安楽伝 第29話 あらすじ/ネタバレ

青南の頂で、韓燁(かんよう)は誓う。大靖を盛世に導き、万民に太平の光をもたらすことを。

帝家軍への祭祀を終え、夜が更ける。溫朔 (おんさく)、苑琴(えん きん)たちは丘に座り、満天の星を見上げる。国のために命を落とした英霊たちは、不滅の星となってこの地を守り続けているのだ。

溫朔 (おんさく)は、任安楽(じんあんらく)が以前より冷淡になったことに気づく。韓燁(かんよう)との仲が元通りになることを願うが、世事は思い通りにはいかない。苑琴(えん きん)は、任安楽(じんあんらく)が京に戻ってから内向的になり、韓燁(かんよう)に出会って初めて笑顔を見せたことを知っている。しかし、韓燁(かんよう)は皇太子であり、簡単に近づくことはできない。この1年間の愛情は、すべて任安楽(じんあんらく)への思いから生まれたものだった。しかし、情が深ければ深いほど、2人の身分の差は大きく、たとえ時を戻したとしても運命を変えることはできない。

溫朔 (おんさく)は任安楽(じんあんらく)に帝燼言のことを尋ねるが、突然黑衣の刺客に襲われる。韓燁(かんよう)、洛銘西らが駆けつけて事なきを得る。刺客が落とした令牌から、皇帝の暗衛である梅花内衛が関わっていることが判明し、任安楽(じんあんらく)は怒りをあらわにする。韓燁(かんよう)は皇帝の仕業ではないと主張し、洛銘西も同意する。刺客は北秦の京の勢力と関係があり、古雲年は単なる駒に過ぎないと考える。

8万の英霊が安らかに眠りについた後、韓燁(かんよう)は任安楽(じんあんらく)の今後の予定を尋ねる。彼女は官を辞して靖南に戻りたいと答える。韓燁(かんよう)は引き留めるが、任安楽(じんあんらく)は盛世に貢献したいと願っている。韓仲遠(かんちゅうえん)は任安楽(じんあんらく)を賞賛し、恨みは消えたと語り、悲劇が繰り返されないことを願う。

大靖の朝は腐敗しており、民衆は苦しんでいる。洛銘西は任安楽(じんあんらく)に、天下を韓家に任せていいのかと問う。任安楽(じんあんらく)は韓燁(かんよう)が太平を開くことができると信じているが、自分自身は身を引くつもりであり、洛銘西を靖南に誘う。洛銘西は黒幕が左相姜瑜(きょう ゆ)であることを突き止める。姜瑜(きょう ゆ)の計画は失敗したが、別の企みがあるようだ。

溫朔 (おんさく)は任安楽(じんあんらく)に別れを告げ、名残惜しさを隠せない。帰路、彼は突然拉致され、目隠しをされてしまう。帝家軍の旧部が動き出し、洛銘西は暗殺の背後に旧部を扇動する陰謀があると推測する。不測の事態を防ぐため、彼は帝家軍を再編成して任安楽(じんあんらく)を守ることを決意する。

その頃、韓燁(かんよう)が姜瑜(きょう ゆ)を街中で斬殺したとの知らせが舞い込む。洛銘西は急いで現場に向かう。韓燁(かんよう)は怒りに満ち、姜瑜(きょう ゆ)を斬りつける。姜瑜(きょう ゆ)は真相を暴き、帝家の人間を道連れにすると挑発する。韓燁(かんよう)は剣を振り下ろし、姜瑜(きょう ゆ)は血しぶきを上げて絶命する。洛銘西が駆けつけたときには、すでに遅かった。

任安楽(じんあんらく)は知らせを聞いて、韓燁(かんよう)の安否を気遣う。洛銘西は彼女の心が乱れていることを知り、靖南への道は平穏ではないだろうと考える。嵐が過ぎ去った後、大靖の未来、韓燁(かんよう)と任安楽(じんあんらく)の運命は依然として不透明であり、すべてはこれから始まる。

第29話感想

第29話は、怒涛の展開が続く回だった。帝家軍への祭祀、黑衣の刺客、姜瑜(きょう ゆ)の暗殺など、息つく暇もない。韓燁(かんよう)は帝家軍の遺志を継ぎ、大靖を盛世に導こうと決意するが、その道のりは険しい。任安楽(じんあんらく)は官を辞して靖南に戻りたいと考えるが、彼女を待ち受けるのは平穏ではないだろう。洛銘西は黒幕を追うが、新たな陰謀が渦巻いているようだ。

キャラクターの心情描写も細かかった。溫朔 (おんさく)は任安楽(じんあんらく)の変化に気づき、韓燁(かんよう)との仲を心配する。苑琴(えん きん)は任安楽(じんあんらく)の心の内を見抜き、韓燁(かんよう)への思いを理解している。韓燁(かんよう)は帝家軍への責任感と任安楽(じんあんらく)への愛の間で葛藤する。任安楽(じんあんらく)は国への忠誠心と私情の間で揺れ動く。洛銘西は冷静沈着に事態を分析し、韓燁(かんよう)と任安楽(じんあんらく)を支えようとする。

つづく