夜、小夭(しょうよう)は相柳(そうりゅう)の変わりやすい瞳をまっすぐに見つめ、「どんな姿になっても、私はあなただと分かる」と静かに、しかしはっきりと告げます。揺るぎない信頼が言葉に滲み出ています。しかし、蠱毒を解く話になると、相柳(そうりゅう)は眉をひそめ、どうしようもないと告白します。塗⼭璟(とざんけい)に頼まれ、見返りに大きな約束をされたものの、解毒は不可能だったのです。驚く小夭(しょうよう)が振り返ると、そこには塗⼭璟(とざんけい)が立っており、相柳(そうりゅう)は静かに立ち去ります。二人は言葉もなく見つめ合います。

小夭(しょうよう)は優しく塗⼭璟(とざんけい)を慰め、温かい言葉で彼の心を包み込みます。二人は橋に並んで座り、束の間の静寂を楽しみます。夜の景色が二人の時間をより一層温かく彩ります。しかし、この穏やかな時間は長くは続きません。瑲玹(そうげん)が突然現れ、小夭(しょうよう)を連れ帰ってしまうのです。

家に戻っても、小夭(しょうよう)は瑲玹(そうげん)に対して冷たい態度を取り続けます。窓の外では雨が激しく降りしきる中、彼女は停戦の理由を尋ねます。瑲玹(そうげん)は辛抱強く説明します。雨季に入り、洪水などの災害を防ぐため、やむを得ず停戦したのだと。別れ際、小夭(しょうよう)は彼に傘を手渡し、瑲玹(そうげん)は微笑みながら受け取り、雨の中へと消えていきます。

一方、皓翎(こうれい)国では、皓翎(こうれい)王の体調は悪化の一途をたどっています。それでも国事をこなし続ける父の姿を見て、皓翎憶(こうれいおく)は心を痛めます。山積みの政務を前に、自分の無力さを責め、自責の念に駆られます。皓翎(こうれい)王は優しい眼差しで娘を慰め、側にいてくれるだけで十分だと告げます。夜遅く、皓翎憶(こうれいおく)は灯りを頼りに書物を読み、兵法を学んで父を助けようと決意します。

西炎(せいえん)の戦場からは敗北の知らせが届きます。瑲玹(そうげん)は友である⾚⽔豊隆(せきすいほうりゅう)(せきすいほうりゅう)を心配し、陣営へ向かうことにします。祖父の許可を得た後、彼は小夭(しょうよう)と塗⼭璟(とざんけい)を誘います。皓翎(こうれい)国との関係を考慮してのことです。西炎(せいえん)の街に入ると、そこは平和な様子で、小夭(しょうよう)は不思議に思います。塗⼭璟(とざんけい)は、瑲玹(そうげん)の優れた政治と軍の統率のおかげだと説明します。小夭(しょうよう)は瑲玹(そうげん)を見直し、彼の野心と努力を認めます。

夜になり、三人は楽しい夜を過ごし、野営を楽しみます。その後、⾚⽔豊隆(せきすいほうりゅう)(せきすいほうりゅう)を訪ねます。小夭(しょうよう)は不安を感じていましたが、⾚⽔豊隆(せきすいほうりゅう)(せきすいほうりゅう)の寛大さに安堵します。四人が話しているところに、敗戦の知らせが届きます。⾚⽔豊隆(せきすいほうりゅう)(せきすいほうりゅう)は自責の念に苛まれますが、瑲玹(そうげん)の励ましで再び闘誌を燃やします。

皓翎(こうれい)国では、王位継承をめぐる争いが激化しています。このことを知った皓翎憶(こうれいおく)は、怒りと自責の念に駆られ、自ら事態の収拾に乗り出します。同時に、塗⼭璟(とざんけい)の策略によって、西炎(せいえん)軍の戦略は変化します。しかし、瑲玹(そうげん)はそれを知らず、⾚⽔豊隆(せきすいほうりゅう)(せきすいほうりゅう)の判断だと勘違いし、結果的に⾚⽔豊隆(せきすいほうりゅう)(せきすいほうりゅう)の立場は強化されます。塗⼭璟(とざんけい)は⾚⽔豊隆(せきすいほうりゅう)(せきすいほうりゅう)に自分の気持ちを打ち明け、理解と祝福を求めます。一方、皓翎憶(こうれいおく)は西炎(せいえん)の陣営に押しかけ、父と自分のために公正を求めます。

この夜、それぞれの胸に様々な感情が渦巻きます。運命の歯車は静かに回り始め、彼らを未知の未来へと導いていくのです。

第13話の感想

第13話は、それぞれのキャラクターの心情が深く描かれ、今後の展開がますます気になるエピソードでした。小夭(しょうよう)と相柳(そうりゅう)のシーンは、切なくも美しいものでした。小夭(しょうよう)の揺るぎない信頼と、相柳(そうりゅう)の秘めた想い。言葉にはされない感情が、二人の間の緊張感をより一層高めていました。解毒が不可能だと知り、それでもなお、小夭の前では平静を装う相柳(そうりゅう)の姿には、胸が締め付けられました。

一方、小夭と塗⼭璟(とざんけい)の穏やかな時間は、瑲玹(そうげん)の登場によって突然中断されます。二人の仲を裂く瑲玹(そうげん)の行動には、苛立ちを感じずにはいられません。しかし、雨の中での小夭との会話からは、彼なりの葛藤や苦悩も垣間見えました。

皓翎(こうれい)国では、皓翎(こうれい)王の衰弱と、王位継承問題が深刻化しています。皓翎憶(こうれいおく)の父を思う気持ち、そして国を背負う重圧は、見ているこちらも苦しくなるほどでした。彼女の成長と、今後の決断に注目したいです。

つづく