相柳(そうりゅう)の優しい言葉に慰められ、小夭(しょうよう)の心は徐々に闇から抜け出していく。彼女は好奇心から相柳(そうりゅう)に赤宸(せきしん)の過去を尋ねるが、何も知らないという答えが返ってくる。赤宸(せきしん)が選んだ道への小夭(しょうよう)の戸惑いに、相柳(そうりゅう)は低いながらも力強い声で戦争の残酷さと将軍の苦悩を語る。それはまるで赤宸(せきしん)だけでなく、自身の運命をも重ねているようだった。

小夭(しょうよう)は母の教えを思い出し、深い愛情に懐かしさと苦しさを感じる。かつての母の欺瞞と見捨てられた記憶が拭えず、目を閉じていると、相柳(そうりゅう)はいつもの灯を残して静かに去っていく。怒りに駆られた小夭(しょうよう)は灯を投げつけようとするが、駆けつけた塗⼭璟(とざんけい)に優しく止められる。灯火に照らされた灯の模様は壮大な言葉をつづり、小夭(しょうよう)は両親の当時の苦境と犠牲を理解する。涙が静かにこぼれ落ち、自らの苦しみを痛感し、両親への恨みとどうしようもない気持ちが入り混じる。塗⼭璟(とざんけい)は小夭(しょうよう)を強く抱きしめ、確かな支えとなる。

家に戻っても小夭の心は乱れたまま。瑲玹(そうげん)は彼女の苦しみを理解し、共に杯を交わし、母への想いと後悔を語り合う。互いに寄り添い、闇から抜け出す力を探す。

しかし、皓翎(こうれい)王からの知らせは青天の霹靂だった。小夭は実子ではなく、称号と宗籍を剝奪するというのだ。皓翎憶(こうれいおく)は驚きと戸惑いを隠せず、小夭にとって追い打ちだと憤る。皓翎(こうれい)王は沈黙を守り、蓐収(じゅくしゅう)は興奮する皓翎憶(こうれいおく)を連れ出し、事態の悪化を防ぐ。

一方、辰栄馨(しんえいけい)悦(けいえつ)は小夭の不幸を聞き、密かに喜ぶ。⾚⽔豊隆(せきすいほうりゅう)(せきすいほうりゅう)は、小夭の噂は瑲玹(そうげん)が彼女の重要性を示すために意図的に流したものだと伝える。しかし、辰栄馨(しんえいけい)悦(けいえつ)の怒りは収まらず、⾚⽔豊隆(せきすいほうりゅう)(せきすいほうりゅう)を追い返し、小夭への敵意は変わらない。

皓翎(こうれい)王の命令に絶望した小夭は、過去の手紙を燃やそうとするが、塗⼭璟(とざんけい)に止められる。二人が考え込んでいると、祖父と瑲玹(そうげん)が姓を変える相談をしているのが聞こえてくる。小夭は盗み聞きが祖父に見つかり、選択を迫られる。彼女は過去との決別と新たな人生の始まりとして、西陵という姓を選ぶ。こうして皓翎小夭は西陵小夭となり、辰栄山へ移り住む。

西陵小夭は侍女の珊瑚の将来を心配し、皓翎に戻れば巻き添えになると恐れる。塗⼭璟(とざんけい)は知恵と愛情で、塗山氏の皓翎での商売の繋がりを使い、珊瑚に安全で地位のある女掌事の職を用意する。同時に、防風意(ぼうふうい)映の死を伝え、二人の結婚が近いことを示唆する。西陵小夭は喜び、西陵の姓を選んだのは両家の釣り合いを考えてのことでもあると語る。二人は笑顔で未来を語り合う。

しかし、西炎(せいえん)国と皓翎の戦いは激しさを増し、二人の運命にも影を落とす。医術と医書編纂に忙しい西陵小夭は、外からのプレッシャーを感じる。塗⼭璟(とざんけい)は求婚の準備を進めるが、瑲玹(そうげん)の助言と小夭の修書計画が重なり、延期せざるを得なくなる。辛いながらも、塗⼭璟(とざんけい)は笑顔で小夭の決断を受け入れる。困難の中で、二人の絆はより強く、未来への道は確かなものとなる。

つづく