楊岩(ヨウガン)は妹の楊嵐(ヨウラン)に恋に溺れるなと釘を刺していたが、楊嵐(ヨウラン)は磐石(バンジャク)への想いを抑えきれず、二人は互いの気持ちを確かめ合う。海辺で磐石(バンジャク)の肩に寄り添う楊嵐(ヨウラン)は、突然激しい胸の痛みを感じるも、平静を装う。一方、男装した風鈴(フウレイ)は祁来山を目指し険しい山道を進む。かつて祁来山と万空山を歩いて行き来できたことを思い出し、たとえ十年かかろうとも磐石(バンジャク)を見つけ出すと決意を新たにする。
道中、風鈴(フウレイ)は鴻蒙心魔(コウモンシンマ)に出会い、彼を心優しい仙人と勘違いする。鴻蒙心魔(コウモンシンマ)は祁来山へ行くと言って同行を申し出る。風鈴(フウレイ)は兎を狩ることができず、代わりに山菜を探し始める。それを見て鴻蒙心魔(コウモンシンマ)はこっそり術を使い、山菜を出現させる。翌日、磐石(バンジャク)と楊嵐(ヨウラン)は楊岩(ヨウガン)夫妻を見送る。楊岩(ヨウガン)は楊嵐(ヨウラン)に九天門軍が現れたらすぐに観江口へ戻るよう言い含め、姚寸心(ヤオ・ツンシン)は部下に龍宮へ送り返させる。楊岩(ヨウガン)が去った直後、短嘴妖(たんすいよう)が九天門軍の一万の天兵による攻撃を報告する。迎撃の準備を始めようとしたその時、楊嵐(ヨウラン)は突然倒れてしまう。
楊嵐(ヨウラン)を救うため、磐石(バンジャク)は翎雲子(りょううんし)を伴い祁来山を離れ、幽泉穀へと急ぐ。幽泉子(ゆうせんし)は、楊嵐(ヨウラン)の昏睡は化神境への突破と、過去の七剣断脈之刑による寿元の損傷が原因で、天桃が必要だと説明する。しかし、天桃は天界の管理下にあり入手は困難で、更に天界は楊嵐(ヨウラン)の命を狙っているため、磐石(バンジャク)は別の方法を考えなければならない。磐石(バンジャク)は楊嵐(ヨウラン)の傍らで献身的に看病し、楊嵐(ヨウラン)は徐々に意識を取り戻す。呂青(りょせい)と短嘴妖(たんすいよう)が九天門軍に敵わないことを心配する楊嵐(ヨウラン)に、磐石(バンジャク)は安静するように諭す。
その時、翎雲子(りょううんし)が磐石(バンジャク)を訪ね、風鈴(フウレイ)が北斗瑶光洞を一人で出て行ったことを伝える。磐石(バンジャク)の慌てようを見て、翎雲子(りょううんし)は彼が風鈴(フウレイ)を妹と呼ぶ一方で楊嵐(ヨウラン)をどう思っているのか疑問に思う。玉簡で短嘴妖(たんすいよう)から戻るように促された磐石(バンジャク)は、玄聖神将が山に火を放ったと聞き、秘密兵器を使って捕らえるよう指示を出す。祁来山へ戻りたいと願う楊嵐(ヨウラン)に、幽泉子(ゆうせんし)は磐石(バンジャク)に何かを言い聞かせ、二人を送り出す。鴻蒙心魔(コウモンシンマ)は風鈴(フウレイ)が早く祁来山に著くよう、彼女が寝ている間に土地を数千裏も移動させる。風鈴(フウレイ)は異変に気付くが、鴻蒙心魔(コウモンシンマ)は巧みに言い逃れる。風鈴(フウレイ)は磐石が楊嵐(ヨウラン)を背負って祁来山へ戻る姿を見かけるが、距離が遠いためはっきりとは見えない。しかし、鴻蒙心魔(コウモンシンマ)は三人の微妙な関係に気付く。
道観を出た後、風鈴(フウレイ)は鴻蒙心魔(コウモンシンマ)に観主への悟りの機会の約束を覚えているか尋ねる。鴻蒙心魔(コウモンシンマ)は、観主は二人をもてなしたことで既に悟りを開いたと言い、修行がそんなに簡単なら誰でも仙人になれると返す。別れ際、鴻蒙心魔(コウモンシンマ)は風鈴(フウレイ)に紫霞仙衣と、連絡用の玉簡を贈る。
九天門軍が祁来山を攻める緊急事態の中、磐石は楊嵐(ヨウラン)を連れて帰還する。彼の登場は士気を高め、九天門軍は容易く撃退され、玄聖神将は捕らえられる。磐石は楊嵐(ヨウラン)の療養のために部屋を改装させ、玄聖神将の琵琶骨を貫くよう命じる。九天門軍の代表として天官の曽贇が磐石との交渉に現れ、玄聖神将の解放を求める。当初は威勢を振るっていた曽贇だが、拷問で変わり果てた玄聖神将の姿を見て恐れおののく。磐石は顧天王に天桃百個と引き換えに玄聖神将を解放すると伝え、そうでなければ交渉の余地はないと告げる。
第24話の感想
第24話は、様々な登場人物の思惑が交錯し、物語が大きく動き出す重要な回でした。楊嵐(ヨウラン)と磐石の愛が深まる一方で、楊嵐(ヨウラン)の体は限界に近づき、磐石は愛する人を救うために奔走します。天桃をめぐる駆け引き、九天門軍との戦い、そして風鈴(フウレイ)の再登場など、息つく暇もない展開に引き込まれました。
特に印象的だったのは、鴻蒙心魔(コウモンシンマ)の存在です。風鈴(フウレイ)に近づき、親切を装いながら闇躍する彼の真意は何なのか、今後の展開が非常に気になります。彼が風鈴に紫霞仙衣と玉簡を与えた目的も謎めいており、不穏な空気を漂わせています。風鈴の純粋さと鴻蒙心魔(コウモンシンマ)の狡猾さのコントラストが、物語に緊張感を与えています。
また、磐石の楊嵐(ヨウラン)への深い愛情も胸を打つものがありました。楊嵐(ヨウラン)の命を救うため、どんな困難にも立ち向かう彼の姿は、まさに英雄と呼ぶにふさわしいでしょう。楊嵐(ヨウラン)もまた、磐石への愛と仲間への思いの間で葛藤する姿が切なく描かれていました。
つづく