塗⼭璟(とざんけい)は心に何か引っ掛かり、夜遅くまで眠れずにいた。侍女の静夜(せいよ)が休むように促しに来ると、彼女の泣き腫らした目に気づき、理由を尋ねる。そこで、今日は亡き嫂の命日であることを思い出す。静夜(せいよ)と嫂の藍枚(らんまい)は、緑苁と蘭香(らんこう)と共に、幼い頃から寝食を共にし、姉妹のように育った。後に藍枚(らんまい)と緑苁は大兄に、静夜(せいよ)と蘭香(らんこう)は塗⼭璟(とざんけい)に仕えることになった。しかし今、藍枚(らんまい)と緑苁は亡くなり、蘭香(らんこう)は去り、静夜(せいよ)だけが一人残された。塗⼭璟(とざんけい)は緑苁の死を知らなかったが、静夜(せいよ)から、藍枚(らんまい)の死を深く悲しみ、それが原因で病となり、故郷に戻って間もなく亡くなったと聞かされる。藍枚(らんまい)の死自体も不可解だったこともあり、静夜(せいよ)と話しながら、塗⼭璟(とざんけい)は母の葬儀の際に藍枚(らんまい)から伝えたいことがあると言われたことを思い出す。しかし、藍枚(らんまい)は塗⼭璟(とざんけい)に会う前に亡くなってしまった。当時の出来事を振り返ると、母の死の他に、自分の子が生まれたことがあった。塗⼭璟(とざんけい)は子の出生に疑念を抱き、翌日青丘へ戻ることを決意する。
塗⼭璟(とざんけい)は息子の塗山瑱(とざんしん)の血を採取し、滴血验親を行う。しかし、結果は親子、兄弟、それとも甥姪なのか判別がつかない、ただ血縁関係があることだけが証明された。
瑲玹(そうげん)の后選びの時、彼は小夭(しょうよう)を后にしたいと願っていたが、彼女に無理強いはしたくなかった。小夭(しょうよう)と祖父に相談すると、祖父は馨悦(けいえつ)こそ最適な后候補だと主張する。辰栄族との婚姻によって西炎(せいえん)の発展と安定を図ることができると考えたのだ。西炎(せいえん)の王として、中原氏族の支持を得るためには血脈の融合が不可欠であり、馨悦(けいえつ)こそがそのための最良の選択だと祖父は考えた。しかし、小夭(しょうよう)はこれに仮対する。瑲玹(そうげん)は一瞬喜ぶが、小夭(しょうよう)の仮対理由は阿念(あんねん)のためだと知る。阿念(あんねん)が瑲玹(そうげん)を慕っていることを知っている小夭(しょうよう)は、彼女のために仮対したのだ。瑲玹(そうげん)は諦め、帝王としての責任を受け入れ、誰を后にしても構わないと悲しげに告げる。
馨悦(けいえつ)が后になることを知った阿念(あんねん)は深く悲しむが、祖父との秘密を胸に、彼が何とかしてくれると信じていた。紫金宮には居られなくなった阿念(あんねん)は、五神山へ戻ることを決め、小夭(しょうよう)にも一緒に来るように誘う。小夭(しょうよう)も父に会いたいと思い、西炎(せいえん)王に別れを告げて出発の準備をする。瑲玹(そうげん)は小夭(しょうよう)を追いかけ、いつ戻るのか尋ねる。小夭(しょうよう)は明確な時期を答えず、瑲玹(そうげん)は13ヶ月後に迎えに行くと約束する。しかし、小夭(しょうよう)は自分のすべきことをするよう瑲玹(そうげん)に告げ、一人で立ち去る。瑲玹(そうげん)は小夭(しょうよう)の後ろ姿を見送り、悲しみに暮れる。
念願の后となった馨悦(けいえつ)は、天下の母として、そして愛される后として君臨することを夢見ていた。しかし、結婚初夜、瑲玹(そうげん)は馨悦(けいえつ)の寝宮には行かず、鳳凰林を散策していた。瑲玹(そうげん)の意図的な行動に激怒した馨悦(けいえつ)は、贈られた品々を投げ捨てようとするが、侍女に止められる。他の妃嬪たちに笑われ、瑲玹(そうげん)との不仲を疑われると、今後の立場が悪くなると忠告されたのだ。馨悦(けいえつ)は後宮の女たちに自分の弱みを見せるわけにはいかなかった。
第3話感想
第3話は、それぞれのキャラクターの心情が深く描かれ、今後の展開が気になるエピソードでした。特に塗⼭璟(とざんけい)の過去への探求と、瑲玹(そうげん)と小夭(しょうよう)のすれ違う想いが印象的です。
塗⼭璟(とざんけい)は、静夜(せいよ)との会話から亡き藍枚(らんまい)と緑苁の死の真相を探ろうとする姿が描かれています。藍枚(らんまい)の死には何か秘密が隠されているようで、彼の青丘への帰還が何を意味するのか、今後の展開が非常に気になります。滴血验親の結果も、彼の疑念を深めるものとなり、息子との関係性にも変化が生じる可能性があります。
一方、瑲玹(そうげん)と小夭の関係は、より複雑になっています。瑲玹(そうげん)は小夭を后にしたいという気持ちを抑え、国のために馨悦(けいえつ)との結婚を受け入れます。しかし、小夭への想いは消えず、彼女の帰りを待つ姿は切ないものがありました。小夭もまた、瑲玹(そうげん)への複雑な感情を抱えながらも、彼との距離を置くことを選びます。二人の想いはすれ違い、今後の関係性がどうなっていくのか、目が離せません。
つづく