祁来山では、金糸雀(キンシジャク)が磐石(バンジャク)の命の恩人であることを笠に著て、女主人のように振る舞い、他の妖怪たちを苛立たせていた。楊嵐(ヨウラン)と磐石(バンジャク)の深い絆を知る妖怪たちは、金糸雀(キンシジャク)を敬遠し、金糸雀(キンシジャク)は不満を募らせていた。そんな中、楊嵐(ヨウラン)は磐石(バンジャク)の異骨換血の件を風鈴(フウレイ)に相談されるも、話を遮ってしまう。金糸雀(キンシジャク)は楊嵐(ヨウラン)にあれこれと用事を言いつけ、楊嵐(ヨウラン)が席を外すと、妖怪たちに敬意を払われないことを愚痴る。姚聴心は、楊嵐(ヨウラン)が磐石(バンジャク)と共に生死を共にしていること、そして金糸雀(キンシジャク)が祁来山に貢献していないことを指摘する。
五妖王は金糸雀(キンシジャク)に取り入ろうと、楊嵐(ヨウラン)と同じ椅子を用意しようと提案するが、金糸雀(キンシジャク)は楊嵐(ヨウラン)の席に座り込み、他の妖怪たちの怒りを買う。公文書を読もうとする金糸雀(キンシジャク)と妖怪たちの間で争いが起こり、楊嵐(ヨウラン)が止めに入るが、思わず金糸雀(キンシジャク)を平手打ちしてしまう。金糸雀(キンシジャク)は楊嵐(ヨウラン)を罵り、磐石(バンジャク)と自分の仲を裂こうとしていると非難する。楊嵐(ヨウラン)は怒りに震え、金糸雀(キンシジャク)に手を上げようとするが、磐石(バンジャク)が間に入る。金糸雀(キンシジャク)は自分の想いをぶつけ、楊嵐(ヨウラン)は悲しみに暮れ、磐石に結婚の約束を果たすよう迫る。磐石の迷いに失望した楊嵐(ヨウラン)は、彼との縁を切り、二度と会う時は命を奪うと宣言して去ってしまう。
下山した楊嵐は、今は廃れた嵐山聖母廟に辿り著く。そこで功名利禄を祈る書生を見つけ、ある計略を思いつく。一方、磐石は金糸雀に、楊嵐への愛を告げ、金糸雀は親友以上の存在ではないと伝える。そして、楊嵐の捜索を命じる。
楊嵐は三界に結婚の招待状を送りつけ、天帝(てんてい)を激怒させる。天帝(てんてい)は楊嵐の逮捕と祁来山への攻撃を命じる。楊岩(ヨウガン)も軍を率いて嵐山へ向かう。楊嵐の助力で宰相にまで上り詰めた書生は、十万の軍を嵐山に配置するが、天兵天将には敵わないことを悟り、恐怖に慄く。
玉児は北宸(ホクシン)の本当の想いを知り、自分の気持ちと向き合う決意をする。磐石も楊嵐からの招待状を受け取り、鴻蒙心魔(コウモンシンマ)の言葉を思い出し、葛藤する。祁来山の妖怪たちは、楊嵐の結婚を阻止しようと嵐山へ向かう。五妖までもが一緻団結し、敵に立ち向かおうとしていた。
第40話の感想
第40話は、楊嵐の悲しみと怒りが爆発する、非常にドラマチックな展開でした。金糸雀の身勝手な行動や、磐石の優柔不断さが、楊嵐を追い詰めていく様子に、見ているこちらも胸が締め付けられました。特に、磐石に結婚の約束を果たすよう迫るシーンは、楊嵐の切実な想いが伝わってきて、涙なしでは見られませんでした。
一方、金糸雀の立場も理解できます。命の恩人として、磐石への想いは本物でしょう。しかし、その想いを周りの妖怪たちに理解してもらえず、孤立していく姿は、どこか哀れにも感じました。彼女が本当に求めているものは何なのか、考えさせられる部分もありました。
つづく