安楽伝 第26話 あらすじ/ネタバレ

太后の寿宴から数日、世論は騒然としていた。静心堂では、太后は老いた容貌で、かつての威厳は失われていたが、心には悔いはない。天下は韓氏のもの、帝家の八万の鉄騎が皇権を脅かすことは許されない。靖南の地では、雄兵が待機しており、皇位へのいかなる脅威も許さない。

韓仲遠(かんちゅうえん)は帝永寧(ていえいねい)と手足のように育ち、太后的偏愛を理解していたが、その偏愛が禍根となった。太后的行動は、一見息子を守るためのように見えるが、実際には仲遠の実力が永寧に及ばないことを憂慮したためであり、仲遠は心を痛めながら宮殿を去った。安寧(あんねい)は殿前に跪き、母に代わって罪を請うた。

この時、任安楽(じんあんらく)は帝梓元(ていしげん)の名前を取り戻していた。帝家の旧邸は10年間放置され、荒れ果てていた。洛銘西は、靖安侯府を再建するために改築を提案し、亡霊を慰めようとした。安楽は廃墟に立ち、かつての滅門の痛みが蘇り、韓燁(かんよう)への思いも取り戻せないことを悟った。

幽閉された太后は、帝盛天からの手紙を受け取り、伏翎山へ向かい、故人に会おうとした。かつての高貴な女性は、韓子安と結婚したが、子安は帝盛天を慕っており、二人は志を同じくし、天下を治めた。帝盛天は権力を望まず、天下の半分を譲り、紛争を避けるために雲遊した。

太后は、帝盛天を夫を奪ったと誤解し、恨んでいたが、実際には帝盛天は韓子安の命を救うために真気を使い果たし、3年間命を延ばし、天下の太平をもたらした。真相を知った太后は驚き、欺瞞を責め、自分の多情さを嘲笑し、別れ際に帝盛天を子孫を顧みないと言い、自分は大過を犯したとしても後悔はないと告げた。

その夜、人々の心はそれぞれに揺れ動いた。韓燁(かんよう)は眠れず、友情は失われた。安寧(あんねい)は屋敷に戻り、茫然自失となり、冷北(れい ほく)は慰め、代わりに働くと申し出た。洛銘西は帝家の冤罪が晴れたことを喜び、琳琅(りん ろう)は気遣うが、彼は任安楽(じんあんらく)のために生きるだけだと答えた。帝承恩(ていしょうおん)は靖安侯府で雨の中泣き、慕青(ぼせい)は黙って守ると誓った。

太后は韓子安の肖像画に別れを告げ、翌日、皇城の鐘が60回鳴り響き、人々は様々な反応を示した。韓家の兄妹は涙を流した。冬の日、太后は静心堂で自害し、遺書には韓仲遠(かんちゅうえん)を想うことだけが記されており、帝家には申し訳ないが、民には申し訳ないと書かれていた。

帝家の事件はこれで終わり、京都では暗流が渦巻き、新たな局面が始まろうとしていた。帝承恩(ていしょうおん)は失脚し、姜瑜(きょう ゆ)は安寧(あんねい)を利用して彼を除こうとするが、冷北(れい ほく)は拒否し、安寧(あんねい)を利用して青南城を奪うという長期的計画を提案した。こうして、愛憎の物語は歴史の塵となり、未来への道は、人々が困難を乗り越え、前に進むことを待っている。

第26話の感想

第26話は、安楽伝の物語に大きな区切りをもたらす回でした。真相が明らかになり、それぞれのキャラクターが選択を迫られ、物語は新たな局面へと進みます。

特に印象的なのは、太后の最期です。かつての権力者としての威厳を失い、後悔の念に苛まれながらも、自分の信念を貫き通した姿は、哀れでありながら、ある種の強さを感じさせます。また、韓仲遠(かんちゅうえん)と帝永寧(ていえいねい)の兄弟愛、洛銘西の変わらぬ忠誠心、そして安寧(あんねい)の複雑な心情など、様々な人間模様が描かれており、見応えのある回でした。

一方で、ラストシーンで姜瑜(きょう ゆ)が安寧(あんねい)を利用して帝承恩(ていしょうおん)を排除しようとするなど、物語はまだまだ終わりません。今後、安寧(あんねい)がどのような選択をするのか、そして帝家と韓家の関係がどうなるのか、注目していきたいです。

つづく