万空山 のふもとで、磐石(バンジャク)は 7 日間以上、山門の外でひざまずいていました。山門は閉ざされており、仮応はありませんでした。その間、風鈴(フウレイ)という優しい女弟子が、ときどき善意からそっと近づいてきて、質素な食べ物を差し出してくれました。2 人の交流は、日を追うごとに静かに育まれていきました。山門の内外では、夢を追いかけて仙道を求める者や、残念な思いで去っていく者が行き交っていましたが、磐石(バンジャク)だけが、孤独な影で、揺るぎない決意を抱いていました。
天庭 では、月樹が青々と茂り、三界の縁を司る秘密を握っていました。仙女たちは、感情の禁を熟知しているにもかかわらず、美しい感情への漠然とした憧れを抑えることができませんでした。九霄宝殿では、北宸(ホクシン)神将が天帝(てんてい)に、泰白紀星(たいはくきせい)の罪を報告しました。軍需品を横領し、天河軍の兵力を損ない、多くの犠牲者を出したとして告発しました。泰白紀星(たいはくきせい)はこれを否定し、一触即発の事態となりましたが、天帝(てんてい)は巧みに立ち回り、争いを鎮めようとしました。
まさにその時、月老(ユエラオ)から驚くべき知らせがもたらされました。月樹に、北宸(ホクシン)の未来を闇示する花が咲いたのです。泰白紀星(たいはくきせい)はこれを機に、北宸(ホクシン)が 500 年以内に降格され、畜生に転生すると賭けに出ました。この言葉に、仙界は騒然となりました。福老一派は Schadenfreude を感じ、飛龍(ひりゅう)将軍などは北宸(ホクシン)の人柄を信じ、私情で失敗することはないと固く信じていました。
霓裳(ゲイショウ)仙子は、傍らに立ち、北宸(ホクシン)の姿を追う視線に、波紋が広がりました。かつて凡人の兵士だった頃の、彼の誠実な約束と誓いを思い出しました。しかし、時が経ち、2 人とも仙界の仲間入りを果たしたため、その思いは胸の奥深くにしまい込まれ、永遠の悔恨となりました。
地上 では、磐石(バンジャク)は四季の移り変わりや風雨にもかかわらず、山門の前に立ち続けました。風鈴(フウレイ)の陪伴が唯一の慰めとなり、毎日、清水と食べ物を受け取ることで、身体だけでなく心も温められました。春が過ぎ、秋が来ると、また別の若者が慕ってやってきました。風鈴(フウレイ)は何度も磐石(バンジャク)に諦めるように説得しましたが、彼の心の中の信念は磐石(バンジャク)のように揺るぎませんでした。
ある日、慈悲深い顔をした禿頭の和尚、瞭悟大師(りょうごたいし)がやってきました。彼は磐石(バンジャク)を見て、2 人は縁があると言いました。風鈴(フウレイ)の紹介で、磐石(バンジャク)は、この大師が解空祖師(かいくうそし)の親友であり、衆生を救うために来たことを知りました。瞭悟大師(りょうごたいし)が去った後、万空山の弟子たちは磐石(バンジャク)に対する態度を一変させ、殴る蹴るして追い出そうとしました。磐石(バンジャク)は歯を食いしばって耐え、鼻血が滴り落ちましたが、奇跡的に土壌を潤し、花を咲かせ、彼の心の中の善意と忍耐を象徴していました。
ついに、解空祖師(かいくうそし)は磐石(バンジャク)を直々に弟子として迎え、石有無と名付け、10 番目の弟子としました。この知らせは山全体に衝撃を与え、磐石(バンジャク)は生まれ変わったように生まれ変わりました。しかし、青雲子(せいうんし)などの弟子たちは、嫉妬と理解できないことから、磐石(バンジャク)に恨みを抱き、復讐の機会をうかがっていました。
一方、翎雲子(りょううんし)は楊岩(ヨウガン)に頼まれ、妖界の公主、楊嵐(ヨウラン)をおびき出し、万空山門下に入れることに成功しました。一方、泰白紀星(たいはくきせい)は私利私欲を追求し続け、地上では妖魔が横行し、天河軍は大きな被害を受けました。北宸(ホクシン)は激怒し、すぐに兵力を展開して、4 方面から妖王を包囲しました。彼は天任(てんにん)神将を率いて泰白紀星(たいはくきせい)の邸宅に突入し、問い詰めた結果、泰白紀星(たいはくきせい)はついに屈服し、軍需を補塡しました。
風鈴(フウレイ)は、磐石のために質素ながらも温かみのある住まいを用意しました。質素さに不満はありましたが、磐石は感謝の気持ちでいっぱいでした。一日も早く仙術を習得したいと願っていました。風鈴(フウレイ)は、山中の規則を丁寧に説明するだけでなく、いつでも対応できるように隣に引っ越すことにしました。翌日、磐石は修行のために山奥に送られました。7 日間で、彼は修行の真髄を徐々に理解し、時には煩わしさを感じながらも、風鈴(フウレイ)の導きで、ついに蔵経閣に入り、求道の旅が始まりました。
第3話の感想
第3話は、磐石の揺るぎない意誌と、風鈴(フウレイ)の献身的なサポートが印象的な回でした。磐石は、7日間も山門の外でひざまずき続け、風鈴(フウレイ)は、そんな彼に食事を差し出すなど、さりげない気遣いを見せていました。2人の交流は、静かに育まれていく様子が丁寧に描かれており、温かい気持ちになりました。
また、天庭では、北宸(ホクシン)と泰白紀星(たいはくきせい)の対立が激化しました。泰白紀星(たいはくきせい)は、軍需を横領し、天河軍の兵力を損なった罪で告発され、北宸(ホクシン)は、それを阻止しようと奮闘する姿が描かれていました。2人の対立は、三界の命運を左右する重要な事件へと発展していくことが予想され、今後の展開が気になります。
つづく