第10話は皓翎玖瑶(こうれい きゅうよう)の医館「回春堂」の盛大な開業式から始まります。塗⼭璟(とざんけい)は入念な準備を行い、名医 鄞医師(いん いし)を招聘し、医術の象徴である立派な「回春堂」の看板を贈り、玖瑶を大いに喜ばせました。式典では、静夜(せいよ)と鄞医師(いん いし)が皆の前で愛を誓い合い、手を取り合う姿は、新たな佳話の始まりとなりました。玖瑶は二人の幸せを心から祝福します。

しかし、祝賀ムードの裏では不穏な空気が漂っていました。塗⼭璟(とざんけい)は遠くから感じる視線に気づきますが、その正体は掴めません。辰栄馨(しんえいけい)悦(けいえつ)は物陰から、塗⼭璟(とざんけい)と皓翎玖瑶(こうれい きゅうよう)の仲睦まじい様子を眺め、嫉妬と苦悩に胸を締め付けられます。

玖瑶を取り巻く噂を心配した塗⼭璟(とざんけい)は、真実を探るため、そして愛する人を守るため、古蜀と北流城へと旅立ちます。静夜(せいよ)には、玖瑶に聞かれたら家の用事だと伝え、出発を隠すよう頼みます。玖瑶の元へ戻ると、二人は抱き合い、積もる思いを語り合います。

将来について、塗⼭璟(とざんけい)は防風意(ぼうふうい)映の問題が解決間近であることを告げ、年明けに結婚の話をしようと約束し、玖瑶に希望を与えます。しかし、再び浮上した出生の噂に玖瑶は落胆しますが、塗⼭璟(とざんけい)は優しく慰め、二人は共に困難に立ち向かおうとします。

朝廷では、噂が再燃し、玖瑶を追放すべきだという声があがりますが、瑲玹(そうげん)はそれを厳しく一蹴し、玖瑶を守り、正義を貫きます。皓翎(こうれい)王も玖瑶に宝物を下賜し、寵愛と信頼を示します。

大晦日の夜、瑲玹(そうげん)が一人で小月頂へ向かったことに、辰栄馨(しんえいけい)悦(けいえつ)は不満を募らせ、玖瑶への嫉妬をさらに深めます。一方、王宮では玖瑶は家族と温かい時間を過ごし、酔った勢いで祖父に自分の出生について尋ねます。祖父は、出自に関わらず、玖瑶は大切な家族の一員だと優しく答え、玖瑶は深く感動します。

しかし、その夜、玖瑶は偶然、母と赤宸(せきしん)に関する噂を耳にしてしまい、心を痛め、その場を飛び出してしまいます。塗⼭璟(とざんけい)は後を追いかけ、瑲玹(そうげん)に問いただしますが、明確な答えは得られません。しかし、二人の間には静かな信頼と理解が深まります。

悲しみに暮れる玖瑶は、片腕の老人を探しますが、すでに亡くなっていることを知り、絶望に打ちひしがれます。そこに現れた相柳(そうりゅう)は、友人として玖瑶を慰め、母の選択を信じ、外野の声に惑わされるなと励まします。相柳(そうりゅう)の言葉に玖瑶は少し落ち著きを取り戻しますが、未来への不安は消えません。

第10話の感想

「長相思」シーズン2 第10話は、喜びと不安、そして様々な人間模様が交錯する、感情のジェットコースターのようなエピソードでした。回春堂の開業を祝う華やかなシーンでは、玖瑶と塗⼭璟(とざんけい)の幸せそうな姿に心が温まりました。特に、静夜(せいよ)と鄞医師(いん いし)の愛の告白は、二人の未来を祝福する玖瑶の温かい人柄が表れていて、見ているこちらも幸せな気持ちになりました。

しかし、その幸せも束の間、玖瑶の出生に関する噂が再び浮上し、物語は一気に闇い影を落とします。塗⼭璟(とざんけい)は愛する玖瑶を守るため、真相を探る旅に出ますが、残された玖瑶の不安は計り知れません。瑲玹(そうげん)は公の場では玖瑶を擁護しますが、小月頂に一人で向かうなど、どこか謎めいた行動も気になります。

辰栄馨(しんえいけい)悦(けいえつ)の嫉妬心もさらに深まり、今後の展開に不安を感じさせます。大晦日の夜、玖瑶は家族の温かさに触れ、祖父の言葉に感動するシーンは、彼女の孤独な戦いを際立たせていました。しかし、その直後に耳にした噂は、彼女にとってあまりにも残酷でした。

つづく