第22話は、感情と運命の絡み合いがクライマックスを迎えます。

相柳(そうりゅう)は、自らを犠牲にして蠱毒を解くという決断を実行に移し、その使命を果たします。昏睡状態の愛する小夭(しょうよう)/西陵玖瑶(せいりょうきゅうよう)を皓翎憶(こうれいおく)に託し、王母(おうぼ)には真実を隠して、玖瑶には蠱毒が解けたと思わせるよう頼みます。「此生既に縁なく相守れぬなら、情の負債も相思の苦しみも作らず、まるで他人のように」という言葉には、相柳(そうりゅう)の深い愛情とやるせなさが溢れ、皓翎憶(こうれいおく)は涙ながらに承諾し、負傷した彼の去っていく後ろ姿を目に焼き付けます。

一方、西炎(せいえん)軍と辰栄義軍の戦争の気配が濃くなります。西炎(せいえん)の瑲玹(そうげん)は、祖父の重圧を背負い、敵には厳しくも尊厳を忘れずに接すると誓います。玖瑶への想いは胸に秘め、今はその時ではないと自分に言い聞かせます。真言茶を使った祖父とのやり取りでは、瑲玹(そうげん)の本音が垣間見え、気まずさを覚えながらも、温かい家族の絆を感じさせます。

玉(ぎょく)山の頂上では、玖瑶は王母(おうぼ)になるべきか悩み、この広い世界に自分の居場所が見つからないと苦悩します。そんな中、死んだと思われていた塗⼭璟(とざんけい)が突然現れます。再会を喜び、固く抱き合う二人。これまでの辛い時間、孤独、そして全ての苦しみが涙と笑顔に溶けていきます。

塗⼭璟(とざんけい)は、九死に一生を得た経緯を玖瑶に話します。危機一髪の瞬間、傀儡の忠誠と犠牲、奇跡の霊薬、離戎昶(りじゅう しょう)の恩など、一つ一つの出来事が感動的です。玖瑶は感謝と愛情で胸がいっぱいになり、絶望のあまり全てを諦めるところだったと気づきます。和やかな雰囲気の中、二人は冗談を交わしながら絆を深め、塗⼭璟(とざんけい)の言葉は玖瑶の心に優しく染み渡ります。

この全てを、陰に隠れた瑲玹(そうげん)は見ていました。玖瑶と塗⼭璟(とざんけい)の再会と幸福を目の当たりにし、複雑な感情に揺れます。愛する玖瑶に、今の自分は彼女が望む幸せを与えられないことを悟り、静かにその場を去ります。深い愛情は胸の奥にしまい、玖瑶への祝福と守護の気持ちへと変わっていきます。

第22話の感想

第22話は、まさに感情のジェットコースターでした。それぞれのキャラクターの想いが交錯し、喜び、悲しみ、苦悩、そして希望が鮮やかに描かれています。

特に相柳(そうりゅう)の自己犠牲には胸が締め付けられました。愛する人のために、自分の命を投げ出す覚悟、そしてその深い愛情を秘めたまま去っていく姿は、まさに悲劇のヒーローです。「此生既に縁なく相守れぬなら、情の負債も相思の苦しみも作らず、まるで他人のように」という言葉は、彼の苦悩と諦念、そして深い愛情を凝縮した名セリフと言えるでしょう。

一方、塗⼭璟(とざんけい)と玖瑶の再会は、これまでの苦難を乗り越えた二人へのご褒美のようでした。死の淵から蘇り、愛する人と再会できた喜びは、見ているこちらまで幸せな気持ちにさせてくれます。二人の抱擁シーンは、まさに感動のクライマックスでした。

つづく