穏やかな瀛洲で、小夭(しょうよう)と阿念(あんねん)は薬屋を営み、静かに暮らしていた。ある日、相柳(そうりゅう)が薬を取りに訪れる。それは表向きで、本当は小夭(しょうよう)を気に掛けていた。小夭(しょうよう)は体調が優れず、薬作りに身が入らないと嘆くと、相柳(そうりゅう)は心配そうな表情を隠して、病気を長引かせないでほしいとだけ告げる。その後、気分転換に琴を弾こうとする小夭(しょうよう)に、相柳(そうりゅう)は無理しないでと優しく声をかけ、自ら琴を奏でる。美しい音色が小夭(しょうよう)の心を癒やした。

一方、小夭(しょうよう)と離れてから、瑲玹(そうげん)は手紙を送り続け、彼女への想いを綴っていた。しかし、小夭はトラブルを避けるため、距離を置くべきだと考え、返事をしなかった。ところが、瑲玹(そうげん)は身分も顧みず瀛洲まで訪ねてくる。突然の再会に動揺した小夭は、指を怪我してしまう。瑲玹(そうげん)は慌てて手当てをし、深い愛情を示す。小夭は感動するも、一国の君主である瑲玹(そうげん)の行動の危険性を理解し、複雑な気持ちになる。

瑲玹(そうげん)の説得を受け入れ、小夭は西炎(せいえん)に戻るが、心は晴れない。瑲玹(そうげん)は小夭を祖父の住む小月頂に滞在させ、温かさを感じてほしいと願う。しかし、小夭の心は依然として重く、笑顔を見せない。瑲玹(そうげん)は優しく寄り添い、秋千を漕ぎながら、どこにいても必ず見つけると誓う。小夭の心は揺れ動く。

祖父は小夭の帰還を喜ぶが、瑲玹(そうげん)の来訪には難色を示し、小夭に迷惑がかからないか心配する。翌日、王后馨悦(けいえつ)が祖父の見舞いを口実に小夭の様子を探りに来る。小夭は礼儀正しく接するが、心の中では気楽な関係を望んでいた。馨悦(けいえつ)は鳳凰の木と秋千を見て、瑲玹(そうげん)が大婚の夜にこだわっていたことを思い出し、複雑な気持ちで「陛下は懐かしいのですね」とだけ言い残し、去っていく。

その頃、塗⼭璟(とざんけい)は防風意(ぼうふうい)との夜の記憶を取り戻すため、危険を承知で離戎の大伯に頼み、光陰盞を使う。髪、血、命を代償に、過去の記憶を辿る。苦しみの中で、防風意(ぼうふうい)が小夭に化けて近づいてきた記憶の断片だけが蘇り、塗⼭璟(とざんけい)は激しい後悔に襲われる。彼の心は既に小夭で満たされており、他の誰かの入る余地はない。

そして、衝撃的なことに、小夭は豊隆(ほうりゅう)の求婚を受け入れ、結婚を決意する。瑲玹(そうげん)は悲嘆に暮れ、引き止めようとするが、祖父に止められる。感情は無理強いできないこと、そして瑲玹(そうげん)の私情で多くの人が傷つくことを危惧する祖父の言葉に、瑲玹(そうげん)は沈痛な思いを胸に秘める。小夭の未来は、運命の波に流されていく。

第4話 感想

第4話は、登場人物たちの複雑な感情が交錯する、切なくもどかしいエピソードでした。小夭と瑲玹(そうげん)、そして相柳(そうりゅう)の三人の関係性がさらに深まり、それぞれの想いが胸を締め付けます。

瀛洲での小夭と相柳(そうりゅう)のシーンは、静かな優しさに満ちていました。体調不良の小夭を心配する相柳(そうりゅう)の眼差し、そして琴の音色に癒される小夭の姿は、二人の間に流れる特別な空気を感じさせます。言葉は少ないながらも、互いを深く思いやる気持ちが伝わってきて、とても印象的でした。

一方、瑲玹(そうげん)のひたむきな愛情表現は、見ているこちらが苦しくなるほどです。身分を顧みず小夭のもとへ駆けつけ、怪我の手当てをする姿からは、彼の深い愛情と切ない想いがひしひしと伝わってきます。しかし、小夭の心は揺れ動き、二人の未来は不透明なままです。

つづく