安楽伝 第27話 あらすじ/ネタバレ

太后の葬儀は質素なものとなり、棺は三日安置され、皇帝のみが宗室を率いて弔問した。韓燁(かんよう)は孝行のため太子府に数日滞在し、粗食をとり、身体はさらに衰弱していく。任安楽(じんあんらく)は苑書(えんしょ)と苑琴(えん きん)を連れて太子府を訪れ、韓燁(かんよう)は任安楽(じんあんらく)に自分への気持ちは本心なのか偽りなのか正直に打ち明けてほしいと願う。

しかし、任安楽(じんあんらく)は真相がまだ天下に明らかになっていないため、互いに情愛を語る必要はないと考える。韓燁(かんよう)は韓家のためにお詫びをしたいと言うが、任安楽(じんあんらく)はきっぱりと拒否する。彼女はただ韓仲遠(かんちゅうえん)からの返答を得て、帝家の汚名をそそぎたいだけなのだ。二人は立場が違い、背負うものが多すぎる。溫朔 (おんさく)は任安楽(じんあんらく)を引き留めようと、自分は永遠に姉として慕っていると告げる。任安楽(じんあんらく)は溫朔 (おんさく)の言葉に慰められる。

冷北(れい ほく)は安寧(あんねい)に食料を届け、安寧(あんねい)は落ち着きを取り戻した後、公務に取り掛かる。特に、西北で北秦人が住民を略奪する事件が発生していることに注目し、防衛線を強化することを決意する。その後、冷北(れい ほく)は姜瑜(きょう ゆ)を訪ね、早く手を下すように警告する。姜瑜(きょう ゆ)は今の状況では韓仲遠(かんちゅうえん)を利用して任安楽(じんあんらく)を排除すべきだと考え、民衆の怒りを買うとともに後顧の憂いをなくすことができるという。姜瑜(きょう ゆ)は任安楽(じんあんらく)を排除する方法には欺君の罪など他にもたくさんあると考えており、十年前の旧事件が蒸し返されたとしても、玳山にいた人物が任安楽(じんあんらく)ではなかったという事実は変わらないと主張する。

琳琅(りん ろう)は最近、京城に知らない顔が増えていることに気付き、太后が崩御した翌日に洛銘西に報告する。翎湘楼では、多くの学士や知識人が議論を交わし、任安楽(じんあんらく)の知勇を称賛し、彼女が第二个帝盛天になる可能性があると噂している。天下が変わるかもしれないというのだ。

噂はすぐに韓仲遠(かんちゅうえん)の耳に届き、任安楽(じんあんらく)、そして帝盛天の存在は依然として彼にとって脅威である。洛銘西は任安楽(じんあんらく)が皇帝の眼中釘になるのではないかと心配し、任安楽(じんあんらく)を守るために独断で宮殿に入り、すべての罪を被って投獄を願い出る。韓仲遠(かんちゅうえん)は激怒し、洛銘西を刑部大牢に投獄するよう命じる。

琳琅(りん ろう)は翎湘楼を閉鎖するよう命じられ、洛銘西が一番好きな踊りを一人で踊る。洛銘西が投獄され、生死不明となった今、自分も殉死を決意し、かつての美しい思い出と共に、洛銘西から託された最後の任務を果たす。この時、韓燁(かんよう)は洛銘西が投獄されたことを聞き、驚きと悲しみに暮れる。洛銘西が任安楽(じんあんらく)のためにここまでしてくれるとは夢にも思わなかった。

その後、帝梓元(ていしげん)が刑部大牢を訪れ、傷だらけの洛銘西を見て罪悪感に駆られ、自ら薬を塗って救い出す方法を考え出す。韓燁(かんよう)は牢から出てきて任安楽(じんあんらく)に会い、洛銘西の状況は良くないと伝えるが、任安楽(じんあんらく)は自分を信じてほしいと願う。韓燁(かんよう)は再び旧情を蒸し返そうとするが、任安楽(じんあんらく)はそれを避け、刑部大牢に入っていく。

任安楽(じんあんらく)は洛銘西の弱った姿を見て心を痛め、涙が止まらない。刑部が残酷な手段に長けていることを知っていながら、どうしてこんなにもろい彼が耐えられるのかと嘆く。洛銘西は任安楽(じんあんらく)を慰め、現在の状況がまだ安定していないことを忘れないようにと諭し、足元を固めることが最も重要だと告げる。

任安楽(じんあんらく)は再び計略を巡らし、士子の怒りを煽る。民衆は怒りを抑えきれず、重陽門に押しかけて冤罪を訴える。今や、全城が韓家が恩を仇で返したと噂しており、韓仲遠(かんちゅうえん)は太后を問いただすのではなく、洛銘西を投獄して帝家の旧事件を隠蔽しようとしているという。

韓燁(かんよう)はこれを機に韓仲遠(かんちゅうえん)に面会し、洛銘西の釈放を直訴する。韓仲遠(かんちゅうえん)は洛銘西を処刑するつもりはないと指摘し、洛銘西が当年に行ったことは欺君ではなく、忠臣を守った行為であり、今回の行動は韓家の名誉を守るためのものであることを理解している。韓仲遠(かんちゅうえん)は何も言わず、考え込む。韓燁(かんよう)は、今日士子たちが命を懸けて訴えたことは、彼らが大靖を信じ、皇帝が率先して帝家の汚名をそそぎ、天下に公正をもたらしてくれると信じていることの証であると考える。

第27話感想

第27話は、物語が大きく動き出す重要な回でした。太后の質素な葬儀、韓燁(かんよう)の衰弱、任安楽(じんあんらく)と韓燁(かんよう)のすれ違いなど、緊迫した展開が続きます。

特に印象に残ったのは、洛銘西の投獄と琳琅(りん ろう)の殉死です。洛銘西は任安楽(じんあんらく)を守るために罪を被り、琳琅(りん ろう)は洛銘西への愛ゆえに命を絶ちました。彼らの自己犠牲は、物語に深い感動を与えてくれます。

また、韓仲遠(かんちゅうえん)の葛藤も描かれています。彼は帝家を守るために洛銘西を投獄しますが、その一方で洛銘西の忠誠心も理解しています。彼の苦悩は、物語に複雑さを加えています。

つづく