安楽伝 第15話 あらすじ/ネタバレ

刺客の侵入と帝承恩(ていしょうおん)の秘密

夜闇に紛れて、刺客が沅水閣に侵入します。暗殺者は短剣と簡潔な手紙を残して、闇の中に消えていきます。帝承恩(ていしょうおん)は表面上は驚きを装い、侍女慕青(ぼせい)を巧妙に部屋から追い出します。周囲が静寂に包まれると、彼女は手紙を開いて読み始めます。手紙には、10年前に赤い傘の下で交わした微妙な恩義について触れ、京城で庇護を与えることを約束していました。

任安楽(じんあんらく)の謝罪と洛銘西の忠告

間もなく、任安楽(じんあんらく)は洛銘西を訪ねてきます。彼女は先日の疑いを謝罪し、誠意を込めて話します。洛銘西は鋭い視線で任安楽(じんあんらく)を見つめ、安寧(あんねい)公主(あんねいこうしゅ)は帝家の旧事件について詳しく知っているかもしれないと忠告します。そして、姉妹の情に惑わされず、複雑な状況に巻き込まれないようにと助言します。

冷北(れい ほく)と姜瑜(きょう ゆ)の密約

一方、冷北(れい ほく)は相府に単身で乗り込み、利刃を突きつけて左相姜瑜(きょう ゆ)を問い詰めます。しかし、2人とも北秦の密命を背負い、大靖に潜伏していたことが明らかになります。姜瑜(きょう ゆ)と帝承恩(ていしょうおん)の間にも、傘にまつわる因縁があり、彼は帝承恩(ていしょうおん)を利用して、帝家の旧部を西北で再興する計画を立てます。冷北(れい ほく)は利害関係を考慮した末、姜瑜(きょう ゆ)と協力することを決意し、共に策を練ります。

忠義侯の娘と太子の妃選び

忠義侯の娘である古婉莹(こえんえい)が突然、太子妃の選考から辞退すると発表します。この突然の出来事に太后は困惑します。その後、太后は帝承恩(ていしょうおん)を宮殿に呼び寄せます。その真意は不明です。洛銘西はこのことを知り、任安楽(じんあんらく)に密かに忠告します。太后と忠義侯の背後にある企みに注意する必要があること、そしてこの権力闘争において帝承恩(ていしょうおん)が重要な役割を果たしていることを強調します。

静心堂での屈辱と慕青(ぼせい)の誓い

太后的寝宮である静心堂は、本来は静かに仏教の教えに親しむ場所ですが、この日は韓烨の訪問によって少し異なった雰囲気に包まれます。彼は経文を黙々と書き写している帝承恩(ていしょうおん)に気づき、複雑な感情が込み上げてきます。挨拶を交わした後、帝承恩(ていしょうおん)は経文を提出し、過去の傲慢な態度を悔い改め、太后と大靖のために祈りたいと述べます。しかし、これは太后が仕掛けた試練に過ぎませんでした。彼女は帝承恩(ていしょうおん)を偏殿に連れて行き、低位の宮女の服を着せて辱め、事実上軟禁状態にします。そして、心を磨くために経文を書き写し続けるように命じます。

安乐公主の怒りと韓烨の助け

この知らせを聞いた安乐公主は怒りを抑えきれず、剣を持って太后的宮殿に押し入ります。彼女は帝家の遺児に対する残忍な仕打ちを問い詰めます。太后は激怒し、2人は剣を向け合います。その瞬間、韓烨が駆けつけてきて、安乐を連れて帝承恩(ていしょうおん)を連れ去ります。逃げる途中、帝承恩(ていしょうおん)は弱々しい姿で慕青(ぼせい)に側にいてくれるように懇願します。慕青(ぼせい)は心を動かされ、決して離れないと誓います。帝承恩(ていしょうおん)は心の中で、赤い傘の恩義を利用して庇護を求め、再び立ち上がることを決意します。

韓烨の心境と任安楽(じんあんらく)の忠告

夜が更けていく中、韓烨は1人で散歩をしていると、任安楽(じんあんらく)に出くわします。彼は彼女に心境を吐露します。かつての帝梓元(ていしげん)の自由奔放な姿と、今の従順な帝承恩(ていしょうおん)の姿を比較し、受け入れられないと嘆きます。任安楽(じんあんらく)は韓烨に、目の前の人を大切にし、後悔を繰り返さないようにと諭します。

冷北(れい ほく)の迷宮と安宁の苦悩

一方、任安楽(じんあんらく)と洛銘西は密会し、安宁が帝承恩(ていしょうおん)を庇護していることについて話し合います。任安楽(じんあんらく)は韓家の所業を憎みながらも、無実の安宁を傷つけることに躊躇します。その頃、冷北(れい ほく)は安宁の寝宮に迷宮を仕掛け、北秦に必要な情報を手に入れようとします。しかし、彼は安宁が深い悪夢に悩まされ、良心の呵責に苦しんでいる姿を目撃します。冷北(れい ほく)は同情心を抱き、真相を究明せずに立ち去ります。

太子妃選考と任安楽(じんあんらく)の策略

太子妃選考が近づいてきましたが、韓烨は任安楽(じんあんらく)に招待状を送っていません。すると、任安楽(じんあんらく)が太子に嫌われた、帝承恩(ていしょうおん)が最終的な勝者になるという噂が飛び交います。任安楽(じんあんらく)は屈することなく、巧妙な策略を巡らせます。彼女は噂を利用して韓仲远に圧力をかけ、さらに辛辣な内容の本をちらつかせて、韓烨に招待状を渡すように迫ります。任安楽(じんあんらく)の機転と粘り強さに、韓烨は表面上は平静を装っていますが、心の中では波紋が広がっていました。

第15話の感想

  • 帝承恩(ていしょうおん)が静心堂で屈辱を受けるシーン。かつての傲慢な態度を悔い改める彼女の姿は、見るに堪えませんでしたが、同時に彼女の強靭な精神力を感じさせられました。
  • 安乐公主が韓烨の助けで帝承恩(ていしょうおん)を連れ去るシーン。2人の間に芽生えつつある絆に胸が熱くなりました。
  • 韓烨と任安楽(じんあんらく)が心境を吐露するシーン。2人の切ない想いに心が痛みました。
  • 冷北(れい ほく)が安宁の苦悩を目撃するシーン。冷北(れい ほく)の行動は、彼の人間らしさを感じさせるものでした。

また、各キャラクターの思惑が交錯する様子も興味深く描かれていました。

  • 帝承恩(ていしょうおん)は、赤い傘の恩義を利用して庇護を求め、再び立ち上がろうとします。
  • 姜瑜(きょう ゆ)は、帝家の旧部を西北で再興することを企んでいます。
  • 太后は、帝承恩(ていしょうおん)を軟禁し、心を磨くように命じます。
  • 韓烨は、帝梓元(ていしげん)と帝承恩(ていしょうおん)の姿を比較し、複雑な感情を抱きます。
  • 任安楽(じんあんらく)は、韓家の所業を憎みながらも、無実の安宁を傷つけることに躊躇します。

つづく