蒼蘭訣(そうらんけつ) ~エターナル・ラブ~ 第5話 あらすじ/ネタバレ

小蘭花(しょうらんか)が目を覚ました瞬間から、司命(しめい)殿の隅々まで東方青蒼(とうほうせいそう)の姿を探し回っていた。焦燥と期待が溢れ出す。しかし、いくら探しても見つからず、彼は静かに去ってしまったと誤解してしまう。落胆はあるものの、どこか安堵した気持ちも混ざっていた。そして、その“吉報”を親友たちに伝え、皆で“虚驚だった”と喜びを分かち合う。しかし、東方青蒼(とうほうせいそう)は密かに戻ってきており、彼らの笑い声が彼の心を刺す。月尊(げっそん)である彼は感情を表に出すことはなく、ただ静かに耐える。

静寂の中、東方青蒼(とうほうせいそう)は小蘭花(しょうらんか)との楽しい時間を思い出す。彼らの笑い声は、司命(しめい)殿に久々の活気をもたらしていた。罪仙として、彼は暗闇に閉ざされた昊天(こうてん)塔に囚われており、その孤独と絶望は他人には理解できない。そんな彼にとって、小蘭花(しょうらんか)の出現は冷たい世界に暖かさを与えてくれた。

そんな彼の思いに反して、花精たちは静かに去っていき、司命(しめい)殿は再び静寂に包まれる。東方青蒼(とうほうせいそう)は孤独と向き合うことになる。

その時、東方青蒼(とうほうせいそう)は丹精込めて集めた朝露水を携えて小蘭花(しょうらんか)の前に現れる。その心遣いは言葉にできない。小蘭花(しょうらんか)は澄んだ水滴を見つめ、心温まるが、寒がりの体質のため躊躇してしまう。東方青蒼(とうほうせいそう)はすぐに法力で水温を調節するが、不注意で小蘭花(しょうらんか)を燙傷させてしまう。彼は慌てて補救し、水蒸気を吹き飛ばして適温になるまで見守る。しかし、小蘭花(しょうらんか)は貴重な朝露水を無駄にしたくないと、花蜜で味を付けて飲み干す。東方青蒼(とうほうせいそう)の心は安堵する。

一方、長珩(ちゃんはん)仙君は素帕のことで悩んでいた。雲中君(うんちゅうくん)の厳しい叱責は彼の失態を自覚させ、過去の記憶を呼び起こす。500年前、小蘭花(しょうらんか)の優しくて強い眼差しは彼の心に刻まれている。彼女は靈力が弱かったにも関わらず、彼を守ろうとしてくれた。その時の真實と自分を感じることができた。彼は素帕を大切に保管し、小蘭花(しょうらんか)と一緒に飾る。それは過ぎ去った時間を守っているかのようだ。

夜が訪れ、大強は長明火を携えて帰ってくる。その苦労と勇気に小蘭花(しょうらんか)は感動と心配が入り混じる。危険な旅だったことを知り、大強の無謀さを怒りながらも、彼の気持ちに胸を打たれる。そして、大強が深夜に彼女を雲中水(うんちゅうすい)閣に連れて行き、朝焼けの壮大な景色を見せると、小蘭花の恐怖と不安は感動と幸福に変わる。

しかし、小蘭花の病気は快方に向かわず、誤って靈薬を飲んでしまい、危機に陥る。東方青蒼(とうほうせいそう)はすぐに助け、危機を回避するが、彼女は師匠への想いを募らせる。小蘭花の涙を見た東方青蒼(とうほうせいそう)は、無力さを感じながらも、彼女を守る決意を固める。そして、自分が作った百花羹を食べて感動で涙を流す小蘭花を見て、満足と幸福に満たされる。百花羹の味は完璧ではないかもしれないが、その気持ちは十分に心を温めてくれる。

様々な困難を乗り越え、東方青蒼(とうほうせいそう)は仙根を育てるには外的な靈薬や法力だけでなく、心の慰めと寄り添いが重要であることに気づく。彼は自分のやり方で、小蘭花のそばで静かに見守り、春夏秋冬を一緒に過ごしていくことを決意する。

第5話の感想

第5話は、小蘭花と東方青蒼の心の交流が描かれた感動的なエピソードでした。小蘭花は東方青蒼の優しさに心を打たれ、東方青蒼は小蘭花の無邪気さに癒されていきます。

特に印象に残ったシーンは、東方青蒼が小蘭花のために朝露水を集めてきた場面です。小蘭花は寒がりのため、冷たい水を飲むのを躊躇しますが、東方青蒼は法力で水温を調節してあげます。そのさりげない気遣いが、東方青蒼の深い愛情を感じさせます。

また、長珩(ちゃんはん)仙君の葛藤も描かれていました。彼は小蘭花への想いを断ち切れず、苦しんでいます。しかし、彼は仙君としての責任を果たすために、自分の気持ちを抑えようとします。

つづく