霓裳(ゲイショウ)と北宸(ホクシン)の出会い

眠りから目覚めた霓裳(ゲイショウ)は、薪を拾いに戻ってきた北宸(ホクシン)に助けを求めます。北宸(ホクシン)は闇闇に潜む諾伽(だくが)と仁聖神将(じんせいしんしょう)に気づきながらも、霓裳(ゲイショウ)と彼女の父親を荒涼とした地から連れ出し、簡素ながらも温かい茅葺屋根の家に案内します。諾伽(だくが)は天帝(てんてい)の命令に従うだけであり、北宸(ホクシン)と霓裳(ゲイショウ)の運命は天に委ねられます。

磐石(バンジャク)の決断

一方、磐石(バンジャク)は他の弟子たちと集まり、火山の異変について話し合っています。突然、九番目の弟子である夢湘上人から玉簡が届き、雲妮仙子と恋に落ちたものの天兵に追われていると知らされます。天兵は北斗瑶光洞と正面衝突するのを避けながらも、雲妮仙子を差し出すよう要求します。夢湘上人は愛する人を守るために妥協を拒否します。

危機的な状況の中、磐石(バンジャク)は風鈴(フウレイ)と共に駆けつけ、天兵に二つの選択肢を与えます。一つは命を落とし魂魄が消滅すること、もう一つは雲妮を見つけられなかったと虚勢を張ることです。天兵は磐石(バンジャク)の威名に恐れをなし、軽率な行動に出ることができません。しかし、清風子(せいふうし)が密かに術を使って天兵を操り、磐石(バンジャク)を攻撃します。両者は膠著状態に陥り、磐石(バンジャク)は身動きが取れなくなり、風鈴(フウレイ)たちは天兵に捕まってしまいます。

楊嵐(ヨウラン)の決意

磐石(バンジャク)の危機を知った楊嵐(ヨウラン)は、他の妖怪たちを率いて駆けつけ、風鈴(フウレイ)と共に戦いますが、窮地に陥ってしまいます。雲妮仙子は命を落とし、夢湘上人は悲しみに暮れます。磐石(バンジャク)は楊嵐(ヨウラン)の窮地を見て怒りを爆発させ、再び秘技を繰り出して天兵を退けます。処刑の令牌を目の前にした磐石(バンジャク)は怒りに震え、ついに鴻蒙心魔(コウモンシンマ)の真意を悟ります。

解空祖師(かいくうそし)の登場

解空祖師(かいくうそし)が現れ、天兵を操る根源を見つけ出し、鴻蒙心魔(コウモンシンマ)と激しく戦います。最終的に清風子(せいふうし)体内の魔気を追い出します。磐石(バンジャク)は風鈴(フウレイ)のそばで守りながら、金糸雀(キンシジャク)に価た青い翡翠の瞳を思い出し、鴻蒙心魔(コウモンシンマ)の言葉も相まって、風鈴(フウレイ)が金糸雀(キンシジャク)の転生ではないかと疑います。

幽泉子(ゆうせんし)の推理

幽泉子(ゆうせんし)は清風子(せいふうし)が操られたことに疑問を持ち、解空祖師(かいくうそし)は黒幕は無極聖尊(ムキョクセイソン)であると指摘します。無極殿から戻った無極聖尊(ムキョクセイソン)の行動は奇妙であり、その動機は依然謎に包まれています。祖師は弟子たちが天兵と勝手に衝突したことを叱責し、弟子たちは恐れて跪きます。磐石(バンジャク)だけが立ち上がり、祖師はそれを咎めることなく、夢湘上人を呼び出して訓戒します。この光景に磐石(バンジャク)は羨ましさを感じます。

楊嵐(ヨウラン)の病

丹彤子(たんとうし)は磐石の奔放な性格を高く評価し、他の弟子たちも彼に迷惑をかけたことを悔い、今後全力で協力することを誓います。一方、楊嵐(ヨウラン)は持病が悪化し、気を失ってしまいます。幽泉子(ゆうせんし)の診断によると、心肺機能が衰え、五臓が損傷しており、命は風前の灯火で、一年も持たない可能性があるとのことです。磐石はこれを聞いて必死に治療法を探し、命を懸けることも厭いません。幽泉子(ゆうせんし)は命を懸けた方法があるかもしれないと告げます。

磐石と楊嵐(ヨウラン)の決別

楊嵐(ヨウラン)は川辺に座って、磐石に病気を打ち明けるかどうか迷いますが、磐石が他の妖怪たちを率いて地府に侵入し、生死簿を調べようとしていることを知ります。彼女は心を痛め、磐石にその意味を問いますが、磐石は金糸雀(キンシジャク)に命を借りているので、彼女を祁来山に連れ戻す必要があると主張します。楊嵐(ヨウラン)は説得に失敗し、二人は再び決別します。

天帝(てんてい)の怒り

天帝(てんてい)は磐石が天兵を重傷させたことを知り、激怒します。泰白紀星(たいはくきせい)は、磐石の狙いは地府にあると指摘し、生死簿を調べさせて事態を収拾することを提案します。その後、飛龍(ひりゅう)将軍は幽冥王のもとに派遣され、幽冥王は鬼門関で磐石一行を迎え、生死簿が保管されている場所まで案内します。幽泉子(ゆうせんし)は術を使って妖怪たちの調査を早め、風鈴(フウレイ)は不安な気持ちで磐石が運命を決める生死簿をゆっくりと開くのを見守ります。

第37話の感想

第37話は、緊迫感と感動が入り混じった見応えのあるエピソードでした。特に、磐石と天兵の戦いは手に汗握る展開で、彼の圧倒的な強さと仲間への深い愛情が伝わってきました。また、楊嵐(ヨウラン)の命を懸けた決意と磐石の揺るぎない信念が対照的に描かれており、彼らの関係の複雑さを浮き彫りにしています。

一方で、解空祖師(かいくうそし)の登場と無極聖尊(ムキョクセイソン)の謎めいた行動は、物語に新たな謎を投げかけました。今後の展開がますます気になります。

つづく