浮かび上がり、世界を支配するかのごとく、冷酷な眼差しで周囲を見下ろします。白髪となり、首には不気味な模様が浮かび上がり、その眼差しは鋭く恐ろしいものでした。
黒雲が天地を覆い尽くし、息苦しいほどの圧迫感が漂います。雲中君は水雲天の兵士たちを率いて駆けつけ、長珩と小蘭花も同行していました。雲中君は、兵士たちと協力して、人々を飲み込もうとする祟気を鎮圧しようとします。
小蘭花は最前線に突進し、重い祟気を切り裂きながら青蒼のもとへ向かいます。太歳は既に青蒼の肉体を手に入れ、力を回復させようとしていました。小蘭花は神女としての力を完全には得られていませんでしたが、それでも彼女は前に進みます。神女としての使命を果たし、青蒼を救うためです。
仙族の兵士たちは、小蘭花のために時間を稼ごうとしますが、祟気の侵食には耐えられません。危機的状況の中、觴闕と巽風が月族の兵士たちを率いて駆けつけ、水雲天を援護します。しかし、太歳の祟気はあまりにも強く、このままでは青蒼は消滅してしまいます。それでも小蘭花は諦めず、青蒼のもとへたどり着き、彼の首に腕を回し、キスをしました。
眠りに落ちそうだった青蒼は、小蘭花のキスによって意識を取り戻し、琉璃火を得ます。琉璃火は、失われた慈悲の炎であり、七情八苦に耐え、慈悲の心を持ち続ける者だけが操ることができるものでした。
青蒼は意識を取り戻しましたが、彼の元神は太歳と融合しており、彼が死ななければ、太歳は消滅しません。しかし、小蘭花は青蒼を殺すことはできません。人々を救うことは彼女の使命ですが、青蒼の使命ではありません。青蒼にとって、小蘭花を救うことが彼の使命なのです。小蘭花は悲しみを堪え、青蒼に攻撃を仕掛けます。
青蒼は小蘭花の願いを叶え、彼女のために運命を変えることができました。彼はゆっくりと小蘭花の前から消え、骨蘭だけが残されました。太陽が東から昇り、すべての陰を払拭し、三界は再び平穏を取り戻しました。しかし、小蘭花の青蒼は二度と戻ってくることはありませんでした。
500年後、丹音は仙界の戦神となり、長珩は世界を旅に出ることにしました。巽風は月族を立派に統治し、かつての青蒼のような風格を漂わせています。かつて世界中を騙し歩いていた結黎は、子供たちに嘘をつかないように教え始めました。觴闕は相変わらず結黎と喧嘩をしながらも、心の中では彼女を敬い愛していました。小蘭花は平和な世界を見守りながら、青蒼の帰りを待ち望んでいました。
彼女の願いが通じたのか、運命のいたずらなのか、ある風光明媚な春の日、青蒼は戻ってきました。
第36話の感想
蒼蘭訣の最終回は、感動と切なさで溢れた回でした。東方青蒼と小蘭花の愛の深さ、そして彼らの自己犠牲の精神に胸を打たれました。
特に印象に残ったのは、小蘭花が青蒼を救うために琉璃火を操ったシーンです。彼女はまだ神女としての力を完全に得ていませんでしたが、それでも青蒼への愛と使命感によって、不可能を可能にしました。
また、青蒼が小蘭花の願いを叶えるために、自分の命を犠牲にしたことも感動的でした。彼は小蘭花を救うことが自分の使命だと信じ、最後まで彼女を守り抜きました。
最終回は、悲しみに包まれながらも、希望を感じさせるものでした。500年後、青蒼は小蘭花の前に再び姿を現します。これは、彼らの愛が永遠に続くことを意味しているのでしょう。
「蒼蘭訣(そうらんけつ)」の最終回は、互いを救い合うハッピーエンドで幕を閉じました。物語の中心は、魔族の王・東方青蒼(とうほうせいそう)と、彼を愛する花精・小蘭花(しょうらんか)の愛、使命、そして犠牲です。他のキャラクターたちの運命も丁寧に描かれています。
物語の核心:愛は宿命を打ち破り、悪神・太歳(たいさい)との戦いへ
