磐石(バンジャク)が楊嵐(ヨウラン)の作った百足料理に不快感を示している間に、呂青(りょせい)は密かに傷を癒やす薬草を見つけ、楊嵐(ヨウラン)が蜈蚣を生け捕りにしたことで負傷した事実を明かす。この気遣いに磐石(バンジャク)は心を温められるが、同時に楊嵐(ヨウラン)の自分に対する感情を測りかねる。天河軍が仕掛けた天網の脅威について触れると、楊嵐(ヨウラン)は深刻な表情で速戦即決の必要性を強調し、後々の禍根を残さないよう訴える。
一方、風鈴(フウレイ)は修行の道を歩み、飛躍的な進歩を遂げるが、突破の瀬戸際で壁にぶつかり、仮動の力で命を落としかける。幸いにも翎雲子(りょううんし)が間に合い、危機から救い出すだけでなく、穏やかな言葉で修行は焦らず急がず進めるべきだと諭す。風鈴(フウレイ)は感謝の気持ちを表し、翎雲子(りょううんし)に「鑫」という宝物を持たせて磐石(バンジャク)に渡すように託す。その意味は深い。
楊嵐(ヨウラン)は頻繁に薬を錬成しているため、霊力が消耗し、身体が弱っていく。磐石(バンジャク)はそれを目の当たりにし、彼女の変化に安堵する。かつての冷たく孤高な態度は、今では親しみやすく友好的なものに変わっている。しかし、同時に彼女の苦労を心配し、身体を大切にするよう念を押す。
翌日、青雲子(せいうんし)と丹彤子(たんとうし)が幽泉穀を訪れ、磐石(バンジャク)に天道の奥義と、彼が天道の変数として担う重責を説く。この身分は、彼を「無極聖尊(ムキョクセイソン)」の目の敵にするだけでなく、解空祖師(かいくうそし)が強敵と戦うための鍵となる。磐石(バンジャク)は彼らの話を聞き、心の中で対応策を練る。
丹彤子(たんとうし)が磐石(バンジャク)に帰還を促そうとしたその時、短嘴妖(たんすいよう)と呂青(りょせい)たちは天河軍の奇襲を受け、幽泉子(ゆうせんし)が仕掛けた陣に閉じ込められてしまう。磐石(バンジャク)は身を挺して幽泉子(ゆうせんし)に慈悲を乞い、天河水軍に生路を開いてくれるよう懇願する。そして、群妖を安全に連れ出す方法があると約束する。天衡(テンコウ)は進んで幽泉子(ゆうせんし)のもとを訪れ、対策を協議する。
最終的に幽泉子(ゆうせんし)は折衷案を採用し、天兵を天網の端に配置し、天河軍の迎えを待つことにした。この天羅地網のような窮地に陥っても、丹彤子(たんとうし)ですら磐石(バンジャク)の真意を理解できず、群妖は困惑する。磐石(バンジャク)は、この機会を利用して小が大を製し、群妖の幽泉穀からの安全な撤退を確保したいと説明する。
その後、青雲子(せいうんし)は風鈴(フウレイ)の直筆の手紙を渡し、磐石(バンジャク)に返事を忘れないようにと促す。一方、悪蛟王(あくこうおう)は逃亡中に騰魔王(トンモーワン)と驷兔王(スーチューワン)に助けられ、黒魔王(こくおうま)の領地に逃れる。北宸(ホクシン)は六妖王が義兄弟の契りを結んだことを知り、妖界の勢力が拡大して製御不能になるのではないかと懸念する。
天帝(てんてい)の命令に従い、北宸(ホクシン)は昭聖神将(しょうせいしんしょう)を解放して天庭と妖界の緊張関係を緩和せざるを得ない。月老(ユエラオ)はこれを機に天帝(てんてい)の意向を伝え、北宸(ホクシン)に仙娥を彩霞司まで護衛し、彩霞の採集任務を無事に遂行させ、妖王が仙界の安全を脅かすのを防ぐよう求める。北宸(ホクシン)は仙娥の隊列の中で霓裳(ゲイショウ)の姿を見つけ、胸がざわめくが、すぐに冷静さを取り戻す。月老(ユエラオ)と泰白紀星(たいはくきせい)は、彼らの策略が功を奏し、北宸(ホクシン)と霓裳(ゲイショウ)の仲を深めることに成功したと内心ほくそ笑む。
呂青(りょせい)は巧みな手つきで磐石(バンジャク)の衣服を縫い、磐石の賞賛を浴びるが、楊嵐(ヨウラン)の怒りを買ってしまう。呂青(りょせい)が去ると、楊嵐(ヨウラン)は自ら針仕事をして磐石にマントを縫う。この前例のない細やかな気遣いは、不慣れさの中でより一層温かみを感じさせる。二人は屋外で静かに座り、磐石は祁来山に隠居するつもりだと打ち明ける。楊嵐(ヨウラン)は迷うことなく、彼と一緒に未来を歩みたいと固く決意する。
翌日、磐石は再び幽泉穀を訪れ、幽泉子(ゆうせんし)に感謝の意を表し、白猿(バイユエン)の魂が輪廻転生できるよう助けてくれるよう懇願する。その頃、天任(てんにん)は天輔が囚われていることに激怒し、天河軍を率いて幽泉穀に詰め寄る。磐石は準備万端で、兄弟弟子たちと協力して、思郷花を使って天兵を惑わせ、天任(てんにん)に幽泉子(ゆうせんし)の条件を受け入れさせる。こうして、一時の危機は収束する。
第17話の感想
第17話は、磐石と楊嵐(ヨウラン)の関係が大きく進展する回でした。楊嵐(ヨウラン)は磐石のために薬を錬成し、体調を気遣うなど、以前とは打って変わって優しい一面を見せます。磐石もそんな楊嵐(ヨウラン)に心を温め、一緒に未来を歩みたいと決意します。
また、風鈴(フウレイ)も修行の道を著実に歩み、新たな力を手に入れます。しかし、突破の際に仮動を受けてしまい、翎雲子(りょううんし)に助けられます。この経験を通して、風鈴(フウレイ)は修行は焦らず急がず進めるべきだと学びます。
つづく