穏やかな晴天の中、瑲玹(そうげん)自ら台所に立ち、大臣達のために西炎(せいえん)の伝統料理を振る舞った。一つ一つの動作、一つ一つの料理に、彼の深い想いと思いが込められていた。宴の席で、瑲玹(そうげん)は遷都の理由を率直に語り、その言葉は皆の心に響いた。大臣達は彼の誠実さに心を打たれ、遷都への疑念や仮対は次第に薄れ、支持と信頼へと変わっていった。遷都はもはや必然の流れとなったように見えた。
しかし、五王(ごおう)はこの知らせを聞き、起死回生を図るべく、遷都に仮対する西炎(せいえん)の旧勢力と結託し、西炎(せいえん)への帰還と自立を企てた。水面下での駆け引きが静かに幕を開ける。
一方、相柳(そうりゅう)はついに小夭(しょうよう)の頼みを聞き入れ、体内の蠱毒の除去に協力することを約束した。その代わりに、彼は夕食を共にすることを提案し、小夭(しょうよう)は快諾した。しかし、この夕食は穏やかには進まなかった。塗⼭璟(とざんけい)と離戎昶(りじゅう しょう)の突然の登場により、場の空気は微妙なものとなった。離戎昶(りじゅう しょう)は小夭(しょうよう)に防風邶(ぼうふうほく)への想いを断ち切り、塗⼭璟(とざんけい)を考慮するよう説得を試みるが、小夭(しょうよう)はそれをきっぱりと拒絶した。彼女は⾚⽔豊隆(せきすいほうりゅう)(せきすいほうりゅう)との婚約を明言するだけでなく、離戎昶(りじゅう しょう)が相柳(そうりゅう)を軽んじる態度に憤りを見せた。
緊張が高まる中、一人の老人が懐かしい民謡を口ずさみ始めた。歌声には、過去の英雄への追慕が込められていた。離戎昶(りじゅう しょう)は不愉快な記憶を呼び起こすことを恐れ、歌を止めさせようとしたが、小夭(しょうよう)は過去を水に流し、今を大切にしたいと語った。夕食後、彼女は相柳(そうりゅう)と並んで去り、二人の会話からは未来への希望と互いへの思いやりが感じられた。
朝廷では、瑲玹(そうげん)の遷都計画は大臣達からの全面的な支持を得て、五王(ごおう)の抵抗は 最終的に失敗に終わり、彼は失意のうちに隠居の道を選んだ。馨悦(けいえつ)の見舞いを受け、瑲玹(そうげん)は今後彼女の家の力を借りる必要があるかもしれないと気づき、彼女を丁重にもてなした。
時を同じくして、西炎(せいえん)の老王は瑲玹(そうげん)に相柳(そうりゅう)を招降する考えを提案したが、相柳(そうりゅう)はそれを拒否した。片腕の老人の元を訪れた相柳(そうりゅう)は、小夭(しょうよう)と赤宸(せきしん)の複雑な関係、そして蠱毒を解く唯一の希望が百黎族の巫王にあることを知る。しかし老人の警告は、この恋が実らない運命にあるかもしれないことを彼に悟らせた。相柳(そうりゅう)は複雑な思いを抱き、酒に溺れるしかなかった。
小夭(しょうよう)は深い葛藤の中にいた。清水(せいすい)鎮と朝雲殿での日々を懐かしみ、塗⼭璟(とざんけい)への想いが募る。瑲玹(そうげん)の温かい気遣いと慰めは彼女に安らぎを与えたが、同時に自分の心の弱さと無力さを改めて痛感させた。彼女は誰かに心の傷を癒してほしいと願う一方で、再び傷つくことを恐れていた。
この回では、朝廷における権力闘争と、登場人物たちの複雑な感情の縺れが鮮やかに描かれている。誰もが自分の信念と未来のために懸命に生きている中、運命の歯車は静かに回り続け、彼らを未知の未来へと導いていく。
第2話感想
第二話は、それぞれの思惑が交錯し、緊張感と切なさが胸に迫る展開でした。瑲玹(そうげん)の遷都をめぐる政治的駆け引きは、彼の誠実さと決意が大臣たちの心を動かし、最終的に成功を収めます。しかし、その裏では五王(ごおう)の抵抗や、馨悦(けいえつ)との微妙な関係など、今後の波乱を予感させる要素も散りばめられていました。
特に印象的だったのは、小夭(しょうよう)、相柳(そうりゅう)、塗⼭璟(とざんけい)、離戎昶(りじゅう しょう)が織りなす四角関係の行方です。夕食の席での緊張感、小夭(しょうよう)の揺れる想い、相柳(そうりゅう)の秘めた優しさ、そして塗⼭璟(とざんけい)と離戎昶(りじゅう しょう)の対照的なアプローチ。それぞれのキャラクターの個性が際立ち、今後の展開がますます気になります。小夭(しょうよう)は、相柳(そうりゅう)に惹かれながらも、⾚⽔豊隆(せきすいほうりゅう)(せきすいほうりゅう)との婚約、塗⼭璟(とざんけい)への未練、そして瑲玹(そうげん)の温かさの間で揺れ動いています。彼女が最終的に誰を選ぶのか、あるいは誰にも選ばないのか、目が離せません。
つづく