蒼蘭訣(そうらんけつ) ~エターナル・ラブ~ 第9話 あらすじ/ネタバレ

静かな司命(しめい)殿で、小蘭花(しょうらんか)の心はざわめいていた。孤独感はすでに整理されたと思っていたのに、今はそっと芽生え、わずかに気づかないほどの愛着が混ざっていた。疲れが潮のように押し寄せ、彼女はもう無理をせず、眠りについた。

その頃、東方青蒼(とうほうせいそう)と觴闕(しょうけつ)は静かに戻ってきた。彼らの視線の先には、徐々に活力を取り戻しつつある小蘭花(しょうらんか)の姿があった。觴闕(しょうけつ)は焦り、命簿(めいぼ)の修復のため彼女を起こそうとするが、東方青蒼(とうほうせいそう)は珍しく優しい態度で、小蘭花(しょうらんか)を十分に休ませるようにと觴闕(しょうけつ)をなだめた。そう言って、彼は自ら前に進み、まるで敬虔なように小蘭花(しょうらんか)をそっと抱き上げ、ベッドに寝かせた。その動作には、いたわりと保護が満ちていた。小蘭花(しょうらんか)を守るために、彼は自分の心脈の血から作った骨蘭を彼女に与え、守護の証とした。

一方、長珩(ちゃんはん)は海市(かいし)に入り、不思議な物を持って海市(かいし)王にその由来を尋ねた。長珩(ちゃんはん)の疑問に、海市(かいし)王は坦々と答えた。それは祟気(すいき)が化けたもので、背後には謎の人物が潜んでいるという。その人物は海市(かいし)を侵しただけでなく、水雲天(すいうんてん)にも大きな混乱をもたらした。海市(かいし)王は蝶衣(ちょうい)の背後の傷跡を明かした。それは業火(ぎょうか)が残したもので、三界の中で東方青蒼(とうほうせいそう)以外には誰も使えない力であることを示している。さらに衝撃的なことに、謎の人物は逃走する際に、水雲天(すいうんてん)の無名仙草を連れ去ったという。

小蘭花(しょうらんか)は眠りから目覚め、今日が分宮大典の日であることに気づき、慌てて大典の会場へと向かった。長珩(ちゃんはん)は後を追いかけ、心の葛藤の後、ついに慣例に従わず、司命(しめい)殿に直接闖入することを決意した。しかし、彼を待っていたのは、東方青蒼(とうほうせいそう)の何気ないようでいて意味深な姿だった。まるで全てを掌握しているかのようだ。

分宮大典では、水雲天(すいうんてん)の各部族が集まり、元亀(げんき)は仙子の真身に基づいて仙職を分配し、儀式は秩序正しく進められた。しかし、小蘭花(しょうらんか)の番になると、異変が起こった。玄武(げんぶ)は彼女を故人と呼び、意味深な言葉を残して姿を消した。大殿の外では、謎の力が静かに広がり、人々を驚かせた。雲中君(うんちゅうくん)は目を閉じて考え込んだ後、なんと小蘭花(しょうらんか)を月(げつ)族の人間と誤認し、天兵がすぐに捕まえようと前に進んだ。

窮地に陥った小蘭花(しょうらんか)は、体内に業火(ぎょうか)という強力な力が爆発し、天兵を震え上がらせ、雲中君(うんちゅうくん)を大いに驚かせた。雲中君(うんちゅうくん)の質問と尋問に、小蘭花(しょうらんか)は何も言えず、ただ自分が縛られるのを見ているしかなかった。そして、東方青蒼(とうほうせいそう)の登場は、事態をさらに悪化させた。彼は強引に介入し、小蘭花を背後に守り、大殿の周りに結界を張り、あらゆる攻撃を防いだ。彼は骨蘭を小蘭花の手首に再びはめ、一歩一歩雲中君(うんちゅうくん)に近づき、その目には疑う余地のない決意が輝いていた。業火(ぎょうか)が全てを飲み込もうとしたまさにその時、小蘭花の呼びかけは清泉のように、東方青蒼(とうほうせいそう)の心の優しさを呼び覚まし、彼は手を止め、小蘭花を連れてその場を去った。

長珩(ちゃんはん)は阻止しようとしたが、東方青蒼(とうほうせいそう)に対抗する力はなく、ただ見送るしかなかった。東方青蒼(とうほうせいそう)の選択は、小蘭花を両族の境界である忘川に連れて行き、蒼塩海に向かい、彼女のために安息の地を見つけようとすることだった。小蘭花は目を覚まし、突然の出来事に複雑な気持ちになったが、彼女はどんな道であっても、東方青蒼(とうほうせいそう)と一緒にいることが今の自分にとって最良の選択であることを知っていた。

第9話の感想

第9話は、東方青蒼(とうほうせいそう)と小蘭花の間に芽生え始めた感情を繊細に描いた回でした。小蘭花が眠っている間に、東方青蒼は彼女を気遣い、骨蘭を贈るなど、優しさを見せました。分宮大典での小蘭花の突然の変身と業火(ぎょうか)の出現は、今後の展開を予感させるものでした。

一方、長珩(ちゃんはん)は小蘭花への想いを胸に、東方青蒼と対峙するも、力及ばず。東方青蒼は小蘭花を連れて忘川へと向かい、蒼塩海を目指すという、衝撃的なラストシーンとなりました。

つづく