- 最終決戦: 悪神・太歳は、東方青蒼の小蘭花への愛を利用し、彼の精神に侵入して世界を滅ぼそうと企みます。小蘭花を守るため、東方青蒼は自らの精神の中に太歳を引き込み、共に滅びる覚悟を決めます。しかし、小蘭花は彼を救うため、「世界を守ることは私の使命、あなたを守ることは私の運命」と告げ、悲しみをこらえながら東方青蒼を止めようとします。
- 愛の力で目覚め、琉璃火(るりび)が誕生: 絶体絶命の危機の中、小蘭花はキスによって太歳に操られた東方青蒼の意識を取り戻します。二人の愛の証である「同心呪(どうしんのじゅ)」と「七情樹(しちじょうじゅ)」が共鳴し、東方青蒼の中に眠る「琉璃火」(慈悲と愛の象徴)が覚醒します。彼は琉璃火の力で太歳を浄化しますが、その代償として自身の精神も消滅してしまいます。残されたのは、骨蘭(こつらん)という月の形をした美しい玉佩(ぎょくはい)だけでした。
- 五百年の時を経て、花咲き乱れる場所での再会: 東方青蒼の魂が消滅した後、小蘭花は彼の魂が再び宿ることを信じ、五百年間待ち続けます。そしてついに、春の訪れと共に花が咲き乱れる場所で、東方青蒼は生まれ変わって小蘭花の前に姿を現します。二人は抱き合い、物語の始まりである小蘭花が東方青蒼を蘇らせたシーンを彷彿とさせます。これは、「愛は時を超え、運命さえも変えることができる」というメッセージを象徴しています。
登場人物たちの結末:
- 東方青蒼と小蘭花: 三世にわたる苦難を乗り越え、互いに愛し合うようになった二人は、神女は死ぬ、魔王は無情であるという宿命を打ち破り、平和な世界で共に生きていくことを選びます。最終回では、二人の間に子供が生まれることも暗示されています。
- 長珩(ちょうこう)と丹音(たんいん): 長珩は戦神の座を退き、世界を旅しながら人々に物語を語り継いでいきます。丹音は戦神の地位を受け継ぎ、長珩とは友人として互いを支え合っていくことを決意します。
- 結黎(けつれい)と觴闕(しょうけつ): 結黎は孤児を引き取り、子供の頃に味わった寂しさを埋めようとします。觴闕はついに結黎に愛を告白し、二人は共に魔族の世界で生きていくことを誓います。
- 赤地女子(せきちじょし)と栄昊(えいこう): 赤地女子は、世界を救うために自らの命を犠牲にすることを選びます。彼女を愛する栄昊もまた、彼女と共に命を落とします。二人の悲しい結末は、多くの視聴者の涙を誘いました。
- 仙族と魔族: 東方青蒼の琉璃火は、愛は憎しみを乗り越えることができるということを証明し、仙族と魔族は長年の争いを終え、平和な世界を築き上げていきます。
最終回の深いテーマ:愛と使命のバランス
- 神女としての小蘭花の葛藤: 小蘭花は、世界を救う使命と、愛する人を守りたいという気持ちの間で葛藤します。彼女は、自分の知恵と勇気で困難を乗り越え、愛は一方的な犠牲ではなく、互いを尊重し支え合うことであると教えてくれます。
- 魔王・東方青蒼の変化: 東方青蒼は、愛を知らなかった冷酷な魔王から、小蘭花を愛することで感情を取り戻し、愛の力で世界を救う英雄へと変わります。
- 余韻を残す演出: 最終回では、東方青蒼がどのようにして蘇ったのかは明確には描かれていません。しかし、骨蘭が玉佩に変わったり、花咲き乱れる場所で再会したりするシーンを通して、愛は時を超え、命さえも蘇らせることができるというロマンチックなメッセージが込められています。
視聴者の反応:
最終回については、赤地女子と栄昊の物語が駆け足で終わってしまったという意見や、伏線が回収されていない部分があるという意見もありました。しかし、全体としては、東方青蒼と小蘭花の愛の物語、そして仙族と魔族の和解というテーマがしっかりと描かれており、感動的な最終回だったという声が多く聞かれました。
「蒼蘭訣」は、愛と使命、そして運命に翻弄される人々の姿を描いた感動的なドラマです。最終回では、愛の力で困難を乗り越え、平和な世界を築き上げていくというメッセージが込められており、多くの視聴者に感動を与えました。