感想·評価一覧
『蒼蘭訣 ~エターナル・ラブ~』は、魅力的なキャラクターと深い感情描写で多くの視聴者を魅了しました。三界を制覇した月(げつ)族の王である東方青蒼(とうほうせいそう)と、温厚で穏やかな仙界の戦神である長珩(ちゃんはん)は、どちらも仙侠ドラマの理想的な男性像として描かれています。しかし、一見平凡に見える小蘭花(しょうらんか)こそが、物語に欠かせない魂となっています。
小蘭花(しょうらんか)は、司命(しめい)殿の仙女たちからの軽視やいじめにも、楽観的な態度で立ち向かう「精神勝利法 (せいしんしょうりほう)」の持ち主です。表面上は平気なふりをしていますが、実際には孤独な存在であり、重い仕事を一人で背負っています。しかし、そんな孤独だからこそ、彼女は外からの善意を大切にします。長珩(ちゃんはん)仙君の言葉に温かさを感じた時、その感謝の気持ちは徐々に愛情へと変わり、最終的には危機に瀕した長珩(ちゃんはん)を庇って致命傷を負います。小蘭花(しょうらんか)の純粋さと勇気は、視聴者を感動させただけでなく、長珩(ちょうこう)の心も動かしました。
長珩(ちょうこう)と小蘭花(しょうらんか)は、似たような境遇で育っています。どちらも愛情に恵まれずに育ちました。長珩(ちょうこう)が小蘭花(しょうらんか)に惹かれたのは、彼女が自分の保護を与えてくれたことで久々の温かさを感じたからだけでなく、彼女が持つ強さと楽観性に惹かれたからです。小蘭花(しょうらんか)は困難な状況に置かれていても、前向きな姿勢を崩しません。そんな彼女の生き方は、長珩に別の可能性、シンプルで純粋な正義感というものを示しました。
東方青蒼(とうほうせいそう)は、小蘭花とは全く異なる性格の持ち主です。彼は幼い頃から感情は弱みであると教えられてきたため、冷酷無情で誰にも心を開きません。しかし、小蘭花が彼を助けるために全力を尽くした時、東方青蒼(とうほうせいそう)は自分の価値観を見直すようになります。小蘭花の誠実さと優しさによって、彼は初めて本当の感情を体験し、過去の行動を反省するようになります。
小蘭花の魅力は、彼女の誠実さと優しさにあります。友人にも見知らぬ人にも、彼女は全力で助けようとします。そんな彼女の姿は、どんなに高貴な人物であっても心を動かされ、共感を呼ぶのです。
『蒼蘭訣 ~エターナル・ラブ~』は、愛と成長の物語です。小蘭花、長珩、東方青蒼(とうほうせいそう)はそれぞれ異なる道を歩みながら、愛と友情の大切さを学びます。そして、困難を乗り越え、自分らしく生きることで、真の幸せを見つけるのです。
そうらんけつは、最初は暇つぶしのつもりで見たドラマでしたが、いつの間にか私の心を掴んで離さない作品となりました。最初はあまり期待していませんでしたが、軽い気持ちで見てみようと思いました。しかし、ヒロインが逃げる際に「仙女包」を忘れない姿や、ヒーローとのやり取りの中で自然と可愛さが溢れ出る様子(例えば、感謝の気持ちを込めてヒーローの手を握ったり、ヒーローに好意を持たれていると勘違いしたりするシーンなど)を見て、思わず笑ってしまいました。私は、自然に可愛さを表現する女性キャラクターが大好きで、特に無理に可愛さをアピールするのではなく、自然な反応や声のトーンで魅力を表現するキャラクターに惹かれます。虞书欣さんの声の演技も素晴らしく、彼女の独特な声はまるで本物の女の子が甘えているように聞こえ、すっかり虜になってしまいました。
最初は、このドラマを軽いコメディとして見ていました。確かに、笑えるシーンがたくさんありました。しかし、物語が進むにつれて、特にヒーローがヒロインに真実を明かし、一緒に日の出を見るシーンや、音楽が醸し出す雰囲気などから、このドラマの感情的な深みを感じることができました。そして、私が本当にこのドラマに感情移入し始めたのは、ヒーローがヒロインから渡された薬を飲み、彼女に小舟で送られていくシーンでした。さらに、ヒーローがヒロインのために花びらの雨を降らせるシーンは、彼のヒロインへの繊細な気持ちを表現しているだけでなく、背景音楽と相まって、ロマンチックな雰囲気を醸し出していました。
物語が進むにつれて、ヒロインは最初は弱くて可愛らしいキャラクターから、強く優しいキャラクターへと変化していきます。私個人としては、前者のほうが好みですが、ヒーローの成長は新たな見どころとなりました。さらに重要なのは、このドラマが成熟した責任感のある愛の概念を伝えていることです。男女の関係は、単純な依存や一方的な犠牲ではなく、相互理解と責任を負うことに基づいています。このような設定は、斬新であるだけでなく、非常に魅力的です。脚本家は、キャラクター間の矛盾を巧みに処理し、キャラクターを無意味な犠牲に陥れたり、反対者を単純に悪役として描いたりすることなく、それぞれのキャラクターに合理的な動機を与えています。これにより、ドラマ全体がよりリアルで魅力的になっています。
