その夜、風鈴(フウレイ)は川辺に座り、鴻蒙心魔(コウモンシンマ)の言葉を思い出し、心を痛めていた。そこに翎雲子(りょううんし)が通りかかり、風鈴(フウレイ)は彼に無間地牢について尋ねた。無間地牢は三界で最も重い刑罰の場所であり、そこに入ると生きた心地がしなくなるため、修仙者ですら近寄らないという。
翎雲子(りょううんし)は、無極聖尊(ムキョクセイソン)は天道石を管理しており、修為も最も高いことから、人を無間地牢に入れるのは簡単なことだと語った。風鈴(フウレイ)はそれを聞いて不安になり、磐石(バンジャク)が拷問を受けている夢を見て、飛び起きた。彼女は玉簡を使って鴻蒙心魔(コウモンシンマ)を呼び出し、磐石(バンジャク)と祁来山の百万の妖たちを守るために、自分が犠牲になることを決意した。
翌日、風鈴(フウレイ)は柿子糕を作り、清風閣に持って行った。それは、師父である清風子(せいふうし)に長年の養育の恩に感謝するためであり、同時に涙ながらに別れを告げるためだった。清風子(せいふうし)に会った後、風鈴(フウレイ)は解空祖師(かいくうそし)の門前に来て、深く一礼をして去った。解空祖師(かいくうそし)は何かを感じたようだったが、どうすることもできなかった。
楊嵐(ヨウラン)は磐石(バンジャク)を連れて両親と兄の墓前に参り、磐石(バンジャク)を最愛の人として紹介した。磐石(バンジャク)は、これからも毎年楊嵐(ヨウラン)と一緒に墓参りに来ると約束した。楊嵐(ヨウラン)は、楊岩(ヨウガン)と一緒に物乞いをしていた頃、金霞洞まで行く途中、仙人たちに避けられていたが、悟定真人(ウーディンチェンレン)だけが受け入れてくれて、仙術を教えてくれたことを語った。そのため、楊嵐(ヨウラン)は悟定真人(ウーディンチェンレン)を両親として迎えたいと考えた。
北宸(ホクシン)は帥印を手に天庭に戻り、月樹の前で霓裳(ゲイショウ)が異元九転丹を飲んで自分の腕の中で死んだこと、天河軍の仲間たちが惨死したことを思い出した。泰白紀星(たいはくきせい)は天帝(てんてい)に、生死簿に金糸雀(キンシジャク)の情報が書かれていることを報告した。磐石(バンジャク)は金糸雀(キンシジャク)を探そうとしたが、金糸雀(キンシジャク)はすでに風鈴(フウレイ)に転生していたことを知らなかった。北宸(ホクシン)が召し上げられると、天帝(てんてい)は顧敬(グー・ジン)を北宸(ホクシン)に同行させ、祁来山に行って妖たちを攻撃し、風鈴(フウレイ)を捕らえるように命じた。
姚寸心(ヤオ・ツンシン)は楊岩(ヨウガン)を訪ねて、母親の遺品と用意した嫁粧を楊嵐(ヨウラン)に渡したいと申し出た。また、楊嵐(ヨウラン)がいつか白海に来て自分を迎えに来てくれることを願っていた。祁来山の妖たちは結婚式の準備に追われており、楊岩(ヨウガン)は出席することができなかったため、姚寸心(ヤオ・ツンシン)が楊岩(ヨウガン)の代理として出席した。
楊嵐(ヨウラン)が喜服を著て美しく輝いているのを見て、姚寸心(ヤオ・ツンシン)は心から喜んだ。しかし、磐石(バンジャク)が楊嵐(ヨウラン)に告白したことを聞いて、信じられない思いだった。そのとき、悟定真人(ウーディンチェンレン)が突然現れた。楊嵐(ヨウラン)は、師父が祁来山に残っているのは自分の願いを葉えるためでもあることを知っており、千年の養育の恩に感謝して、両親として自分の結婚式に出席してくれるよう頼んだ。
風鈴(フウレイ)は、祁来山にたどり著いた。しかし、周囲の華やかさは自分とは関係がなく、ただ悲しみが募るばかりだった。彼女は楊嵐(ヨウラン)と金糸雀(キンシジャク)に会い、最後の別れを告げた。風鈴(フウレイ)は、楊嵐(ヨウラン)と磐石(バンジャク)が幸せになってくれることを願い、金糸雀(キンシジャク)が磐石(バンジャク)のそばにずっといることができることを羨ましく思ったが、2人とも風鈴(フウレイ)の様子に気づかなかった。
結婚式当日、顧敬(グー・ジン)は九天門の軍を率いて祁来山付近にやって来た。彼は北宸(ホクシン)が描いた祁来山の地図を見て、隙を見て風鈴(フウレイ)を連れ去ろうとした。顧敬(グー・ジン)は尋仙盤を使って風鈴(フウレイ)の位置を特定し、時を待つことにした。一方、磐石(バンジャク)は白素(はくそ)と三太子諾伽(だくが)と一緒に街に出て、結婚式の準備を進めていた。
諾伽(だくが)と白素(はくそ)の仲はますます深まり、2人はまるで膠のようにくっついていた。磐石(バンジャク)はそれを見てうんざりし、2人に半日休暇を与えて、自由に散策させた。しばらくして、諾伽(だくが)は白素(はくそ)を連れて祁来山に戻り、結婚式に参加した。ちょうど鬼頭虫と千歳公主に遭遇し、今では諾伽(だくが)と鬼頭虫は敵ではなくなり、仲良くしていた。風鈴はそれを横目で見ながら、喜びと同時に少し寂しさを感じ、磐石(バンジャク)の王座に向かって別れを告げた。
第42話の感想
第42話は、緊迫感と感動が入り混じった、見応えのある内容でした。風鈴の決意、楊嵐(ヨウラン)と磐石の愛、そして北宸(ホクシン)の復讐劇など、様々な要素が絡み合い、物語が大きく動き出しました。
特に印象に残ったのは、風鈴の自己犠牲の精神です。彼女は磐石と祁来山の妖たちを守るため、自ら無間地牢に入ることを決意しました。その決意の強さと、磐石への深い愛情には胸を打たれました。
つづく