西炎(せいえん)の瑲玹(そうげん)は、祖父の入れたお茶によって幻覚を見せられ、西陵の玖瑶が腕の中で息絶えるという悪夢にうなされます。祖父にこの出来事を語り、塗⼭璟(とざんけい)殺害を強く否定します。祖父は瑲玹(そうげん)を信じますが、小夭(しょうよう)の純粋さと世家の陰謀に対する認識の甘さを指摘し、刺客の素性を見抜けなかったことを戒めます。深く仮省した瑲玹(そうげん)に、祖父は玖瑶の信頼を裏切るなと諭します。瑲玹(そうげん)は誓いを立て、祖父は安堵し、敵の焦りが瑲玹(そうげん)を破滅に追い込まなかったことを喜びます。
赤水の豊隆(ほうりゅう)は、刺客の正体を突き止め、辰栄の馨悦(けいえつ)を問い詰めます。馨悦(けいえつ)は犯行を認め、本来の標的は玖瑶であったこと、防風意(ぼうふうい)映の裏切りで計画が狂ったことを明かします。豊隆(ほうりゅう)は馨悦(けいえつ)の愚行に失望し、激しい口論となりますが、馨悦(けいえつ)はすべての責任を自分が負うと断言します。
その後、豊隆(ほうりゅう)は清水(せいすい)鎮の問題を解決したことを馨悦(けいえつ)に伝え、今回限りの助力であること、今後の行動に注意するよう忠告し、去っていきます。
一方、玖瑶を見舞った瑲玹(そうげん)は、彼女の白髪に気づき心を痛めます。玖瑶は気にせず、婚礼前に話した「今回は違う」という意味を説明します。母は大切な家族であると同時に西炎(せいえん)の民であり、どちらかを選ばねばならない時、自分が切り捨てられることを理解していると語り、しかし塗⼭璟(とざんけい)は違う、自分にとって彼は何よりも大切だと断言し、彼の生存を信じ探し続けると言います。瑲玹(そうげん)は捜索を続けると約束し、玖瑶を抱きしめ、自分の責任だと謝罪します。玖瑶は疑問を抱きながらも、瑲玹(そうげん)の抱擁に応えます。
瑲玹(そうげん)は馨悦(けいえつ)を激しく叱責し、塗⼭璟(とざんけい)殺害について問いただします。馨悦(けいえつ)は認め、標的は玖瑶であったと白状します。激怒した瑲玹(そうげん)は馨悦(けいえつ)を平手打ちし、王妃の地位は奪わないが実権を剝奪し、孤立させると宣言します。
瑲玹(そうげん)は辰栄義軍討伐のため蓐収(じゅくしゅう)と覃芒(たんぼう)に兵を率いさせようとしますが、豊隆(ほうりゅう)が自ら誌願します。豊隆(ほうりゅう)の父は激怒しますが、豊隆(ほうりゅう)は戦功によって馨悦(けいえつ)の罪を軽減してもらおうとしていると説明し、父は息子の苦衷を理解します。出徴前、豊隆(ほうりゅう)は馨悦(けいえつ)を訪ねますが、逆に罵倒され追い返されます。祖父は玖瑶に豊隆(ほうりゅう)の出徴を伝え、相柳(そうりゅう)への未練を心配しますが、玖瑶は清水(せいすい)鎮での思い出を涙ながらに回想しつつも、世の無常を悟ったと答えます。
相柳(そうりゅう)の策略により、洪江(こうこう)は豊隆(ほうりゅう)の軍を奇襲し、西炎(せいえん)軍は大敗を喫します。朝臣たちは主帥交代を求めますが、瑲玹(そうげん)は豊隆(ほうりゅう)を信じ、自ら清水(せいすい)鎮へ調査に向かいます。玖瑶も同行を願い、最初は拒否されますが、祖父の後押しもあり、清水(せいすい)鎮への思い入れを汲み取り、同行を許可します。二人は共に清水(せいすい)鎮へ向かい、真相究明と玖瑶の心の整理を目指します。
第20話の感想
第20話は、様々な感情が交錯する重厚なエピソードでした。瑲玹(そうげん)の悪夢と祖父との会話は、彼の苦悩と責任感、そして小夭(しょうよう)への深い愛情を改めて浮き彫りにしました。一方、⾚⽔豊隆(せきすいほうりゅう)(せきすいほうりゅう)と辰栄馨(しんえいけい)悦(けいえつ)の対峙は、愛と一族の間で揺れる豊隆(ほうりゅう)の葛藤を痛切に描いています。馨悦(けいえつ)の覚悟は悲しいながらも、彼女の歪んだ愛情表現を感じさせます。
瑲玹(そうげん)と玖瑶のシーンでは、玖瑶の強さと優しさが印象的でした。白髪が増えても動じず、愛する人の生存を信じ続ける彼女の姿は、深い愛情と芯の強さを物語っています。瑲玹(そうげん)の謝罪と抱擁は、彼の玖瑶への深い愛情と罪悪感を表していますが、玖瑶の心にはまだ拭えない疑念が残っているようにも感じられます。
そして、物語は戦乱へと発展していきます。豊隆(ほうりゅう)の決断は、妹への愛ゆえの行動とはいえ、大きな波紋を呼びます。父との会話、そして馨悦との決裂は、彼の苦悩をさらに深めていきます。相柳(そうりゅう)の闇躍も不穏な影を落とし、今後の展開に不安を感じさせます。
つづく