男女の愛の展開も印象的です。彼らの愛は、一方的な犠牲や妥協ではなく、理解とサポートに満ちています。ヒロインは、ヒーローの仲間から認められるために罰を受け入れようとしますが、ヒーローは彼女と一緒にその苦しみを負うことを選び、それを阻止しようとはしません。このような処理方法は、平等で成熟した恋愛関係のモデルを示しています。
監督はこのドラマで優れた映像表現技術を駆使し、脚本家はキャラクターの成長軌跡を巧みに描いています。しかし、最終的には私の心を掴む作品となりました。特に虞书欣さんの演技は素晴らしく、自然で活気に満ちた表現力に魅了され、彼女のファンになりました。これからも、彼女の新しい作品が私の求める俳優とストーリーの条件を満たしていれば、注目していきたいと思います。
1~10話の感想
第10話まで視聴、原作未読
このドラマ、男性キャラクター二人のストーリー展開がどちらも興味深いので、視聴しながら感じたことを書いていきます。
長珩(ちゃんはん)
長珩(ちゃんはん)は、小蘭花(しょうらんか)に好意を抱いているにも関わらず、それを表現することができないキャラクターです。彼の魅力は、小蘭花(しょうらんか)への愛情を秘めたまま、彼女を陰ながら支えようとする姿にあります。
彼の小蘭花(しょうらんか)への想いは、戦いで負傷した彼女を優しく癒したことから始まりました。しかし、小蘭花(しょうらんか)の安全を守るために、彼はその記憶を消してしまいます。一方、小蘭花(しょうらんか)は司命(しめい)殿での彼の助けに心を動かされますが、時間が経つにつれて、その記憶も薄れていきます。
>>続きを読む…蒼蘭訣 ~エターナル・ラブ~は、今年夏の中国ドラマ界を席巻した東方玄幻ドラマです。このドラマは、単なる仙侠ドラマや古装ドラマではなく、爽快感と感動を兼ね備えた作品として高い評価を得ています。
魅力的なキャラクターと演技
まず第一に、このドラマの魅力はなんといってもキャラクターの描き方と俳優陣の演技力にあります。特に、女主である小蘭花(しょうらんか)の天真爛漫な可愛らしさと、男主である東方青蒼(とうほうせいそう)のクールで頼もしい姿は、多くの視聴者を魅了しました。
女主を演じる虞書欣(ユー・シューシン)さんは、可愛らしい声と表情で小蘭花(しょうらんか)のキャラクターを完璧に演じきっています。また、男主を演じる王鶴棣さんは、クールな表情と力強いアクションで東方青蒼(とうほうせいそう)のキャラクターに説得力を持たせています。
爽快感あふれるストーリー展開
蒼蘭訣 ~エターナル・ラブ~は、爽快感あふれるストーリー展開も魅力の一つです。無敵の男主と可愛らしい女主、そして二人の間に芽生える恋の物語は、見ていて気持ちが良いものです。
また、このドラマは伝統的な「虐恋」ではなく、ハッピーエンドに向かうストーリー展開も特徴です。近年、虐待的な恋愛を描いたドラマが多かったため、そうらんけつのようなハッピーエンドは新鮮に感じられます。
充実した脇役と演出
そうらんけつは、脇役のキャラクターも魅力的に描かれています。特に、男主の弟である容昊(ようこう)と、女主的親友である結黎(けつれい)のキャラクターは、物語に深みを与えています。
また、このドラマはOSTや特殊効果、衣装などにも力が入っています。特に、周深や劉宇寧などの有名歌手が歌うOSTは、物語の雰囲気を盛り上げています。
蒼蘭訣(そうらんけつ) ~エターナル・ラブ~ は、視覚的に精巧な服飾や美術を表現するだけでなく、内容においても現代主義の思想を体現した驚くべき古装劇です。
伝統の解体と欲望への直面
従来の古装劇は儒教思想を核心とし、克己復礼を強調し、個人の感情を抑圧していました。しかし、蒼蘭訣(そうらんけつ) ~エターナル・ラブ~ は伝統を打破し、登場人物の欲望や感情に正面から向き合います。容昊(ようこう)の「蒼生に関わることではない」、長珩(ちゃんはん)の「戦神になるよりも」、小蘭花(しょうらんか)の「私が欲しいのは珍宝ではなく、あなたの尊敬よ」というセリフは、現代人が自己価値と感情を追求する姿を表現しています。
フェミニズムの浸透
小蘭花(しょうらんか)は運命に逆らい、平等と尊敬を追求します。これはまさにフェミニズム精神の体現です。彼女は権力に屈せず、男性の付属物になることも拒否し、勇敢に自分の幸せを追求します。
現代人の苦悩と選択
蒼蘭訣(そうらんけつ) ~エターナル・ラブ~ は、愛だけでなく、現代人の苦悩と選択も描いています。大強は父親の期待に、小蘭花(しょうらんか)は愛と使命の選択に、長珩(ちゃんはん)は失恋の苦しみに直面します。これらは現代人も直面する問題です。
尊重と平等の愛
劇中の登場人物の愛はすべて、尊重と平等に基づいています。小蘭花(しょうらんか)と東方青蒼(とうほうせいそう)は双方向に愛し合い、長珩(ちゃんはん)は黙って見守ります。どのような形の愛であっても、お互いを尊重し、理解していることがわかります。
ポストモダニズムの解体
蒼蘭訣(そうらんけつ) ~エターナル・ラブ~ は、現代人の思想や感情を映し出す鏡のような作品です。伝統的な壮大なテーマを解体し、焦点を個人の価値と感情に移し、ポストモダニズムの特徴を体現しています。