安楽伝 第34話 あらすじ/ネタバレ

任安楽(じんあんらく)が3日間も目を覚まさない中、韓燁(かんよう)は寝食を忘れて彼女の看病に専念し、彼女のそばで想いを打ち明ける。その後、韓燁(かんよう)は洛銘西に会いに行くが、彼は帝家と任安楽(じんあんらく)のために10年間も朝廷で暗躍してきたにもかかわらず、なぜ簡単に罠にかかったのかと問う。

しかし、洛銘西は死を望んでおり、安寧(あんねい)が任安楽(じんあんらく)を救うために出兵させたことを隠蔽する。韓燁(かんよう)は真相を知っているものの、軍の士気を維持するために彼を処刑せざるを得ない。最終的に韓燁(かんよう)は洛銘西を刑場に連れて行き、毒酒を飲ませる。任安楽(じんあんらく)が目を覚まして駆けつけた時には、すでに手遅れだった。洛銘西は毒を飲んで死んでしまう。

悲しみに暮れる任安楽(じんあんらく)は洛銘西の遺体を持ち去ろうとするが、韓燁(かんよう)に拒否される。韓燁(かんよう)は洛銘西をその場で埋葬するよう命じる。このことで、任安楽(じんあんらく)は韓燁(かんよう)を許すことができなくなり、刑場で夜通し跪く。韓燁(かんよう)もまた、何も食べずに溫朔 (おんさく)に今日の出来事について意見を求める。二人の関係は完全に冷え切ってしまう。

部屋に戻った任安楽(じんあんらく)は鎧を見つめながら、帝家軍を再編成して北秦に反攻することを決意する。溫朔 (おんさく)は韓燁(かんよう)の行動が任安楽(じんあんらく)を傷つけたことを指摘するが、韓燁(かんよう)は自分が大靖の皇太子である以上、軍の士気が乱れて北秦に隙を与えてしまえば、大靖の民に顔向けできないと主張する。彼の選択は、利害を天秤にかけ、やむを得ず下した決断だった。

その夜、溫朔 (おんさく)と苑琴(えん きん)は城壁で語り合い、溫朔 (おんさく)は苑琴(えん きん)に想いを伝える。苑琴(えん きん)もまた、自分の気持ちに正直になり、溫朔 (おんさく)の想いに応える。韓燁(かんよう)は任安楽(じんあんらく)が軍を集結させたことを知り、彼女の今後の計画を聞こうとするが、冷たく拒否される。

すぐに任安楽(じんあんらく)は数百の兵を率いて北秦に侵攻し、次々と勝利を収める。大靖が失った城をすべて奪還し、北秦軍は西北へと敗走し、ついには全軍崩壊する。城内では任安楽(じんあんらく)の武勇伝が語り継がれ、帝家軍は天兵の如く、彼らが国境を守れば大靖は盤石になると歌われる。

これに対し、韓仲遠(かんちゅうえん)は帝家が韓氏にとって脅威になると恐れ、梅花内衛に任安楽(じんあんらく)を暗殺するよう命じる。彼女を絶対に生きたまま京に戻してはならないと考える。

冷北(れい ほく)は長年潜伏してきたが、帝梓元(ていしげん)によって一夜のうちに部隊を壊滅させられてしまう。城を奪還するのは容易ではないと判断した冷北(れい ほく)は、部下にどんな犠牲を払っても任安楽(じんあんらく)を殺すよう命じる。彼女を殺すことができれば、軍の士気を乱すことができるからだ。

一方、韓燁(かんよう)と洛銘西は安寧(あんねい)の墓参りに行く。任安楽(じんあんらく)の勝利の知らせが彼女の在天の霊を慰めることを願う。

実は、韓燁(かんよう)は洛銘西を殺すつもりはなく、密かに彼の偽装死を計画していた。琳琅(りん ろう)は韓燁(かんよう)の命令で莫霜(ばくそう)の馬車を襲撃し、彼女の命を盾に冷北(れい ほく)に安寧(あんねい)の遺体を渡すよう脅迫していた。安寧(あんねい)は北秦が任安楽(じんあんらく)を襲撃する情報を手に入れると、洛銘西に救援を要請する手紙を送っていた。この命令は後戻りできないことを承知の上で、自分の命を犠牲にして任安楽(じんあんらく)を守ろうとしていたのだ。

韓燁(かんよう)は軍に戻ってから真相を説明すると約束するが、洛銘西は戦が終わってからにした方がいいと提案する。今説明すると軍の士気が乱れる恐れがあるからだ。洛銘西は韓仲遠(かんちゅうえん)が梅花内衛を任安楽(じんあんらく)の暗殺に送り込んだことを明かし、韓燁(かんよう)が後継者としてこの危機を乗り越え、天下に太平をもたらすことを信じていると告げる。

任安楽(じんあんらく)は北秦軍が軍献城を攻めようとしているという情報を受け取るが、同時に洛銘西が生きているという知らせも届く。洛銘西は軍献城に向かっている途中だった。青南城で、任安楽(じんあんらく)は韓燁(かんよう)に別れを告げる。今日を最後に、二度とこの地を踏むことはないだろう。韓燁(かんよう)は任安楽(じんあんらく)に、どうか生きて靖南に戻って長思花が咲くのを見てほしいと願う。

第34話 感想

第34話は、衝撃的な展開と複雑な感情が交錯する、見応えのあるエピソードでした。

まず、洛銘西の死は大きな衝撃でした。彼は帝家と任安楽(じんあんらく)のために尽くし、死を覚悟した上で安寧(あんねい)の遺体を奪還するという重要な役割を果たしました。彼の死は、任安楽(じんあんらく)と韓燁(かんよう)の心に大きな傷を残すことでしょう。

また、韓燁(かんよう)の苦悩も印象的でした。彼は大靖の皇太子として、軍の士気を維持するために洛銘西を処刑せざるを得ませんでした。しかし、彼は洛銘西の死を心から望んでおらず、密かに彼の偽装死を計画していたことも明らかになりました。韓燁(かんよう)の葛藤と苦悩は、彼の複雑な立場を浮き彫りにしています。

一方、任安楽(じんあんらく)の悲しみと怒りは、彼女の強い意志を感じさせました。彼女は洛銘西の死を乗り越え、帝家軍を率いて北秦に反攻することを決意します。彼女の強い意志と決意は、今後の展開に大きな影響を与えることでしょう。

つづく